木目1

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第7章 ノコギリ趣向(3)
馬ノコ その3
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普通の馬ノコは、馬が2回動いて斜めに一つ移動するのですが、3回動く馬ノコもあります。
こちらの方が鋸の歯の形に近いかも。 本作は全着手馬。 39手。

くるくる No.193

81馬、28玉、82馬と馬ノコの出だし。 39玉と逃げると93馬、28玉、37馬で簡単。
18玉と逃げれば普通の馬ノコのコースですが、17玉と逃げる手があります。
これには71馬とするしかないので、それから18玉とすれば2手稼げます(71馬のとき28玉は37馬)。
馬が3回動いて一つずれるので三段馬ノコと呼びます。
このシンプルな仕組みで成立するのは驚きですね。

  81馬、28玉、82馬、17玉、71馬、18玉、
  72馬、28玉、73馬、17玉、62馬、18玉、
  63馬、28玉、64馬、17玉、53馬、18玉、
  54馬、28玉、55馬、17玉、44馬、18玉、
  45馬、28玉、46馬、17玉、35馬、18玉、
  36馬、98玉、37馬左、39玉、

37馬まで近づくと、17や18に逃げるのは27馬の一手詰なので、仕方なく39玉と逃げて収束します。

  48馬、28玉、37馬右、18玉、27馬まで39手

三段馬ノコをなんと四銀図式で実現した作品がありますので紹介します。

上記の作品はいずれも鋸の歯が縦向きで接近するだけの馬ノコでした。 三段馬ノコも普通の馬ノコと同じように往復させることも可能です。 また玉の逃げ方で鋸の歯が横向きになることもあります。

三段馬ノコの元祖作品は山腰雅人作(近代将棋1991年6月、早詰)でしょうか。 縦向きの歯の三段馬ノコで遠ざかり、横向きの歯の三段馬ノコで近づく、往復の三段馬ノコ作品でした。

くるくる展示室では、往復の三段馬ノコをなんと左右で2回行う作品も発表されていますので、こちらもご鑑賞ください。

くるくる展示室 No.9 猫田やどかりさん 「右左ブーメランフック」

三段馬ノコは普通の馬ノコにくらべて作品が少なく、まだまだ開拓の余地がありそうです。

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