木目1

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第7章 ノコギリ趣向(4)
馬ノコ その4
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シンプルな馬ノコでは、馬−玉−馬−玉で馬が斜めに一つ移動しますが、その間にほかの手を入れた馬ノコもあります。
本作は馬が斜めに一つ移動するのになんと歩を3枚も消費します。 12×5+17。

くるくる No.194

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

馬の動きは99−89−88と普通の馬ノコと同じですが、玉の動けるところが多いので、歩を使って狭めながら馬を近づけます。

初手89馬では21、31、41と逃げられて失敗。 馬のラインが33−22に利いているうちに、13歩、21玉、22歩、11玉、12歩成、同玉、と、22歩を発生させておきます。 今なら22歩に3筋に逃げられても、33馬があるので大丈夫。

22歩があれば、89馬に21玉と逃げることができず、11玉か22玉。 ここは1歩余分に使わせる11玉が正解です。 12歩、22玉、88馬、12玉で、やっと1サイクル。 馬が99から88に進みました。 あとは同様に馬を接近させます。

  13歩、21玉、22歩、11玉、12歩成、同玉、89馬、11玉、12歩、22玉、88馬、12玉、
  13歩、21玉、22歩、11玉、12歩成、同玉、78馬、11玉、12歩、22玉、77馬、12玉、
  13歩、21玉、22歩、11玉、12歩成、同玉、67馬、11玉、12歩、22玉、66馬、12玉、
  13歩、21玉、22歩、11玉、12歩成、同玉、56馬、11玉、12歩、22玉、55馬、12玉、
  13歩、21玉、22歩、11玉、12歩成、同玉、45馬、11玉、12歩、22玉、44馬、12玉、

もう1回同じように追うと、歩がなくなってしまって詰みません。 34馬と変化して収束に入ります。

  34馬、11玉、12歩、21玉、22歩、31玉、32歩、同玉、
  23金、41玉、52馬、31玉、21歩成、同玉、43馬、31玉、32馬 まで77手

盤面わずか4枚、持駒歩18枚で、1サイクルに3歩使う馬ノコを成立させた傑作。 ちなみに墨江酔人は、解答王でもあった七條兼三さんのペンネームです。

本作のシンプルな初形にはびっくりですが、1サイクルに2歩消費する馬ノコ趣向を飛角図式で実現した作品があります。 塩野入清一さんの作品。 飛角図式の長手数記録作品(83手)で、途中になんと飛不成が入るのです。 こちらの傑作もぜひあわせてご鑑賞ください。

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