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詰将棋おもちゃ箱 − 詰将棋研究室 研究展示室 No.3 吉田京平さん |
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龍追い作品は繰り返しの機構としてはがし趣向を利用することが昔からよく行われてきました。
はがす仕組みとしては、龍で直接取りにいくか、はがす駒を龍追いの軌跡の上に移動させて龍で取るのが一般的です(図巧100番「寿」など)。 |
龍追いで36玉に来たとき48桂と打ち、続けて龍追いして64玉のとき56桂と香をはがします。 取った香で桂を合駒させて取り、次の香をはがしていきます。 今回の作品では、はがす駒を香ではなくと金にすることで、はがす駒数が4から7と増加。 また龍追いの軌跡も大きくなり、手数も167手から385手と2倍以上に延びました。 桂ではがすといっても、すぐには桂を入手することはできません。 まずは手順を進めてみましょう。 43飛、35玉、33飛成、26玉、24龍、37玉、 ここで27龍では48玉で困ります。 28龍がポイントで、48玉なら39龍、同歩成、59金以下。 36玉と折り返します。 28龍、36玉、27龍、35玉、25龍、44玉、34龍、53玉、43龍、62玉、 52龍、73玉、72龍、84玉、74龍、95玉、94龍、86玉、 97龍、85玉、86歩、84玉、94龍、73玉、74龍、62玉、 72龍、53玉、52龍、44玉、43龍、35玉、34龍、26玉、25龍、37玉、 これで1往復。 52龍で歩を取って折り返しで86歩と歩を使ったので、持駒(歩歩)の増減はありません。 28龍、36玉、27龍、35玉、25龍、44玉、34龍、53玉、33龍、62玉、 22龍、73玉、72龍、84玉、74龍、95玉、94龍、86玉、 97龍、85玉、86歩、84玉、94龍、73玉、74龍、62玉、 72龍、53玉、52龍、44玉、43龍、35玉、34龍、26玉、25龍、37玉、 2往復目には22歩を取りました。 28龍、36玉、27龍、35玉、25龍、44玉、24龍、34桂合、同龍、53玉、43龍、62玉、 52龍、73玉、72龍、84玉、74龍、95玉、94龍、86玉、 97龍、85玉、86歩、84玉、94龍、73玉、74龍、62玉、72龍、53玉、52龍、44玉、 43龍、35玉、34龍、26玉、25龍、37玉、 3往復目には13香に狙いをつけて24龍、34桂捨て合でこれを阻止します。 局面は同じですが、持駒が歩歩から桂歩に変わりました。 『28龍、36玉、48桂、35玉、25龍、44玉、56桂、同と、24龍、34桂合、同龍、53玉、43龍、62玉、 52龍、73玉、72龍、84玉、74龍、95玉、94龍、86玉、 97龍、85玉、86歩、84玉、94龍、73玉、74龍、62玉、72龍、53玉、52龍、44玉、 43龍、35玉、34龍、26玉、25龍、37玉、』 = と金はがし 4往復目には桂を48に据えて、56桂とと金を1枚はがします。 あとはこれを繰り返して7枚のと金をすべてはがします。 『と金はがし』 × 5 28龍、36玉、48桂、35玉、25龍、44玉、56桂、53玉、23龍、62玉、 32龍、73玉、72龍、84玉、74龍、95玉、94龍、86玉、 97龍、85玉、86歩、84玉、94龍、73玉、74龍、62玉、72龍、53玉、52龍 まで385手 最後は56桂を取ることができなくなって、44に行けなくなり収束します。 反転型の龍追いと桂によると金はがしを融合させた作品。 はがすと金群を中央に配置することで、7枚と最大限の繰り返しに成功しました。 無理のない配置、すっきりした手順で解後感は爽快。 龍追い+桂によるはがしのリファレンスとして歴史に残る作品です。 それでは皆さんの感想を(解答到着順)。
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研究展示室No.3 解答・感想:7名 全員正解(下記) 当選者は、展示室で発表しています。 |