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詰将棋おもちゃ箱カピタンリバイバル
カピタン展示室 No.32 深井一伸さん
鑑賞詰 89手
カピタンリバイバル
カピタンリバイバル

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
解くのではなく、手順を鑑賞して楽しむフェアリー詰将棋です。
詳しくはこちらを ==> 鑑賞詰で妄想力を鍛えよう
感想をお聞かせください。
鑑賞詰 指定した手順にしたがって詰める。

  31飛、12玉、21飛成、13玉、11龍、12歩合、22龍、14玉、
  13龍、25玉、15龍、36玉、16龍、26香合、25龍、27玉、
  16龍、37玉、17龍、27香合、28龍、47玉、37龍、56玉、
  36龍、46飛合、45龍、67玉、65龍、66金合、56龍、78玉、
  58龍、68金合、69龍、87玉、89龍、88銀合、98龍、76玉、
  96龍、86銀合、87龍、85玉、96龍、74玉、94龍、84銀合、
  85龍、83玉、94龍、72玉、92龍、82銀合、81龍、63玉、
  61龍、62金合、72龍、54玉、74龍、64金合、65龍、43玉、
  45龍、44角合、54龍、32玉、52龍、42角合、41龍、23玉、
  21龍、22香合、32龍、14玉、34龍、24香合、23龍、25玉、
  14龍、36玉、25龍、37玉、36龍、28玉、39龍、17玉、
  19龍 まで89手

作者 「裸玉・単騎図式(途中図も含む)・スーパー詰将棋です。 多分最短手数ではないと思うので、どなたか最短手数の図を示していただけると嬉しいです。」


詰将棋の解図・鑑賞の二つの要素のうち鑑賞にフォーカスした新しいフェアリー詰将棋、鑑賞詰。 夢のような手順も実現でき、楽しめるのが魅力です。

深井一伸さんから、普通の詰将棋では不可能な 「裸玉・単騎図式(途中図も含む)・スーパー詰将棋」 という条件の鑑賞詰を投稿いただきましたので、カピタン展示室にて披露させていただきました。

純粋に手順を楽しんだ方、詰将棋に危機感を感じられた方、「最短手数の図を示していただけると嬉しい」に反応された方、 いろいろな感想をいただき、ありがとうございました。 図を示した方は後でまとめて掲載しますので、まずはそれ以外の感想から。

山下誠さん:
なるほど裸玉単騎協力詰ですか。鑑賞詰も楽しいルールだと思います。
大西智之さん:
妄想詰の方もしっかりと鑑賞させていただきました。
小山邦明さん:
カピタンはルールが理解でき無いことが多いのですが、 くるくるのような手順で桂以外の合駒をうまく発生させて、収束形もきれいに合駒ができない単騎詰に仕上げていると思いました。 
S.Kimuraさん:
8筋から4筋にかけて,1つおきに合駒させているところと, 最後に龍で追いかけて詰み上がるところが面白いと思いました. 最短手順は分かりませんが,それが鑑賞して楽しめる手順だと良いですね.
エレーンさん:
(作品単体に対する感想ではなくてすみません) 碌に創作もしていない者が言うのもなんですが、実現するという要素を無視するのは、詰将棋ではないと僕は考えています。 鑑賞詰の思想については9月号を読んで納得し、詰将棋の創り方としても有用であると認識しましたが、 これの作品としての発表の許容は、既存の詰将棋の否定になることを懸念します。 

フェアリー詰将棋は、詰将棋の一部の要素を変更することで、伝統的な詰将棋とはまた違った楽しみを生み出すものですから、 もちろん人によりルールの好き嫌いはあるものの、普通の詰将棋と両立するものと思います。 実際、詰将棋の会合などでは、普通の詰将棋とフェアリー詰将棋が両方ともよく楽しまれています。

では、続けて、最短手数に挑戦していただいた方の感想と作品を手数の長い方から順に。

永安克志さん:
歩と香を出さすに作れたらより綺麗かなと思ったので、私も考えてみました。
同じように裸玉、攻方の持駒が飛1枚、途中図が全て単騎図式、スーパー詰将棋で短手数を狙いました。
右側の詰み上がりは工夫しましたが、左側の趣向は深井さんのを借りました。

永安克志さん 65手 棋譜ファイル

金少桂さん:
これは普通詰将棋では絶対実現できない鑑賞詰ならではの手順。
作者も認める通り、手数を縮める余地は大いにありそうです。
となるとこれは挑戦しなくては、と思い挑戦したところ61手になりましたので添付ファイルで送ります。
これは新たな競技(?)の始まりかもしれません。

金少桂さん 61手 棋譜ファイル

池田俊哉さん:
正直なところこれの何が面白いかが、まだ良くわからないのですが、 フェアリーの創成期もそんな感じだったかと思うので、これから何かが生まれてくるのかもしれません
とりあえず、自分は最短手順を求めるパズルと解釈してやってみました
どうやらもっと短い順もあるようですが...。

池田俊哉さん 59手 棋譜ファイル

この案は途中で詰方の桂や銀が発生しているので、ちょっと条件が違うようです。

NAOさん:
裸玉から盤面いっぱいに広がる手順を楽しめました
裸玉・単騎図式(途中図も含む)・スーパー詰将棋の最短手数を妄想しました

NAOさん 53手 棋譜ファイル

そして最短の51手の図が、馬屋原剛さん、山口成夫さんのお二方から寄せられました。

馬屋原剛さん:
今月の展示室の深井さんのコメントに 「裸玉・単騎図式(途中図も含む)・スーパー詰将棋です。 多分最短手数ではないと思うので、どなたか最短手数の図を示していただけると嬉しいです。」 とありましたので、最短かどうかはわかりませんが大幅に手数を短縮した手順を送ります。

馬屋原剛さん 51手 棋譜ファイル

山口成夫さん:
アイデアとしてはとても面白く、今迄の普通の詰将棋では絶対に作れない条件です。
ただ、89手というのは、作者が言われている通り最短手数ではありませんね。
最短手数を目指すのであればまず4枚の香と歩の合駒は発生させる必要はありません。 何故なら詰め上がりの玉が最上段(九段目)で竜の横効きで詰ます形(普通詰将棋では1手詰しか出来ません)があり、 その場合、桂、香、歩は行き所のない駒となるので残りの駒11枚だけ合駒させればよいわけです。
この条件では、最初の合駒が出現するのは、最速でも4手目で、合駒の後次の合駒が出るまでに4手は必要。 飛1枚、角2枚、金4枚、銀4枚の11枚の合駒が出揃うのは最速で44手目です。 が45手目は竜で斜めにぶつける手になるため、この条件において、理論上の最短詰手数は、47手ということになります。 しかし、それで47手というのが本当に出来るのかどうかは別です。 色々、試してみましたが、私の力では51手が限界でした。 その51手の手順をお送りいたします。

山口成夫さん 51手 棋譜ファイル

鑑賞詰というルール、ある条件を満たす最短手順を求めるパズルとしても楽しめるようですね。 例えば七種合は最短何手でできるかなど、いろいろな問題が考えられそうです。 七種合は15手なら簡単ですが、双玉にして双方の合駒を入れることで何手まで縮められるか。 普通の詰将棋でも七種移動合は11手の作品があります。

2020年11月27日 追記

結果発表のあと、更に短縮できるということで、NAOさんと矢馬先龍氏さんのお二人より49手の作品が届きましたので紹介します。

NAOさん:
カピ展鑑賞詰の51手解を拝見しました。馬屋原さんと山口さんは各々異なるアプローチで短手数を達成されているのが興味深く感じました。
再び手数短縮を試み収束を工夫したところ、49手解が見つかりましたのでご連絡いたします。

NAOさん 49手 棋譜ファイル

矢馬先龍氏さん 49手 棋譜ファイル

また、作者の深井一伸さんより、感想と条件の提案がありました。

深井一伸さん:
鑑賞詰の「最短手数の図を示していただけると嬉しいです。」に多数の方が反応してくださったこと本当に嬉しく思います。 ハードルを低く設定しておりましたので、2〜3人位からはあるかなと思っていたのですが、6人とは望外でした。
鑑賞詰の行く方向として、条件を設定し、図を求むという形ならあると感じました。
とりあえず条件として思いつくもの。
1) 裸玉・単騎図式から詰め上がり盤面39枚のスーパー詰将棋(長手数となるので手順はかなりだるい)
2) 詰方・玉方双方6種不成(すべての不成に意味があるものとします)
最短手数を求むということではありません。
(私自身は、記録作ということにそれほど関心がない。)
特に1)は、石垣でも格子模様でも盤上に描いていただけたら、「鑑賞」にふさわしい象形作品になるのではないかなと思っています。

カピタン展示室No.32 感想:11名

  池田俊哉さん  馬屋原剛さん  S.Kimuraさん  エレーンさん
  大西智之さん  金少桂さん  小山邦明さん  NAOさん
  永安克志さん  山口成夫さん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。