詰将棋は受方が最長になるよう応じるのがルールですが、協力詰(ばか詰)は双方が協力して最短で詰まします。 協力詰では、出題時に手数が明示され(本作なら協力詰 5手)、それより長い詰め方は不正解です。
本作ではまた、普通の将棋駒に加えてチェスのクイーン(Queen)が登場しています。
この作品のように、盤、駒、ルールに何らかの変更を加えた詰将棋を、総称してフェアリー詰将棋と呼んでいます。
さて、本作、美しい無仕掛けの龍一色図式。
持駒Q1枚だけでは詰む形が作れないので、何か駒を入手する必要があります。
強力な龍が2枚も守っているので、この龍を取りに行きたくなります。 龍を取るには4手かかりますから、詰むとしたらそのあと飛打の1手詰。 結論からいうと、Qと飛では詰み形が作れません。
例えば95Q、85龍、同Q、64玉、63飛。 54が飛なら詰むけど同龍でダメ。
龍を取るのがダメなら、何か合駒させてそれを取って打ち詰ますことはできないか、といろいろ試していると正解が見えてきます。
69Q、68金合、同Q、56玉、46金 まで5手
作者「チェスのQ(クイーン)を使った協力詰です。 初形が取り柄の平凡な手順ですが、Qの打ち場所がちょっとした考え所でしょうか。 」
分かってしまえば何と言うこともない手順ですが、Qで王手できる打場所は24か所もあり、合駒の可能性もたくさんあるので、案外見えにくいかもしれません。
解きたくなるきれいな形と手数に、フェアリールールとフェアリー駒。 フェアリー詰将棋の入門にぴったりの作品でした。
一つ問題が。
- 池田俊哉さん:
- クイーンの脚の長さを生かした詰め上がり。二手目Q合はできないのかな
- ハマGさん:
- 66Q打まで5手 受け方持駒にQ1枚ありと解釈しました
- 諏訪冬葉さん: (おもちゃ箱掲示板)
- カピタン展示室29ですが、玉方が合駒にクイーンを使用するのはなしでしょうか?
先手が使えるなら後手が使えても問題ない気がするのですが・・・
フェアリー駒を使用した作品は、一般に明示されている以外のフェアリー駒はないと想定されていると思います。
出題時に書いておくべきでした。すみません。
今回はクイーン合をした解答も正解としました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 鳥本敦史さん:
- 龍を取る順は何をやってもダメなので合駒金までは割と素直に到達出来ましたが、そこから難儀しました。
2枚の龍の守備をかいくぐるこの詰上りが浮かんだときは嬉しかったです。また作ってください。
- 山下誠さん:
- 龍を取る手をずいぶん考えてしまった。素朴な初手がいい感じです。
- 小山邦明さん:
- 金の中合は詰将棋のような玉方の協力詰の好手。
- 津久井康雄さん:
- ばか詰には慣れていなくて苦戦。詰め上がりから逆算してなんとか。
初解答ありがとうございます。
展示室ではいろいろなタイプの詰将棋を出題しますので、お好きな詰将棋をお楽しみください。
- S.Kimuraさん:
- 金を取って金打ちまでは予想したのですが,Qを真下から打つ手をうっかりしていました.
- 占魚亭さん:
- 自作。基本の詰み形です。
- 変寝夢さん:
- 2枚龍の位置がうまい
- 市橋宗士さん:
- (えっー、ごめんなさい、カピタン協力詰、理解できていません。)
解説をごらんください。
わからないことがあれば、おもちゃ箱掲示板やメールで遠慮なくご質問を。
- 波多野賢太郎さん:
- Qに慣れていなかったので詰上がりもイメージできなくて悩みました。
龍を取るんじゃないのが意外で良かったです。
- たくぼんさん:
- 本命は92Q、83龍でしたが散々動かした挙句詰まない。
割と地味な(失礼)手順が盲点で苦労しました。
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