対面ルールは、安南将棋などと同じく、盤面の配置によって駒の利き(動き)が変わる性能変化系のルールです。
その条件は相手の駒と直接向き合うとき。
そのとき、両方共向き合った相手の駒の利きに変わります。
持駒の騎はチェスの騎士(Knight)、八方桂です。
さて、本作、美しい無仕掛けの対称飛一色図式。 持駒騎1枚ではこころもとないので、飛の入手を図りたいところ。
普通に王手したのではなかなか飛は取れませんが、そこは対面ルール。 56騎、36(76)玉、37(77)騎とすれば、簡単に飛を取ることができます。 7手詰なので、あと4手で詰みです。
56騎、36玉、37騎、
37騎で、36の玉はナイトの性能になったので、行ける場所は8か所。
詰めるためにはなるべく端に寄せたいので、24、15、17、28が有力でしょうか。
玉が動けば37の騎が25、16、18、29に利いているので、それを利用して飛で詰められる?
- 24玉、23飛、15玉、25飛成まで
- 28玉、23飛、19玉、29飛成まで(27飛、19玉、29飛まで)
- 28玉、38飛、19玉、18飛まで
普通の詰将棋ならこれで詰みなのですが、これは対面ルール。
24(28、17)歩など王手を外す手があるので、まだ詰んでいません。
正解はなんと15玉に16騎で詰ます筋。
23、34、36、27と逃げ道が4か所もあって、とても詰みそうにありませんが、2手で全部塞ぐ手がありました。
15玉、45飛、44角!、16騎 まで7手
45飛に44角が絶妙。
これで45飛は角の利きになるので、4か所すべてに利いています。
作者「チェスの騎(ナイト)を使った対面協力詰です。
初形が取り柄の易しい一本道の手順ですが、4五飛・4四角の2手がちょっとした考え所でしょうか。
盤上に飛車が2枚ないと、初手36騎、35飛以下の順が成立します。」
美しい初形から、対面ルールと騎士の利きを活用した手順が好評でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん:
- ナイトに変わった玉の利き筋を1枚で止める駒が角とは意外。
形も手順もきれいな傑作だと思います。
- 小山邦明さん:
- フェアリーはルールに慣れないといけないのですが5手目が非限定になったので不安な解答です。
89飛成までの解答。 対面ルールではまだ詰んでないんです。
- きたさん:
- 久しぶりに解答したのはこれが解けたから。 詰将棋とは違って新鮮だった。
25飛成までの解答。 これも対面ルールではまだ詰んでいません。
- S.Kimuraさん:
- 騎を37に移動させ,19玉 29(18)飛 までと思いましたが,飛車の頭に歩などを打つと逃れるのですね.
fmza64 に解かせましたが,44角は思い浮かびませんでした.
- 池田俊哉さん:
- 44角対が玉(騎)の逃げ道をすべて塞ぐ好手。
二手目76玉(騎)もあるが、77飛を外してしまうと初手36騎から詰んでしまうのか...
- たくぼんさん:
- 習いある詰上がりですが、初形55から15への王移動やら簡素な初形も素晴らしく、美しい作品と思います。
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