記録作で活躍している金少桂さん、今度は協力詰で登場です。
初形のと金群、そして持駒に驚きます。 でも良く見ると、と金群をかき分けて44まで呼んで56桂までという詰上りが見えてきて、解く気がおきますね。
15パズルは4×4の盤に1から15までの数字の駒が入っているパズル。 1箇所あいているマスにスライドさせて、配置を変えていきます。
本作も同じ構造ですが、違うのは玉やと金は斜めにも動けること。 ところが、解いてみるとわかるのですが、2手目と36手目を除いて玉もと金も斜めには全く動きません。
持駒で飛車が12枚もあるのに角が5枚しかないのがそれを可能にした仕掛け。
例えば、玉を11から22、33、44と斜めに動かそうとすると、直接動かすのに角が3枚必要です。 更に22角、同玉とすれば、次は11角しかないので、結局少なくとも6枚は必要ということになって、この経路は不可能とわかります。
また、23桂、同と左上、12飛、同と上として11−21−22のコースでも作意と似た手順で追えますが、最初に12飛、21飛と2枚使ってしまうので飛車が1枚足りなくなります(手数も2手長い)。
そのため、手順を並べると、まさに15パズル。 玉が11−12−22−23−33−34−44とジグザグに斜めに上がっていきます。
23桂、同と左上、
12飛、同玉、11飛、同と、21角、同と引、
22飛、同玉、12飛、同と引、13角、同と右、
2手目で玉の上が空いた状態。そこから飛車4枚角2枚を使って縦横の動きで斜めに一つ上がります。
あとはこの繰り返し。 見事に趣向詰になっています。
23飛、同玉、22飛、同と右寄、32角、同と引、
33飛、同玉、23飛、同と引、24角、同と右、
34飛、同玉、33飛、同と右寄、43角、同と引、
44飛、同玉、34飛、同と左上(同と寄)、56桂 まで37手
- 作者:
- 15パズル(4×4のボードの上で15枚の駒を、空いたマス目を利用して動かして、目的の形に持って行く)という有名なパズルがありますが、それを詰将棋でやってみたらどうなるだろう?、と思って、作ってしまったのが、上の図です。
と言っても、普通のルールの詰将棋では、到底詰みませんので、協力詰で作ってみました。
36手目は、△同と寄(24)でも詰みますが、初形との対照(23が空洞)から、出来れば△同と左上と指して欲しいところです。
最後のと金の非限定を除いて手順は完全限定。 15パズルをうまく表現しました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 香箱さん:
- 15パズルって何だ?と調べてみたらなんとも奥深い。それをまたこれほどぴったりな作品に仕上げるとはお見事。
- たくぼんさん:
- 36手目の非限定は仕方ないとは言え、実に面白い作品。15パズルそのものですね。
玉を斜めに上げないように攻めればいいんですね。
- 中澤照夫さん:
- 玉は縦か横に動かさないと駄目。
角の枚数に限りがある。
- 長谷繁蔵さん:
- 23桂同と12飛同と斜21飛として39手となり再考。たてに攻めるのでした。角の数だけ数えました。11と99が空所の作なら何手詰になるかな。角に金の裏側を使用。
- 渡辺さん:
- 角を使う数を何如に減らすかがポイント。この局面では飛角がそれぞれ金銀に劣る駒になっているのが面白い。
- 稲葉上さん:
- 解かずに答えが分ったのは初めてです。
解いた振りして解答送信とも思いましたが、ちゃんと解きましたです ^^;
初形との対比を考えると、最終形は23にスペースを置いた方がお奨め。
- 鈴木康夫さん:
- 実は全く読んでいません。
最終手として有り得るのが1手しかないから読まなくても解答可能です。
仮に手数表示がなくても持駒の数から計算できます。
- 隅の老人Bさん:
- 解いたわけじゃない。
持駒数は19、19×2−1=37。
で、最終手は56桂打、これだろう、途中は考えず。
おもしろい手順なので、ぜひご鑑賞ください。
- S.Kimuraさん:
- 玉を動かすのに持ち駒を何枚使わなくてはならないかを計算し,前・右・前・右と動かすしかないことが分かりました.手数は問題に明記されているし,最終手は56桂しかなさそうなので,解かなくても答えが書ける?
- 吉川慎耶さん:
- 24飛で完全になると思うが形を取ったようですね。
- 神無七郎さん:
- 飛よりも角が貴重なので、角ではなく飛で玉を呼ぶという理屈が面白い。
ここまでやったら盤面一杯まで構図を広げても同じような気がしますが、自重したのでしょうか?
協力詰 73手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・v香vとvとvとvとvとvとv玉|一
| ・v香vとvとvとvとvとvとvと|二
| ・v香vとvとvとvとvと ・vと|三
| ・v香vとvとvとvとvとvとvと|四
| ・v香vとvとvとvとvとvとvと|五
| ・v香vとvとvとvとvとvとvと|六
| ・v香vとvとvとvとvとvとvと|七
| ・v角v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩|八
| ・ ・v銀v銀v銀v銀v銀v銀v銀|九
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持駒:飛24 角11 桂2
実は七郎さん提示の図と全く同じ図(受方持駒はなし)が、「また、これを巨大化すると、下図のような作品になります。敢えて命名するなら、「48パズル」となるでしょう。(7×7−1=48) 参考程度に。・・・」(金少桂さん) ということで、一緒に投稿されていました。 将棋駒一組で並べられなくなるので出題しませんでしたが、大きい方が趣向は分かりやすくなるので、ここで紹介します。
===> 金少桂さん 「48パズル」
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