アンチキルケルールはチェスのAntiCirceを将棋に適用したもので、2005年2月に若林さんによって提案されると各氏が創作し始めて、あっという間に流行、現在でも良く創作されるフェアリールールになっています。
このあたりの経緯に興味のある方はアンチキルケ入門(詰将棋メモ)をご覧ください。
シンさんは、展示室初登場、たくぼんさんの第11回アンチキルケばか詰作品展でも初登場した新人フェアリー詰将棋作家。
いずれもセンスのよい作品で、これからの活躍が楽しみですね。
本作は、アンチキルケ協力詰。 流行しているルールとはいえ、はじめての人には手を出しにくいルールなので、解答者が何人いるか心配しましたが、8人の方から解答をいただきました。
駒数も少なく手も限られているので、みなさんもこの機会にアンチキルケルールを覚えてみてはいかがでしょうか。
普通の協力詰なら55龍でどうやっても詰みそう。 アンチキルケでは55龍は王手にならないので、初手は桂打しかありません。
27か47ですが、55馬にも効く47桂が有望そう。
25玉か26玉とすれば、次に55龍/28龍が王手になりますね。
そこで27香合、同龍/28龍、16玉、17香まで? ではどうでしょう。 (18香は17合で手数オーバーで失敗)
実はこの形はアンチキルケではまだ詰んでいません。 なぜなら、同玉/51玉という逃げ方があるからです。
アンチキルケでは、この51への移動をどう防ぐかが一つのポイントです。
55龍/28龍も有望な手ですが、もう一つアンチキルケらしい王手があります。47桂、25玉として、55桂/29桂!
55馬が消えたので、75龍で王手。
まだ詰上りが見えてきませんが、
・51を塞ぐ(攻方の駒を利かせる)ことが必要
・51が塞がっていれば、同玉とは取れない
ことを考えると、ピーンと来た人もいるかも。
正解は次の通りです。
47桂、25玉、55桂/29桂、26玉、62角、44龍、25龍 まで7手
62角の限定打で51を塞ぎ、44龍で邪魔な龍をどけて、ヒモなしの25龍で詰上り。密度の高い収束です。
- 作者:
- 桂での居食いと最終手の浮遊感が狙いです。
簡単なので、たくさんの方に楽しんでもらいたいです。
簡潔な初形からアンチキルケらしい手をたっぷり含んだ好作でした。 手順はこちらでご鑑賞ください。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- たくぼんさん:
- 久しぶりにこのルール解きました(笑)王道とも言える順ですが、これからが大きく期待できる作者と思います。
- 神無七郎さん:
- 成駒はアンチキルケでは生駒でなくそのまま戻るので、「28飛に戻る」は正確なルール説明ではありませんが、本作ではそれでも解けてしまいますね。
失礼しました。 「28龍に戻る」に訂正しました。
- しろねこさん:
- 解答を見ると、楽しいです。
- 凡骨生さん:
- カピタンは頭の固い爺には無理なのでパスします。
- 中澤照夫さん:
- アンチキルケのルールは理解しましたが解けません。
まずは手順を鑑賞すると、感覚が掴めてくるかも。
- 吉川慎耶さん:
- 3手目55龍/28龍ばかり考えてしまった。手順だけでなく初形も終形も美しい。
- 隅の老人Bさん:
- 先ずは、桂を打ちましたが・・・。
小考、解けない。この暑いのに?、明日解こう。
これで、幾日過ぎたやら。
- S.Kimuraさん:
- 馬を龍ではなく,桂馬で取るとは思いませんでした.
- 諏訪冬葉さん:
- 攻め駒補充と退路塞ぎを一気に行う3手目がいい。
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