| 協力詰(ばか詰)は、その名の通り、玉方が早く詰むように詰方に協力する詰将棋で、フェアリー詰将棋(変則詰将棋)では代表的なルールです。
 
 協力詰で角が2枚に55金まであっては簡単そうに見えますが、意外になかなか詰みません。
 
 例えば、17角、15玉、26角、24玉、35角、同玉、45金、24玉、35金、15玉、25金、16玉のように55金を働かせても、あと7手では詰みそうにありません。
 
 協力詰では、詰上りを想像して、そこに至る最短手順を見つけるとうまくいくことが多い。
 本作、どこで詰むか想像できるでしょうか。
 
 角2枚だけでは詰む形がないので、合駒を稼ぐか、55金を活用するしかなさそうです。
 玉と角が接近しているので、なかなか合駒させるのも難しそう。
 55金を活用するのも、最初に述べたように単純に追うのは手数が足りなそう。
 
 ここで、46桂が消去できたら、と考えられるかどうかがキーです。
 46桂がなければ、35玉に45金まで(24・26は15角で封鎖)の詰上りがあります。
 この詰上りが想像できれば、48角、46玉、15角、35玉、45金まで、のように逆算するのは難しくないでしょう。
 
 17角、同玉、28角、26玉、
 17角、37玉、26角、28玉、37角、39玉、48角、28玉、39角、37玉、
 48角、46玉、15角、35玉、45金 まで19手
 
 1枚の角をすぐ捨ててしまう意外性、そこからの角の繰り替えも完全限定で、最後15角のジャンプも気持ちいい。 かなり悩ませたようで、解答者は7名にとどまりましたが、解けた方には好評でした。
 
      作者:
        角2枚に出来たのが良かった。収束15角気に入ってます。
       それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。 
        鈴木康夫さん:
        詰方の駒が邪魔駒ばかりで、それを取らせるためにペアで踏む愉快なステップ。
       角と玉のダンス? 息がぴったり。 
        真Tさん:
        香を活用できるように桂の消去がポイントですね。
       
        隅の老人Bさん:
        縁の下の鼠。くるくる逃げ回る、追い出すのが大変。
       
        S.Kimuraさん:
        角を一枚消す必要があることに気付かず,かなり悩みました.
       
        
        東海さん:
        初めてのばか詰で手間取りました。初手1七角に1五玉とし、(今考えてみれば無理筋ですが)1九の角をどうにか活用させようとしていて、同玉というのは盲点でした。1九の角と4六の桂が邪魔駒だったんですね。同玉以降は流れるように解けました。
       4手目の局面を見ると初形から19角が消えていますね。 
        たくぼんさん:
        いや〜参りました。4八角からの開き王手の筋は手数オーバーと即断してしまい大苦戦。合駒する順ばかり頭にありました。紛れが少ないだけに手順の巧妙さがより引き立っていると思います。傑作。
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