安南詰は駒の利きが変化するので、勘違いしやすく、短手数でも解きにくい作品が多い。 本局は初形で駒が一つも重なっていないので安心して解くことができます。
とはいえ、普通の詰将棋として見ると詰まない形。 こういう場合は、玉を弱い駒の利きに変えるのが定跡です。 ちょうど近くに82歩、62歩がいるので、これを利用することを考えれば解決できます。
83飛! が、玉を歩にしてしまう手筋。 同玉でも同歩でも玉は歩の性能になるので、金打で詰み。 94玉なら85金、83玉、74金まで。 95玉なら? 96歩が玉の利きになるので困りそうですが、85金で良いのです。
85同歩は二歩のため禁手なので、金を取ることはできません。 ということで、74玉 と逃げるのが最善の応手。
74玉でも、75金、83玉、74金までで詰むのでは? いや、75金と打ったときこの金は歩の利きですから65玉と逃げ出されて失敗です。 正解は虎の子の金を捨ててしまう
64金! 83玉は74金までですから 同玉 と取る一手ですが、63飛成! が83飛と同じ狙いの手筋で、今度は取るしかなく、同玉 なら 54と、 同歩 なら 55と までで詰みました。
83飛、74玉、64金、同玉、63飛成、同玉、54と まで7手
簡潔な形から手筋の飛捨て、それをつなぐ金捨てが光る、入門にピッタリの好作でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 橋本孝治さん:
- 歩頭への飛捨ての繰り返し。趣向のネタになりそうな作ですね。
- たくぼんさん:
- 2歩を上手く使ってますね。歩の頭に駒を打つのが定跡手順
- どかん5号さん:
- 強烈な初手、何が何でも玉を歩に変身させるわけですね。
2手目95玉の変化の時、二歩禁を忘れていて少々悩みました。
- 隅の老人Bさん:
- 2手目に95玉で大弱り、ルール再読。ヤレヤレ。
- 小峰耕希さん:
- 歩頭の飛捨て、金の前方で生きている玉等、安南独特の手筋満載。
でも僕が一番悩んだ変化は2手目95玉。
効き二歩有効だったら本当に不詰なんですよね。
ところで実に初歩的な話ですが、ルール名「安南詰」の読み方について。
「広辞苑」によれば、「安南語」は「アンナン-ご」と出ています。
でも英語スペルは“Annam”(「アンナム」?)だそうです。
どちら(どっちも違うのかな?)で読むのかご教示願います。
僕も安南作ってみようかな。fm対応ルールで(^^;)
アンナンヅメで良いのでは。
- 涼秋さん:
- このルールの指将棋(飛車と角の頭の歩を一つ上げる初形)を朝鮮将棋と言って時々遊んでいましたが,詰将棋では安南詰というのでしょうか。
朝鮮将棋は朝鮮の将棋(チャンギ)と紛らわしいので、安南将棋、安南詰の名前を使っています。
- 諏訪冬葉さん:
- 初手はすぐ気付いたのに3手目に▲63飛成とか▲75金とか考えて▲64金の発見に一日
上の解答が出た後で2手目▽95玉のときに▲85金で詰むのに気付くのに二日かかりました。
(▽同歩が二歩なのに気付かなかった)
- もずさん:
- 金打から飛成は普通の詰将棋でよくある手順ですが、安南ではひもなしで実現できるんですね。
- S.Kimuraさん:
- 歩の前のいる玉の何と弱いこと.
- 若林さん:
- これくらいだとかしこでも何とかなります。3手目がかしこらしい一手。
- 井上順一さん:
- 95玉で詰まないかと思った。二歩を忘れていた。
95玉の変化に悩まれた方が多かった。 そのせいか、大事件発生で誤解4名。
83飛、74玉、75金、64玉、63飛成以下 75金に65玉で逃れ
83飛、74玉、63飛成、84玉、83飛成以下 63飛成に同歩で逃れ
安南は駒の利きが変わるので、ついうっかりしますね。
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