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よもやま話大道棋全短評 大道棋42 鳥本敦史さん
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出題: 詰将棋パラダイス2017年7月号 大道棋よもやま話 第42回
結果発表: 詰将棋パラダイス2017年9月号 大道棋よもやま話 第43回

詰パラでの結果発表時の解説

 54馬、63銀合、同馬、同角、82銀、92玉、93銀打、同飛、
 同銀成、同玉、92飛、84玉、95飛成、73玉、75龍、74角、
 65桂、63玉、43飛成、62玉、53桂成、73玉、74龍、同玉、
 65角、84玉、54龍、93玉、83角成、同玉、85香、92玉、
 94龍、93金合、同龍、同玉、83金、94玉、84金迄39手。

61玉は64龍、71玉、74龍、72合、93角、82合、72龍以下33手。
73玉は63成桂、84玉、83角成、同玉、73成桂以下37手。
飛合も同手数(別詰あり)。

81玉型の銀問題(銀2類型)。 初手82銀と54馬が代表的な誘い手で、いずれも奥が深い。

例えば、82銀、92玉、91銀成、93玉、92飛成、84玉、85歩、同玉、75馬、96玉、94龍、87玉、97龍の攻め筋。 78玉、88飛を同香成で「あっ」。

正解は54馬で銀合を入手してから82銀の筋。 91には普通香か歩があるが、本作はないので、93でばらして92飛という新手順が成立する。

75龍で詰んだかと思うと、角の移動合があり、実はここからが本番。 74龍切りから65角がうまい手で攻めがつながり、きれいに収束する。

逃げ間違いの誤解が数名。惜しい。

よもやま話大道棋42 鳥本敦史

解説・全短評

81玉型の銀問題(銀2類型)は、大道棋の代表的な類型の一つで、約300題の問題が作られています。 最近はほとんど改作の発表はありませんでしたが、まだまだ工夫の余地があるぞ、ということで、大道棋教室の先生鳥本敦史さん、 ドキドキ展示室No.64に続いて新作の出題。

一見、普通の銀問題に見えますが、よく見ると91香(または歩)の配置がありません。 また83が歩でなく香なのも気になるところ。 これがどう影響してくるのか、いろいろな詰筋(誘い手)を試してみましょう。

A 82銀、92玉、73銀不成、93玉、82飛成まで。
73銀不成に52歩合で失敗。 初心者には74角の利きが見えにくい。

B 82銀、92玉、91銀成、93玉、75馬、84合、92飛成まで。
84香の移動合が別妙な受け。 これで74角が92に利いてくる。
ならば85桂、同角と角を動かして92飛成で詰むのかと思うと、85桂には83玉で、92飛成は同飛!

C 54馬、63合、82銀、92玉、73銀不成、93玉、82飛成まで。
Aの改良型。63に合駒させて74角の52への利きを消そうとするものだが、63銀合という受けがある。

D 54馬、63銀合、同馬、同角、82銀、92玉、81銀打まで。
81銀を同角と取られて「アッ!」。 74の角がここでも活躍。

このあたりの誘い手は91香がなくても同じように成立しています。 91香がないので、初手92銀までという誘い手も生じていますが、もちろん同飛で奉納。

もし、91香が配置されていたらどうなるか、考えてみましょう。

B2 82銀、92玉、91銀成、93玉、82飛成、84玉、62馬、73合、
  94龍、同玉、95香、84玉、94飛まで
91で香が入手できると、その香を使って簡単。 本作では取れないのでこの順は詰まない。

D2 54馬、63銀合、同馬、同角、82銀、92玉、81銀打、同角、
  同銀成、93玉、82飛成、84玉、62角、74玉、73角成まで。
この筋の問題は多い(奇策縦横128図など)。 本作では81同銀成を同玉と取られ、63角に91玉と逃げられる。

また、83の香が歩だったら?

B3 82銀、92玉、91銀成、93玉、92飛成、84玉、85歩、同玉、
  75馬、96玉、94龍、87玉、97龍、78玉、88飛以下。
83が香なら、88飛を同香成で逃れ。

本作は91に駒はなく83は香なので、これらの順はいずれも詰みません。 正解はこの二つを逆用する順。 Dの筋で81銀打ではなく93銀打として飛を入手。 91香がないので、ここで92飛という新しい詰筋が成立するわけです。

95飛成から75龍と回って65桂まで詰んだかと思うと、74角と退路あけの移動合。 それでも65桂として二枚飛車の威力で簡単そうですが、するする逃げて意外に大変です。 このあたりの逃げ方を誤って、早く詰めたり変別に落ちた方も。

74龍切りが英断。 65角から83角成と83の香を入手する順で解決します(83歩ならこの順は詰みません)。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
2手目銀合と決まれば比較的易しい追い手順。最後は9六歩を活かし、金合としました。

飛合も同手数(別詰あり)ですが、みなさんスッキリ詰む金合で解答してくれました。

小林徹さん:
なつかしや銀問題。
奇策縦横をバリバリ解いていた頃を思い出します。

よもやま話では初めての81玉型銀問題。 奇策縦横は解答がついてない研究問題も多く、当時は将棋ソフトもありませんでしたから、私も苦労して解いた記憶があります。

原田雄二さん:
23手目74龍、25手目65角が難しかった。
加賀孝志さん:
本(類型辞典)にのつてるのと後半違いますね、粘りのある手順楽しめました。
暑い時期暑中お見舞い申し上げます。名古屋で!会いましょう。

93銀打から92飛が初めての詰筋です。
名古屋の全国大会、宮田六段、藤井四段の参加もあり、熱い大会でしたね。

小山邦明さん:
81銀型で94飛配置は、以前に本で見た事がありますが、今回の作品は駒がよく捌けて面白くなっていると思います。
ところで44歩は紛れ駒でしょうか?。

44歩がないと、27手目44龍という手があって、85香、92玉のとき42龍が生じて早いので54歩と中合が必要になります。 実戦ではなくてもいい駒。

岡崎行晃さん:
可成りの時間難儀しました!
特に序盤の数手を考えさせられました。
竹中健一さん:
懐かしいタイプの問題ですね。
平凡に追って詰むのは分かりやすくて良いです。
門田和雄さん:
20手をこえるとさらにややこしくなります。自信ありません!!
松崎敬さん:
74龍と角を取る手が好手でした。

門田さんは41龍まで33手解。 松崎さんは83龍まで35手解。 惜しい。

占魚亭さん:
大駒4枚が消える、きれいな捌きでした。
福村努さん:
34手目飛合も同様.
出崎守さん:
今回の出題は夏の真最中なので少し手加減いただいたかなと感じて居ります。

22手目61玉での変別解。 実戦なら応手は大道棋屋さんが決めるので問題ないのですが・・・。 残念。

鈴木彊さん:
玉方の飛角桂香の4枚の配置駒が全て取られて詰みに貢献しているところは見事。内容もスッキリと決まっている。
西野かなさん:
いつ以来でしょうか。月末ギリギリですが、とりあえず、30手台で解けました。諦めなくて良かった。
森美憲さん:
91に駒がないのは違和感がある。
竹園政秀さん:
11手目非限定

よもやま話 大道棋42 解答:17名 正解14名

正解者、当選者は詰将棋パラダイス(通称詰パラ)2017年9月号をご参照ください。

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