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よもやま話大道棋全短評 大道棋39 金少桂さん
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出題: 詰将棋パラダイス2016年12月号 大道棋よもやま話 第39回
結果発表: 詰将棋パラダイス2017年2月号 大道棋よもやま話 第40回

詰パラでの結果発表時の解説

64飛、74歩合、同飛、84角、同金、95玉、94角成、96玉、
 85馬、97玉、86馬、98玉、87馬、同玉、65角、96玉、97歩、同玉、
 89桂、96玉、76飛、95玉、86銀、96玉、97銀、95玉、96銀、84玉、
 74飛、83玉、71飛成、74歩合、同角、84玉、85銀、75玉、
 63角成、65玉、75龍、同玉、76金迄41手歩余り。

54飛以遠でも可(変化は変わる)。

84角は同金、95玉、85金、96玉(同玉は63角以下)、87角以下。
94玉は74龍(91龍)以下39手。
95玉は91龍以下同手数。

正解11名と、かなりの難問だった。

初手は離して打ち74歩の中合(の63角を防ぐ)を稼ぐのがポイント。

85金が成立しなくなり、94角成から馬で追う。 87馬と捨てて65角と中空の限定打が74飛を作る狙いの一手。

71飛成に74歩の捨て合が最後の抵抗。 ここでつまずいた方も。

最後変同があるが、龍を捨ててきれいに詰む作意順の解答が多かった。

よもやま話大道棋39 金少桂

解説・全短評

78香の出っ張りが気になりますが、縦4筋に収まって集客度は74とまずまず。 利波型飛問題は2013年に登場して以来、いろいろな詰筋の作品が発表されてきましたが、このぐらいのシンプルな形で新しい詰筋の作品ができるのを見ると、この類型の潜在力に驚かされます。

七段目の金銀と78香の配置からして、そちらに追う手順だろうと予想はつくところ。 ということは初手は横からの飛打ですが、74飛でなく64飛と離して打ちます。 すぐに84角の移動合はの変化で簡単、74歩の中合で飛を呼びよせるのが、この類型での常套手段です。 初手54飛以遠でも74歩中合で同じことになりますが、すぐ84角とされたときの変化が難しくなります。 この辺の差異はまた新題のネタになりそうですね。

74歩中合、同飛、84角、同金、95玉と逃げだして、飛が74に来たので85金はダメ。 ここから94金と94角成の二つの詰筋があって、どちらもかなり続くので判断が難しい。 本作は94角成が正解で、馬で追っていきます。

Aさん:
40手台とのことなので、解答は間違っているのですが提出します。
24〜74に合駒をすると思うのですが、考えきれません。
ただし87角に99玉で89玉と逃げると不詰です。
月末までに再度解図にチャレンジしてみる予定です。

14飛、74歩合以下13手目より87角、99玉、89銀以下29手解。 Aさんもお分かりのように87角では89玉と逃げられて不詰で、ここは87馬と捨ててしまうのが強手で正解です。

同玉の一手に、85に利かせて76角か、成を見せて43角か迷いますが、実は両方共「惜しかったね、お客さん。」
どちらでもなく、ポンと65角と打つのが絶妙手。 76飛以下95から84に逃げられたときに74飛を作るための限定打です。

76歩の捨て合は同角、96玉、97歩、同玉、98歩、96玉、88桂、95玉、85金まで。 96玉と逃げて、97歩から89桂と押さえてから76飛と攻めます。 95玉、86銀に、84金を取らずに96玉と逃げるのがおっかない延命策。 銀の位置を86から96に変えて、あとで75への逃げ道を作るのが狙いです。

74飛から71飛成に74歩の捨て合。 読んでなかったら、あわてて同龍と取ってしまいそうです。 落ち着いて同角と取れば、75龍捨てでぴったり詰む、鮮やかな収束が待っていました。

Bさん:
最短では39手で余り駒もなく詰上りもあると思われます。

71飛成に、94玉、91龍以下43手の変化別詰解。 ここまで来て、惜しい。

作者は小山邦明さんのドキドキ展示室No.51を解図していて65角の筋を発想したようで、大道棋を解いて嵌るのは新作への第一歩かもしれません。

作者 「ドキドキ展示室No.51の解答時に嵌った紛れ順 (7手目94角成として15手目65角限定打)の方を作意として1局できましたので投稿いたします。
初手はドキ展51と同様の64以遠打で、74歩中合で1歩手に入ります。
7手目でドキ展51と分岐して94角成。ここでドキ展51の順は67の駒が銀でなく金のため最後58に玉が抜けて不詰。
13手目87馬と捨ててここで65角の限定打がポイント。直に打つでもなく成れる地点でもない中途半端感が面白いと思います。
76捨合は同角と取って意外と簡単。
24手目、84玉と取らずに96玉とこちらに逃げるのもポイント。攻方銀を86ではなく96に誘導してから84玉と逃げます。
(ドキ展51でもここで84玉と逃げ間違えると詰んでしまう。本作作意順と同様に逃げて逃れ。)
29手目74飛とできるのが65角限定打の効果。83玉 に71飛成の空き王手。
32手目74歩捨合が最後の抵抗。94玉と逃げるのは2手短い。
36手目、75玉・95玉どちらも最短なら同手数で詰みます。95玉は俗詰で変化別詰も多いため、75玉を作意としています。
37手目、71龍に玉方91飛の睨みが利いていますが構わず63角成の空き王手。
71飛と龍を取るのは76金と上がって1手詰。(67の駒が銀だと当然脇に抜けてしまうので、ドキ展51でこの順をすると不詰。)
65玉と逃げますが、75龍と詰将棋らしい決め手で呼び戻して76金迄作意41手詰(詰上がり1歩余る)。」


それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

永島勝利さん:
15手目の65角に感動しました。また、最後の龍捨てもすこぶる格好良い。
山下誠さん:
6三角を消す歩の捨合が第1の関門。上部に追い出した後、8七馬と捨てて6五角と打ち替えるのが妙手順でした。
小林徹さん:
初は7四飛にあらず。そして思ったより長手数。
小山邦明さん:
「どき展51」と違って78香と67金の配置になっている事と、金少桂さんからいただいたコメントの手順から、狙いはすぐにピンときました。2手目と32手目の飛と角に対する74歩合の延命や、途中の細かい銀の動きや、龍捨ての 入った収束手順も良く、駒がよく捌けるすばらしい作品だと思います。
門田和雄さん:
玉が上下に逃げるのでつかまるかどうかヒヤヒヤです。
2度の74歩の合駒がポイントでした。
鈴木彊さん:
序は64飛から中合の74歩で始まり角を手に入れ94角成で馬をつくる。
馬を捨て65角からがメインテーマ
24手目84玉は早詰 きわどく96玉で手がのびる。
終盤玉方の91飛が質駒となり容易な詰みとなる。
竹中健一さん:
この形は上部に逃げてくるので難しいのですが、78香が邪魔している感じで意外と捕まえやすかったかな。
三宅周治さん:
39手詰かと思いましたが、もう一山ありました。
市原誠さん:
91の飛の守りが絶大!!!

よもやま話 大道棋39 解答:13名 正解11名

正解者、当選者は詰将棋パラダイス(通称詰パラ)2017年2月号をご参照ください。

詰パラの入手方法 ===> 購読法・取扱い書店  (詰将棋パラダイス