解説・全短評
54銀型の金問題。
89桂が気になる配置ですね。
54銀型なので、65歩はなくても定跡通り進められます。
16手進めたところからいろいろな筋がある金問題。
作意順は53角から62角成を狙う、割と素直な筋なのですが、73歩合が利くので一見ダメそう。
54銀が強力でほかの筋でもかなり続くので、はまってしまうと大変です。
1) 96馬、75玉、97角、84玉、86飛、75玉、85馬、64玉、56飛、75歩合、同角、同香で打歩詰
2) 86飛、75玉、53角、64香合、56飛、84玉、62角成、73歩合、85歩以下手は続くがダメ
3) 86飛、75玉、84角、64玉、56飛、75歩合、同角、同香、65歩、74玉、96馬、85香合でダメ
4) 86飛、75玉、66角、64玉、56飛、75歩合、46角、55歩捨合で逃れ
正解は96馬、75玉、53角、64香合と進みます。
ここでも同角成、同玉、86馬の筋が際どい。
75香の移動合に、67香、74玉、65銀、63玉、74銀、同玉、54飛までときれいに詰む順があって悩まされます(74銀に72玉で逃れ)。
64香合は桂合でもほぼ同じですが、この紛れがあるので大道棋屋さんは香合をしてきます。
64同角成の誘惑を振りきって、予定通り86馬から62角成とすれば、73歩合でも89桂が出動してぴったり詰みます。
香龍会に参加したとき、鳥本さんがこの問題を出題していたのですが、みなさん、いっぱい紛れにはまって、ずいぶん奉納していました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 岡崎行晃さん:
- 中盤あたりで、すこし難儀しました。何とか解けて嬉しいです!
- 高田明浩さん:
- 97桂と、跳ぶ手が最高でした。よろしくお願いします。
- 小林徹さん:
- 意外とあっさりした順でした。
- 山下誠さん:
- 9六馬から角を打っての2段活用で打歩詰をうまく解消する。この形としてはスッキリした手順。
- 門田和雄さん:
- 19手目▲97角じゃダメなんですね。
▲89桂が収束にからんでくるとは思いませんでした。
- 三宅周治さん:
- 82銀を頼りに飛と香で上から追って最後は桂でした。
- 小山邦明さん:
- 53角が打てて筋に入った感じがした。11手目の飛の移動は20手目に飛合をされた時に54銀を支えるために限定ですね。
11手目46飛なら20手目64飛合で逃れ。 この形なら普通56飛とするので、はまった人はいませんでした。
- 谷口翔太さん:
- 勉強の甲斐があって、意外と簡単に攻略。
87香打、85角合、ここで小考、96馬で詰みました。
- 鈴木彊さん:
- 序で香に飛合 56に飛を開いて次は香に角合 53角に香合 62角成に歩合と合駒が続く。
収束は下段の桂を97に活用 87桂で止め。
難しい変化もなく素直な作品。
- 占魚亭さん:
- 定跡を過ぎてからが勝負だが、それ程難しくない。
53角から62歩を取りに行くのが好手段でした。
- 金少桂さん:
- 実際は素直な16手定跡だったが、89桂・78金のような配置があると序からいろいろ疑ってかかってしまった。
気づきにくいけれど11手目空き王手の飛車の移動先が実は56限定なんですね。
- 西野かなさん:
- 何となく流れは見えましたが・・・。そこまでで、終わってしまいました。
解けなくても感想をいただけるのはうれしいですね。
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