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よもやま話大道棋全短評 大道棋28 小山邦明さん
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出題: 詰将棋パラダイス2014年12月号 大道棋よもやま話 第28回
結果発表: 詰将棋パラダイス2015年4月号 大道棋よもやま話 第29回

詰パラでの結果発表時の解説

 93飛、同飛、同金、同玉、85桂、84玉、62馬、74玉、
 75歩、85玉、76銀打、94玉、91飛、93桂合、95馬、同玉、
 93飛成、94角合、77角、86銀合、87桂、96玉、94龍、95銀合、
 85龍、97玉、86龍、同銀、88銀、98玉、99銀、97玉、
 88角、96玉、85角迄35手。

93歩合は87桂のとき96歩で87が空くので早い。
ロハニ合駒は角銀銀の3枚が最長。3枚の順番は非限定。
89玉も35手で変同。

詰筋の多い利波型飛問題。本局では62銀がキーとなる配置。 いきなり84金や92飛の筋で62馬では73合でダメで、合駒させないように93でばらして85桂から62馬と攻める。

そのあとの合駒読みが大変で、歩飛金歩の順に合して64金まで33手などきれいに詰む組み合わせもあり、かなり誤解者がでた。

よもやま話大道棋28 小山邦明

解説・全短評

小山さんの利波型飛問題シリーズは、いずれも形がよいのが特長です。 本作も4×7に収まる自然な配置で、集客度は79。

97桂、67銀の配置から74飛に誘われますが、84角引に同飛でも同金でも手は続くものの67銀では今一つ遠くて捕まりません。

62銀がいかにも怪しい配置で、これを取ることを考えましょう。 すぐに浮かぶのが92飛、同飛、同金の筋。 83合には93飛から83飛成、85龍として詰むので84玉と逃げるしかなく62馬が実現します。 73歩合、93銀、75玉、53馬となれば詰み形ですが、これは勝って読み。 93銀には94玉で「お客さん、惜しかったね」。

受方62銀の配置は利波さんのドキドキ展示室No.31にあって、93飛、 同飛、同金、同玉、85桂と攻めます。 ドキ展31は75が塞がっているので84玉では94飛の一発、92玉と下がるのが正解になっています。 実は本作も93飛の筋が正解。 ドキ展31と違って75が空いているので、85桂に84玉と逃げて62馬と銀を取る展開になります。

62馬に75玉や85玉は76銀と打って早く、いったん74玉と逃げ、75歩、85玉と歩を使わせるのが正しい逃げ方。 76銀に96玉は98飛で捕まるので94玉と戻ります。 ここからが合駒がたくさん発生して大変なところ。

まず、91飛(92飛も可)に93合。 95角成、同玉、93龍で取られる合駒なので、歩か桂ぐらい。 保留して先に進めましょう。
93龍に94合は、弱い駒では73角、86玉、84龍以下。 飛角金銀のいずれかです。
続いて77角に86合。 これも弱い駒では96歩(87桂)、96玉、94龍以下で簡単、やはり飛角金銀のいずれか。

先ほど93歩合だった場合は、94龍、95合に87から打つ手があるので、それを避けるために94の合は飛。 そして86の合を金にして、以下96歩、同玉、94龍、95歩合、85龍、同金、同銀、同玉、86飛、75玉、66銀、74玉、64金まで33手のきれいな詰みもあり、約1/3の解答者が歩合の解答。 93桂合は35手なので、残念ながら不正解です。

正解の93桂合の場合、87桂、96玉、94龍までの詰みを避けるため86の合は角か銀。
94の合は、金合なら94龍、95合に85銀、87玉、88金まで。
飛合なら、94龍、95金合、85銀、87玉、76銀引、97玉(96玉は95龍以下)、99飛、98合、95龍、同銀、87金まで33手。
ということで94の合も角か銀になります。

87桂、96玉、94龍でまた合駒。 ここも弱い駒では85龍から86龍以下。 95金合は85角から95龍で、95飛合は同龍で早く、またまた角か銀です。

角は1枚しかないので、94合、86合、95合は角銀銀、銀角銀、銀銀角のいずれかということになります。 どの場合も85龍から86龍として35手で、いずれも正解です。

作者 「85桂から62馬の詰手順をできるだけ簡素な形にしてみた作品を送付します。合駒の選択は大道棋屋さんがするので、選択がいろいろあっても構わないと教えていただいた事があるのですが、今回の作品は、「玉方の受けはいろいろあるが、最短で詰める手数はみな同じで駒余りなし」というような内容です。手順は長いのですが、後半追い詰めのため客寄せレベルです。」

実戦では、合駒非限定や変同は大道棋屋さんの選択肢が増えるだけなので、実戦価値を損なうことはありません。 もっとも、詰パラなどで出題する場合は大道棋屋さんも解答者がすることになるので、できるなら限定するようにすべきですね。 本作、作者は「客寄せレベル」と言っていますが、合駒が次々登場して、最長手順を探すのがかなり大変なので、出題時に合駒非限定をコメントすべきでした。 すみません。

それでは解答者のみなさんの感想を。 解答到着順です。

永島勝利さん:
18手以降に銀と角合が品切れになるまで出てきますが、どこが角になるかは非限定なのでしょうか?だとすると、何となくすわり心地が悪いですね。
加賀孝志さん:
切れそうで切れない、合いの変化も複雑、疲れました
岡崎行晃さん:
(素晴らしい力作に感動!)
中盤から終盤にかけて可成り複雑でした。
小山氏の創作力に脱帽です。
前田知弘さん:
合駒読みが大変でした。
93桂合+94飛合の変化での邪魔駒消去がいいですね。
占魚亭さん:
初手92だと歩合、74だと角の移動合でダメなので普通(?)の93が正解なんですね。
飛銀を得た後は一間竜で駒を補充しつつ着実に。
谷口翔太さん:
 7手目に62馬と銀を取ったのは良いけれど、次の応手で悩みます。
 大道なら、ここでギブアップ。あとはお家でお勉強。
竹中健一さん:
途中(歩を叩くあたり)は詰まないんじゃないかと思ったが、67銀型はかなりしっかりしているんですね!

以下は不正解の方のコメント。

Aさん:  (歩銀銀角合 77角まで35手)
24手目95角に気がついてから詰め手の流れがよくなり詰みました。よい作品と思います。
Bさん:  (歩飛金歩合 6四金まで33手)
後半に出て来る合駒を飛車と金の組合せにしましたが、最善かどうか自信がありません。
Cさん:  (歩歩合 58龍まで27手)
62銀を馬で取って76銀打で決まる。
19手目73角できれいに58龍まで
26手目は59玉の方がよいでしょうか。
Dさん:  (桂飛銀銀合 89金まで41手)
合駒に一苦労
Eさん:  (87金まで39手)
自然な指し手の流れで行けました。
2枚の銀がよく利いています。

よもやま話 大道棋28 解答:17名 正解11名

正解者、当選者は詰将棋パラダイス(通称詰パラ)2015年4月号をご参照ください。

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