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よもやま話大道棋全短評 大道棋29 加藤徹
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出題: 詰将棋パラダイス2015年4月号 大道棋よもやま話 第29回
結果発表: 詰将棋パラダイス2015年6月号 大道棋よもやま話 第30回

詰パラでの結果発表時の解説

84銀、94玉、83銀不成、93玉、75馬、同飛、94歩、同馬、
 82銀不成迄9手。

94歩、同玉、76馬、85飛合で逃れ。
76馬、85歩合で逃れ。
92銀成、94玉、76馬、85歩合、93飛、84玉、85香、74玉、
 94飛成、73玉、83香成、62玉で逃れ。

Aの飛合の逃れ順がおもしろい。あの奥薗幸雄氏も、興味を持ったか、この類型の問題を創作している。

本作はシンプルな打歩詰打開問題。そう思えば簡単だが、先にCの紛れに踏み込んだりすると苦戦する。

誘い手が多くない類型では、正解手順は誘い手以外のところで作るべきで、類型元祖の阿部一二作もそこは押えている(初手23香成以下)。

よもやま話大道棋29 加藤徹

解説・全短評

歩6 奥薗幸雄 歩6 阿部一二 大道詰将棋の類型としては、香歩問題、銀問題、金問題などが有名ですが、問題数が少ない類型にもおもしろい誘い手、妙防が含まれています。 本作の類型は、大道棋辞典では歩4問題、大道棋類型辞典では歩Eと呼んでいる類型で、元祖作品は右図の阿部一二氏の作品と思われます。

歩Eの類型に含まれる作品は7題(大道棋29で8題目)と少ないのですが、あの「新扇詰」の作者の奥薗幸雄さん、「大道棋辞典」の大道仙人こと田代邦夫さん、「奇策縦横」の形幅清さん、といったそうそうたるメンバが改作していて、興味がひかれる内容であることを示しています。

さて、本作、メインの誘い手は94歩と叩いて馬で飛を取る筋。 同馬の一手で84飛で簡単、と思って手を出すと、85飛合という妙防が飛んできます。 84飛、93玉、82飛成を同飛と取ってしまおうというすごい受け。 同馬と取れば同馬でこの馬が受けに利いてきます。

ならば、84飛から83飛成と捨てたらどうか。 同玉なら85香と飛を取って詰みそう。 これも83飛成を同飛と取られて、同香成、同玉、84飛、73玉、82飛成、63玉、62桂成、同玉、71歩成、53玉と逃げ出されて奉納。

初手84銀、94玉として76馬も有望な筋ですが、これも85歩合が利いて失敗。

84銀、83銀不成から92銀成と香を取る手もあります。 同玉なら82桂成なので94玉の一手で、そこで76馬。 今度は85歩と合駒されても93飛でなんとかなりそう・・・に見えるのもワナで、スルスル逃げられて奉納。

正解は84銀、94玉、83銀不成、93玉のとき、75馬と要の馬を捨ててしまう手。 同飛で67馬の筋が通るので打歩詰が打開できて簡単です。

それでは解答者のみなさんの感想を。 解答到着順です。

藤田卓志さん:
誘い手に乗ると迷路に迷い、本筋を発見すると感激に出会う。
昨夜、最初に94歩から馬で飛を取る順を考えました。
85飛合の妙防で、どうやっても詰まない。
今朝、短手数客寄せ問題のヒントを見て84銀〜83銀生〜75馬が閃きました。スッキリしました。
永島勝利さん:
誘い筋が明確で、客寄せには最適。
坂東仁市さん:
大道棋と言えないのではないか。大道棋の基準明確化お願いします。

大道棋辞典では「大道に出題されたもの、若しくは出題可能性が高いもの」と書かれていて、明確な基準はなさそうです。 どういう詰将棋が実際に大道で出題したら商売になるのか、つまり、良い大道棋とは、という観点で私が考えるポイントは次の3つです。

  • 手を出したくなる初形
  • 簡単に詰みそうな誘い手
  • 間違え易い (詰めにくい) 本手順
磯田征一さん:
94歩の方を試して結構はまった。
ちゃんと誘いに乗りました。
84銀の方は紛れがなくて助かった。
市原誠さん:
駒は取らないのが基本!
小林巧さん:
軽い手筋物の小品。
銀で形を決めてから、75馬で馬筋を通し、94歩を同馬と取らせて蓋をしてから、最終手82銀不成と軽妙な作品に仕上がっている。
かえって、大道棋だという意識がない方が、愉しめますね。

小林さんからは「スペースが空いてましたので、我が家のベランダから撮った駄写真をどうぞ 春爛漫?毎日自室から、花見をしております。」ということで写真をいただきました。 ベランダからお花見ができるなんて、うらやましいですね。

小山邦明さん:
打歩詰回避のため、大道棋として一番の誘手の76飛を取らない手順は大変巧妙だと思いました。
佐原義利さん:
形手順ともスッキリとして解後感がよい作品です. いたずらに長手数に引き伸ばさなくても良い作品を作る腕はさすがですね. 初手の誘手が少ないので作りにくいのかもしれませんが, 工夫次第で発展の余地はありそうです.
大下進さん:
銀の移動詰めで素晴らしい問題と思いました。
藤川薫さん:
不安(誤まりかも)ですが、ご送付させていただけるので 愚直、ありがとうございます。これからも希みます。
原田雄二さん:
最近、超難解な問題が続いていたので解けず悶々としていました。
久しぶりに解けてすっきりしました。
なお、本問は94歩、同玉、76馬では85飛合で不詰。吃驚しました。
岡崎行晃さん:
8六の香を軸に銀でのやりくりが面白い!
占魚亭さん:
馬の利きを通して打歩詰を打開。
歩6類型は大道棋っぽさをあまり感じさせない形ですね。
山下誠さん:
6七馬の利きに気付けば簡単ですね。
森美憲さん:
76馬と飛車を取りたい形だけに75馬と捨てる手が見えにくくなっている
三宅周治さん:
銀と香の連携プレイで詰みましたが、あっさり詰んだので何か落とし穴があるのではとだいぶ考えました。
なにしろ大道棋ですので。
原科佐登己さん:
こういう客寄せ問題が好きです。
小林徹さん:
あっと驚く易しさですね。
今月詰パラのかしこ詰は全部解きました。
千葉等さん:
この短手数で打歩打開は見事、見事。
橋本隆司さん:
阿部さんの歩Eを見てから、解いたのですが、歩を叩く、銀で香を取りに行く、香を成る等の手に惑わされ、少し時間をとられました。
すっきりして、いい作品ですね。
加賀孝志さん:
変化の飛合いが面白い、楽しめる作。
詰山解道さん:
7二歩がないと余詰?

はい。94歩、同玉、76馬、85飛合、84飛、93玉、83飛成の筋で余詰みます。

名越健将さん:
何故飛取り・香取りでは駄目なのかを考える。75馬が決め手。
前田知弘さん:
欲張ると詰まないのですね。あぶない、あぶない。
新井要太郎さん:
今月は易しくて良かったです。
佐藤司さん:
エッ?これで詰み?手数表示があれば、一目だったと思いますが。
竹中健一さん:
この筋もいろいろありそうで楽しみです!
原岡望さん:
ヒントを参考に解きました。初めてなので不安ですが
片桐正二さん:
気軽に解ける大道棋がいいね
前文人さん:
短手数客寄せ問題とあり解いた。
山本和男さん:
「短手数」というヒントはあったものの、大道棋のことだから15手とか17手くらいを短手数と呼ぶものかもしれないと思ってしまい、紛れにはまってしまいました。
東英男さん:
実戦現場だと 飛を取って 8一飛打の筋にも誘わて焦りそう。
高田明浩さん:
初めて、このコーナの詰将棋が、解けました。
大道棋には興味があるのですが、難しいですね。
今回の詰将棋は、変化が複雑でした。

以下、阿部一二作へのコメント。

小山邦明さん:
かなめの香を、いきなり捨てる手順とは最初思いませんでした。
占魚亭さん:
攻めの軸になりそうな香をあっさり切るのはちょっと盲点?

よもやま話 大道棋29 解答:37名 全員正解

正解者、当選者は詰将棋パラダイス(通称詰パラ)2015年6月号をご参照ください。

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