基本の攻防で説明した3手段のうち、83桂(角角合)の問題がもっとも多い。
大駒2枚を入手するので、さまざまな展開が可能なためである。
かなり開拓されているが、盤面の配置によっては、まだ新しい筋が創作できる可能性がある。
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1.角角合成立の要件
最初に、93角合、92角合の成立する要件を確認しておこう。
- 9筋に玉方の歩がないとNG ・・・ 93歩合でよい。
- 91桂成を玉以外の駒で取られないこと。
玉方61飛などの配置があるとNG ・・・ 同飛で逃れる。
- 81歩成を玉以外の駒でとられないこと。
玉方54角などの配置があるとNG ・・・ 93香合でよい。
玉方54馬なら93銀合や金合でもよい。
- 61玉〜52玉と逃げられるとNG ・・・ 93香合でよい。
- 74角が打てること。
玉方74歩や77飛などの配置があるとNG ・・・ 93角合〜92桂合(銀合)でよい。
- 93角が逆王手にならないこと
66玉などの配置があるとNG ・・・ 91桂成ができない。
上記の配置を利用して、83桂以下を誘い手とした問題を紹介しよう(参考1図)。
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2.83桂(角角合)の詰筋
83桂、81玉、82歩、92玉、94香、93角合、91桂成、同玉、93香、92角合以下の詰筋は多岐に渡るが、大別すると次の5通りになる。
- 追い出し型:(81歩成、同玉、)92香成、同玉、83角以下93〜84に追い出す
- 押さえ込み型:92同香、同玉、74角と押さえる
- 質駒型:二枚角の運用で、65香や54香などの質駒を取る
- 7筋香型:詰方75香などの配置がある問題
- その他
それぞれの詰筋について、順次問題を見ていこう。
今回は、追い出し型の詰筋を取り上げる。
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3.83桂(角角合)−追い出し型
(81歩成、同玉、)92香成、同玉、83角、93玉以下84に追い出す詰筋。
81歩消去の意味は、82角(または71角)を打てるようにするため。
追い出し型には次の3通りの詰筋がある。
1)81歩成、同玉、92香成、同玉、83角、93玉、82角、84玉、
74金/74角成/配置駒の王手(75銀など)
普通の追い出し方。 詰方の駒が75に利いているときは74金、96に利いているときは74角成が有力である。 |
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2)81歩成、同玉、92香成、同玉、83角、93玉、71角、84玉、
74金/74角成/配置駒の王手(75銀など) または
81歩成、同玉、92香成、同玉、83角、93玉、71角、82合、同角成、84玉、
74金/74角成/配置駒の王手/取った合駒を打つ王手/93馬
71角の狙いは、1)62の駒を取る、2)53の駒を取る、3)62角成〜61馬で61桂を取る、のいずれかである。
これに対し82捨合の抵抗もあるので要注意。 |
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3)(81歩成、同玉、)92香成、同玉、75角
追い出し型としては意外な詰筋でおもしろい。 |
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