今回は基本の攻防で説明した3手段のうち、72歩で始まる桂金連続中合の問題を取り上げる。
この型も大駒が入手できないため、その後の展開のバリエーションは比較的少ない。
しかし、63桂型に比べれば、いろいろと新しい詰筋の問題が創作されている。
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1.桂金合成立の要件
最初に、84桂合、83金合の連続中合が成立する要件を確認しておこう。
- 71歩成を玉以外の駒で取られないこと。
玉方61飛や53角などの配置があるとNG ・・・ 直接83金合でよい。
- 92歩が二歩にならず打てること。
詰方97歩などの配置があるとNG ・・・ 84歩合〜83金合でよい。
- 83や82への間接利きがないこと。
玉方63飛や64角などの配置があるとNG ・・・ 83歩合でよい。
上記の配置を利用して、72歩以下を誘い手とした問題を紹介しよう(参考1図)。
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2.72歩(桂金合)の詰筋
72歩、81玉、85香、84桂合、同香、83金合以下の詰筋としては、次の4通りがある。
- 82金(同金、同香成)
- 83同香(92玉、82香成)
- 71歩成(91玉、81と/83桂/82金)
- 93桂(91玉、83桂/82金)
このあとの詰筋まで考えると、多岐にわたるが、実際にはほとんどの問題は次の3通りのいずれかである。
- 83同香、92玉、82香成、93玉、83桂成
- 71歩成、91玉、81と、同玉、83香、92玉、82香成、93玉、83桂成
- 71歩成、91玉、83桂、92玉、91桂成、93玉、83香成
逆に、この3通り以外の詰筋は、まだ新鮮味があるといえよう。
それぞれの詰筋について、実際に問題を見ていこう。
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3.72歩(桂金合)−82金
単に82金とするより、71歩成としてから82金とする方が有利なことが多いため、この詰筋の作品はほとんどない。
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4.72歩(桂金合)−83同香
この順はお客さんがもっとも指しやすい手順。
ということは、この順で詰んでしまっては良い問題とはいえないので、この詰筋の問題は少ない。
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5.72歩(桂金合)−71歩成
もっとも有望な詰筋。
同玉は83桂で簡単なので、71歩成は取れず、91玉。
ここで、81と/83桂/82金の3通りの詰筋がある。
1)71歩成、91玉、81と(同玉、82金/83香/93桂/72金)
通常はこのあと83香、92玉、82香成、93玉、83桂成、94玉、84成桂、同玉と進行し、ここで75金(銀)などと押さえたとき、73玉の逃げに72金打ができるのが歩を捨てた効果である。
また、72歩を消去することで、新たに「72金」という手が生じる。
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2)71歩成、91玉、83桂(92玉、91桂成、93玉、83香成)
この詰筋の問題も多い。
63があいていると、72歩消去から83香の筋は73玉のとき72金、63玉で逃げられるので、
71と、91成桂を残すこの詰筋の方が有望。
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3)71歩成、91玉、82金(同金、同香成、同玉、83金/83桂成/73x)
通常の形ではこの順は詰まないので、手順を継続するための駒が配置されている。 |
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6.72歩(桂金合)−93桂
これも珍しい詰筋。 87角の配置がこの順を可能にした。 |
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7.追加
新しい詰筋が発見されたら、適宜追加して行きたい。
72歩、81玉、85香、84桂合、同香、83金合、
71歩成、91玉、81と、同玉、83香、92玉、
82香成、93玉、「92成香」
(2003年8月3日追加) |
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