基本の攻防で説明した3手段のうち、63桂で始まる問題は非常に少ない。
銀1枚しか入手できないので、そのあとの攻めのバリエーションに乏しいことが原因か。
盤面の駒と連動して新しい詰筋を作る余地は、まだあると思うのだが。
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1.銀合成立の要件
最初に、83銀合が成立する要件を確認しておこう。
- 香打の時点で持駒の歩が2枚以上あること。
したがって、通常は63桂で歩が入手できなければNG。
- 82歩、92歩が二歩にならず打てること。 詰方97歩などの配置があるとNG。
- 81歩成を同銀と取るしかないこと。 玉方61飛などの配置があるとNG。
上記要件を満たさないと、83歩合など銀合以外の応手が成立してしまう。
これを利用して、63桂以下を誘い手とした問題を紹介しよう(参考1図)。
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2.63桂(銀合)の詰筋
63桂、81玉、84香、83銀合以下の詰筋としては、次の3通りがある。
- 82歩(91玉、92歩、同銀、81歩成)
- 83同香(92玉、82香成、93玉、83成香)
- 71桂成
それぞれの詰筋について、実際に問題を見ていこう。
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3.63桂(銀合)−82歩
もともと、この詰筋を防ぐために銀合をしているので、この順は通常詰まない。
しかし、香歩問題の親戚の香歩4の類型には、この順の問題が多いので、それを紹介する。
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4.63桂(銀合)−83同香
銀合の問題では、この83同香から追い出す筋が多い。
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5.63桂(銀合)−71桂成
通常の形では71桂成を同玉で詰まないので、これを詰ますための駒が配置されている。
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