詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート

ドキドキ展示室 No.142 山口成夫さん

ドキドキストリート
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
集客度93 20手台

ドキドキ展示室No.142 山口成夫

本作も誘い手についてはドキ展No.141とほぼ同様で、73金には桂金の二段中合、93金には83金中合で逃れ。 ということで正解はやはり74金で、83角中合の受けも同様。 本作でも82角合として2手短く詰めた解答がありましたが、同様に正解扱いとします。

  74金、83角合、同香不成、92玉、82香成、同玉、

当然83桂成や83金と押さえたくなりますが、これが詰まない。
89香と迫るのもありそう。 逃げれば簡単なので84歩中合? これには83桂成、81玉、72角、91(71)玉、82成桂、同玉、84香、91玉、92歩以下。 そこで歩をたたけないように84桂と中合すると際どく詰みません。 ちなみに84銀合や84角合で角打を防ぐ手でも逃れで、この辺も改作のネタになるかもしれませんね。

正解は73角で、有力な手が多い中で指しにくい手。 71玉と逃げて、72香は81玉とかわされて失敗。 62で清算し飛を取って52飛と打つ手が有力ですが、61玉で続きません。
清算する前に、83桂不成と入れておくのが好手で、それから清算すれば、以下きれいに収束します。

  73角、71玉、83桂不成、72玉、62香成、同飛、同角成、同玉、
  52飛、61玉、71桂成、同玉、73香、81玉、72香成、92玉、
  73成香、93玉、82飛成、94玉、84龍 まで27手

最後82飛成のところはかっこよく92飛成と捨てても29手で詰み。 この順も正解です。

作者「こちらも誘い手順、初形とも、実戦に出しても問題ないレベルに仕上がったと思います。
只、初形5四龍は銀にしたいところですが、9手目6二香成以下の余詰が発生してしまうので龍にした次第。 (余詰順も結構面白い手順なので暇な方は調べてみてください。)
初手7四金から角中合の筋のものは多くあるようですが7手目7三角と打つのは珍しいと思いますが、私が知らないだけで他にあるのでしょうか?
収束は淡々と追っていくだけですが駒も余らずきれいに詰みます。」

この形で73角は検索してみても見つからず、新手のようです。

集客度も高く、指しにくい73角。 実戦価値のある好作でした。

それでははみなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
7三角と据えてからの龍の交換から香と飛の連係が面白い。
Estalightさん:
大きな余詰が無くて良いと思いました
山下誠さん:
角合から龍の守備力で結構粘られる。
金少桂さん:
9手目すぐに62香成と行って惜しくも詰まず1回奉納。
受方54龍は作意だけなら銀でも良さそうだが、初手93金の紛れを83金中合に限定して63金と打つ筋を読ませることを考えるとうまい配置。

54銀にしたのは余詰のためですが、飛合をなくす効果もありますね。

安田博信さん:
No.141と何が違うのか全くわかりませんでした。 解答を楽しみに待とうと思います。

香歩問題でもよく出てくるので、この機会に84桂合から83金合の二段中合を覚えてしまいましょう。

占魚亭さん:
7手目が岐路。83桂成は81玉、85香は84桂〜93玉で届かないので角を打つ。きれいに纏まっていると思います。
小山邦明さん:
11手目からの駒取り手順はやや物足らない感じ。
中村丈志さん:
8三桂不成が入って詰んだと思った。
池田俊哉さん:
No.141に通じるところがあるが、73角が奥深い一手。 53歩を拠点として飛の入手をはかるが、最後92飛成ときれいに決めたくなるのは詰棋人としてのサガか...
ootanowatasi67さん:
香を打ちたいところを、73角とは盲点。  25手目92飛車成でも詰。

大道棋は詰むか逃れるかお客さんとの勝負なので、収束の余詰はあまり気にされません。


ドキドキ展示室No.142 解答:11名 正解10名(下記)

  池田俊哉さん  Estalightさん  ootanowatasi67さん  金少桂さん
  小山邦明さん  占魚亭さん  中村丈志さん  名越健将さん
  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。