詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート

ドキドキ展示室 No.138 金少桂さん

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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
銀3類型 40手台

ドキドキ展示室No.138 金少桂

この類型は誘い手が多く、一時は広く出題されていたようです。 主な誘い手としては次の筋があります。

  • 95銀、同玉、82飛成、77銀成、86龍、94玉、95金まで (77銀成でなく77銀不成で逃れ)
  • 95銀、同玉、88飛、94玉、95銀まで (88飛に86歩の捨て合があります)
  • 83銀、同金、同飛成、同角、95金まで (同金でなく同角で逃れ)
  • 83飛成、同金、95銀、85玉、86馬まで (同金でなく同角で逃れ) 

本作は2番目の88飛の筋。 86歩の捨て合を同銀か同馬か。
同銀、84玉、95銀 あるいは 同銀、84玉、95銀打、同香、同銀はいずれも75玉と逃げだされます。
あとの攻めを睨んで同馬が正解。

  95銀、同玉、88飛、86歩合、同馬、84玉、

玉はほとんど動けないし、攻め駒も強いのですが、受けもよく利いていて簡単には詰みません。
83桂成と捨てるのがちょっと気が付きにくい手。 同角なら85銀で簡単。 同金は75銀、94玉、76馬、85歩合、95歩、同玉、86銀上以下なので同玉と取りますが、82とと金を取って好調な攻め。

  83桂成、同玉、82と、同玉、

馬の空き王手は88とと飛を抜かれてダメ。 53馬を見せて71銀と捨てるのが好手です。 取れないので83玉と逃げて、95馬で頭を押さえます(75馬では88とで失敗)。 これに対し、85角の移動合で74の逃げ道を開けて抵抗。

  71銀、83玉、95馬、85角

85同飛は、同桂なら73金ですが、74玉と逃げられると続きません。 そこで、84金から73金を狙って頭から押さえます。

  84金、92玉、82銀成、同玉、73金、91玉、

92歩、同玉、84桂、91玉では切れ筋。 82金と捨てて、85の角を取ります。

  82金、同玉、85飛、84歩合、同飛、72玉、

85飛に83歩(香桂銀)合は74桂以下、83金(飛)合は64角以下。 しかし、84歩の中合がありました。 同飛に83合は64角、71玉、62歩成、同玉、83飛成以下。 71玉は53角、73玉は65桂で早いので72玉と逃げて、やはり62歩成から83飛成と攻めます。

  62歩成、同玉、83飛成、95香、

44角(35角でも詰み)と据えれば、逃げ方はいろいろあるものの、最長は以下の45手。

  44角、61玉、62歩、71玉、63桂、同桂、61歩成、同玉、
  63龍、51玉、62龍、41玉、

62龍のところは33角成以下の余詰あり。 62龍、41玉となれば、どちらから桂を打っても詰み。

  53桂、31玉、22角成(33桂、31玉、53角成) まで45手

作者「こちらは7手目83桂成が作例の少ない手かと思います。 受方にも85角移動合や84歩の捨合など合駒の好手も入り、攻防ともに力強い手順となりました。 31手目44角/35角の非限定キズで、詰ませ方が変わるので余詰寄り(普通詰将棋ならアウト)ですがご容赦ください。」

この類型では83桂成と尻から攻める筋は珍しく、以下も85角移動合、84歩中合など大道棋らしい手が続くおもしろい問題。 後半は乱れがありますが、実戦では問題ないレベル。 ただ、初形は5筋まで広がって集客度44と、実戦では厳しいかもしれません。

それでははみなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
要所で中合が現われて容易に決め手を与えない。
小山邦明さん:
「83桂成、82と、71銀」の玉の背後からの手順は考えにくかった。
川越敏司さん:
玉は下段に落とせという格言通りですが、飛車角の開き王手が何度も登場するところがよかったです。
松崎一郎さん:
降参です。解けませんでした。残念!!
占魚亭さん:
12手目同玉を見据えて歩合を馬で取るわけですか。

95馬で73に効いてくるのがポイント。

池田俊哉さん:
3手目82飛成は77銀生で続かないので88飛だが、84玉に83桂成-83とと下段に落とすのは予想外の手
85角の移動合も面白く、その後も良く粘る

ドキドキ展示室No.138 解答:5名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  川越敏司さん  小山邦明さん  占魚亭さん
  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。