本作も92玉、94玉と向かい合った形。
誘い手をなるべく多くしようと創作したものです。
誘い手としては
- 83桂成、81玉、82金まで (94香と玉を取られます)
- 93金、81玉、61龍、同馬、82金まで (94馬と玉を取られます)
- 93金、81玉、85龍、84歩合、82金まで (歩合でなく84金合、同香、同馬で逆王手)
が代表的なところ。
逆王手の要となる62馬を取ってしまう62龍もちょっと魅力的で、81玉の逆王手は92角で清算して簡単です。
かといって、素直に同金と取るのも93金から85龍で簡単。
82合も93金、81玉、82龍まで詰みそうですが、82桂合の逆王手が妙防で、同龍、同玉がまた逆王手で奉納となります。
正解は、62馬と並ぶもう一つの逆王手の要、91香を取ってしまおうというもの。
それは、83桂成、81玉に92金で清算する手です。
83桂成、81玉、92金、同香、同成桂、同玉、
同成桂に71玉や72玉と逃げる手は、71玉なら62龍切りがぴったりで同玉でも同金でも簡単。
72玉なら73香で清算して91角です。
配置を工夫すれば、この筋でもいろいろできそうですね。
そこで、同玉。
93香が有力に見えますが、81玉で、61金と85金、どちらを取っても逆王手の逃れがあって失敗。
先に62龍と馬を取ってしまうのが正解です。
合駒の逆王手が飛んできそうで、ちょっと勇気がいりますね。
- 82合(桂以外)は93香、81玉、61龍以下。
- 82桂合の逆王手は、同龍、同玉、85龍、71玉、82龍以下。
- 72合(角以外)は93香以下。
- 72角合は、83角、81玉、82香、同玉、73歩成以下。
で、結局素直に同金と取ることになります。
62龍、同金、93香、81玉、85龍、82桂合、同龍、同玉、
82同玉に92香成と捨てて84桂を据えるのが良い手で、以下金を取って収束します。
92香成、同玉、84桂、81玉、72角、同金、同桂成、同玉、
73金、61(71・81)玉、62(72・82)金 まで25手
逆王手がいろいろはいった実戦的な形。
歩3枚を除いた形が原型(不詰)で、これで誘い手はすべて成立しています。
おもしろいと思った方はぜひ改作してみてください。
それでははみなさんの感想を。 解答到着順です。
- 蛇塚の坂本さん:
- 逆王手を気にして桂と金を犠牲にする所が面白い。
- 山下誠さん:
- 逆王手が2回入るが、対応はそれほど難しくない。
- 松崎一郎さん:
- 下手な王手は逆王手を喰らう。
- 川越敏司さん:
- 双玉でなければ簡単に詰みそうな局面ですが、玉側の逆王手で手が続きますね。
- 占魚亭さん:
- 81玉の逆王手を甘受。綺麗に捌けて解後感が良い。
- 小山邦明さん:
- この形は、逆王手になる駒を取ってしまう手順をまず考えるのが変化読みが少なくなるので良いと思っています。
- 池田俊哉さん:
- 62馬が良く利きすぎているので、やりにくいとは言え83桂成から91香を精算するしか手がない。
今度は62龍には同金だが85龍に82桂合の逆王手も楽しく、香-桂の打ち換えできれいにまとまっている、好作
- 金少桂さん:
- 初手から誘い手が多いが、ことごとく逆王手が当たってくる絶妙な形。
結局序の8手はこれ以外全部逆王手でアウトっぽいので類型化されたら定跡になりそう。
- おしいれの大冒険さん:
- 双玉らしい攻防が楽しめました
- S.Kimuraさん:
- 利波偉型に逆王手の要素が加わったみたいで面白かったです.
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