ドキドキ展示室　Ｎｏ．１２９　利波偉さん

出題時のコメント：

全国大会握り詰　３０手台

今年７月に４年ぶりに開催された詰将棋全国大会。 恒例の握り詰は使用駒「玉角金桂桂香歩歩歩歩」の１０枚でした。 それにあわせて創作された本作ですが、もっとよい作品ができたので本作は没に。 ちなみに実際に投稿された作品は見事に優秀作に輝き、詰パラ９月号でも出題されています。

本作は５４角のため７２歩の筋が消えているので実戦価値は疑問ですが、ちょっと珍しい攻め筋で、没にするのは惜しい。 ということで、お願いしてドキドキ展示室で出題させていただきました。

７２歩がだめなら８３桂しかなく、角が１枚しかないので、合駒は角・桂となります。

　　８３桂不成、８１玉、８２歩、９２玉、９４香、９３角合、９１桂成、同玉、
　　９３香不成、９２桂合、

５４角がなければ、同香、同玉、７４角、９１玉、８３桂以下の詰み。 本作でもその順で角を取りにいきます。

　　同香成、同玉、７４角、９１玉、８３桂、９２玉、７１桂成、９１玉、
　　８１歩成（成桂）、同角、同成桂（歩成）、同玉、

結局角角合の場合と同じような形になりました。 ７２角、７１玉、６２と以下のおなじみの手順は５１に逃げられて失敗。 ６３角成と攻めます。 これに対し、９１玉か９２玉か。 作意は９１玉で、ここから８２角、９２玉、９３角成と攻めます。 普通は全然足りない攻め筋ですが、本作は７５とがあるので、８４とと捨てて収束します。

　　６３角成、９１玉、８２角、９２玉、９３角成、同玉、８４と、同玉、
　　７４馬、９４玉、８３馬　まで３３手

６３角成に９２玉は、８３角、９３玉、８４と、同玉、７４角成、９４玉、８３馬まで３１手。 ただ、８３角、９３玉、９４角成、同玉、８５金以下３５手の別詰があり、こちらの解答もありました。 展示室では変化別詰はOKなので、これも正解です。

普通はない７５との配置を活かしたおもしろい攻め筋の香歩問題でした。

それでははみなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん：

端の筋で見事にと金と金の連携が活かせる作品だと思う。

S.Kimuraさん：

角2枚の合駒ができないから詰むはずと挑んだものの，盤面の角が81に利いていて，苦戦しました．

松崎一郎さん：

遠山の金さんが花道を一直線。

８２金まで３５手解。 前述の変化別詰と思われるので、これも正解です。

小山邦明さん：

香歩問題によくある出足で、全体として良く捌ける手順だと思いました。

中村丈志さん：

7五とが詰めに役立つとは

市原誠さん：

収束の角捨て〜、綺麗でした！

８２と直まで３３手解。 ８４とに９２玉と逃げた解で、変化同手数なのでこれも正解です。

おかもとさん：

大道棋＋握り詰。 器用なものです。

たくぼんさん：

桂合でちょっとオッとなるがその後2枚目の角をゲットするので見慣れた形へ戻るんですね

山下誠さん：

最後、９三角成に気付けばクリア。これが握り詰とはさすがです。

池田俊哉さん：

角桂合型香歩問題だが、54角があるため筋が絞りやすかった
その54角を奪ってきれいな収束にうまくつなげられた感じ

占魚亭さん：

易しい30手台。

inokosatoshiさん：

握り詰とは思えない素晴らしい作品　93角成がいい手ですね。

ドキドキ展示室Ｎｏ．１２９　解答：１２名　全員正解（下記）

　　池田俊哉さん　　市原誠さん　　inokosatoshiさん　　S.Kimuraさん
　　おかもとさん　　小山邦明さん　　占魚亭さん　　たくぼんさん
　　中村丈志さん　　蛇塚の坂本さん　　松崎一郎さん　　山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。