金問題を横型にした形から発展したなし14類型。
大駒3枚の攻めで受け駒も弱く、いかにも詰みそうにみえる初形です。
まずは73角成。
94玉は64飛までだから92玉と逃げて、ここで81馬と捨てれば87飛と回ってぴったり詰み、というのが捨て駒入りのよい誘い手。
実際には、大道棋屋さん、73角成に涼しい顔で94玉と逃げて、64飛には74に中合してきます。
74歩合とか弱い駒では、84馬、同玉、74馬、94玉、84馬まで。
この順を防ぐには84に利く中合が必要です。
そう、金問題では86飛という中合が登場しますが、ここでも74飛の中合でしょうか。
これは大駒4枚の攻めになるので、同飛と取っても詰みますし、83馬と捨てる手でも詰みます。
実は74飛ではなく、74金の中合で際どく逃れています。
64飛ではなく、84馬!と成ったばかりの角を捨てる手を思いついた方もいるかもしれません。
同玉に87飛、94玉、72馬まで。 と思って手を出すと、ここでも妙防が用意されています。
そう、この類型では定跡の受けで、87飛に85歩と捨て合する手があるのです。
同飛、94玉、72馬では85玉と飛を取られて失敗。
でも、同飛ではなく同馬と取れば、どう逃げても捕まります。
では、この順が正解? いや実はこの順も作者がしかけたワナ。
87飛に86歩と中合し、
同飛に85歩捨て合と、歩の二段合が正解でした。
86歩中合を取らせることによって、67飛と回る手を防いでいるわけですね。
73角成、94玉、84馬、同玉、87飛、86歩合、同飛、85歩合、
67飛と回れなくなっても、歩が2枚入手できたので、次のようにぴったり捕まります。
85同馬、73玉、84馬、72玉、83馬、63玉、64歩、同玉、
84飛、63玉、64歩、62玉、52歩成、71玉、82(61)馬 まで23手
作者「なし14で66飛→67飛としてみました。
作意手順はやさしいので基本版ですが86歩合〜85歩合と二段合が入りマズマズかと思います。
収束は軽い余詰ありです。」
収束の余詰とは、21手目52歩成のところで61馬と捨てる順。
この辺までくれば大道棋屋さん投了なので、大道棋としては問題ありません。
基本版とはいえ、しっかり二段合のワナも仕込んで、犠牲者もでてしまいました。
それでははみなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 飛車の横利きを遮る8六歩合がポイントで手が延びる。
- 松崎一郎さん:
- 持ち駒が無いのに成った角を直ぐに捨てるとは思いもよらず。
67飛まで21手解。 67飛と回るのを防ぐ中合があるのでした。 残念。
- 占魚亭さん:
- 3手目84馬が素晴らしい一手。
- S.Kimuraさん:
- 最初は86歩に気づかず,20手台にならなかったのでしばらく悩みました.
実戦だったら、当然手数ヒントがないので、危なかったかも。
- 蛇塚の坂本さん:
- 8三馬5六馬7八馬のラインが、意表で小気味良い。
78馬まで29手解。
64飛、74金合の筋で、83馬、85玉、74馬右、86玉、75馬、87玉、89香、88金合以下ですが、普通に88歩合で逃れているようです。
残念。
- 小林巧さん:
- 習い覚えた64飛は、74歩合一発で不詰み。
残された手段は上部からの87飛。
86.87.と二段中合が、64歩から67飛の筋を消している手練れた手段で、感心した。
正解ですが、64飛に74歩合では84馬捨てがありますね。
- 小山邦明さん:
- 6手目86歩中合は、飛を6筋に戻させない好手。
12手目63玉は、64歩、同玉、75馬で質駒の香を入手して早詰。
17手目に84飛と今度は縦に使えてきれいな収束でした。
- inokosatoshiさん:
- 86歩から85歩の防ぎ うまいなあ。
- 池田俊哉さん:
- 3手目64飛は74金合でダメ、84馬から64飛は下に落ちられて駒が足りない。
87飛と横に使って簡単かと思いきや、6筋に回られないよう歩の二段合がしぶとい受け
- 金少桂さん:
- 攻方76歩があるので75香をどこかで取るかと思ったら、全然違う意味付けだった。
飛を6筋に回れないようにするために歩の二段合を引き出すのが巧み。
- 嵐田保夫さん:
- 5三歩5七香の配置が強烈すぎる。
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