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詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート

ドキドキ展示室 No.111 鳥本敦史さん

ドキドキストリート
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
双玉なし問題 20手台

ドキドキ展示室No.111 鳥本敦史

見かけはよくありそうな双玉なし問題ですが、実はちょっと違います。

作者「双玉問題はいろいろ作られていますが、種々の双玉問題の面白そうな形を組み合わせて一局作ってみました。
序盤の紛れの嵐がセールスポイントか。
75香が盲点に入りやすいと思います。これで桂合が入手できて解決。
収束あっけないですがこれはこれでよしと思います。
香龍会では随分と稼がせて頂きました。」

ということで、初手から王手がいろいろ。
角を動かす空き王手は、62角と飛を抜かれてダメそう。 84桂で角道を止めてもあまり事態は変りません。
それでは91角成の両王手で、同玉に93香は? 81玉、92香成、71玉とするする逃げられます。
93歩、81玉、91角成は71玉とかわされて失敗。

正解は最後の93歩の筋なのですが、その前に7筋の守りの飛を移動させるため85玉とするのが重要な手。

  85玉、94歩合、同香、同飛、93歩、81玉、91角成、71玉、

ここで74飛を動かしておいた効果で、72飛成、同玉、64桂と銀を取ることができます。 でも、あと一歩続きませんね。 実は、72飛成の前に75香の名手があるのです。 同銀なら、73への利きがなくなるので、82馬、62玉、73桂成、61玉、72馬まで。 合駒する一手です。

  • 74歩合なら飛の横利きがきえるので、72飛成、同玉、64桂以下
  • 逆王手の74銀合は同香、同飛、82飛成、61玉、72銀でばらして64桂以下
  • 73歩合なら82馬、62玉、73桂成で簡単

というわけで、73桂合と逆王手の合が正解です。

  75香73桂合、同香、62玉、72香成、同玉、64桂、同飛、

桂が手に入ったので、73銀に61玉なら53桂打があり、同角の一手。 同馬で角も入手できます。

  73銀、同角、同馬、81玉、92角、71玉、72歩、61玉、
  53桂打、同銀、同桂不成、52玉、43銀 まで29手

結局は53桂打が実現し、取った銀でとどめをさします。

75香の発見が鍵となる双玉問題でした。

紛れが多い問題ですが、通常の双玉なし問題の93角成、81玉、82馬(飛成)までといったすぐ詰みそうな誘い手がないので、 どちらかというとマニア向けの問題かもしれませんね。

作者「発展形として45手詰のものも作りましたが、29手バージョンの方が駒数少なく盲点の75香がある分、実戦的にはよさそうです。 捌き主体でこちらの方が作風が滲み出ていると思います。」

それではみなさんの感想を。 解答到着順です。

市原誠さん:
51の角の存在が恐怖!
小林巧さん:
双玉の手順制限があるとはいえ、虚々実々といった緊迫感は味わえなかったのが残念。
一方、75香、64桂といった手はカタチではあるとしても、毎度 強烈な印象を与えてくれますね。
山下誠さん:
7五香と打てば意外に手順が限られる。
小山邦明さん:
こちらは逆王手になる駒を取れそうになく、玉が動いて両王手の筋からはずせる手順から考えてみました。
S.Kimuraさん:
初手の玉の動かし方に罠が仕掛けてあるとは恐ろしさを感じました.

86玉だと75銀と香を取る手が逆王手になるのですね。

金少桂さん:
64桂と銀を取る手が見えているので9手目72飛成と捨てたくなる。
75香で桂香交換を入れておくのが見えにくい。
占魚亭さん:
1歩稼いでから歩打ちを決行するのがポイント。
池田俊哉さん:
51角の効きから逃げる85王がきわどい手段。 移動した王に対して73桂中合の逆王手もスリリングな対応

ドキドキ展示室No.111 解答:8名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  市原誠さん  S.Kimuraさん  金少桂さん
  小山邦明さん  小林巧さん  占魚亭さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。