一見普通の金問題。 しかしよく見ると83歩の向きが逆です。
金問題の誘い手は、96金、84玉、87香までの3手詰。
これに対しては86飛合が定跡の受けで、以下、85金、同飛、同香、同玉と進むのが普通です。
あれ? 87飛と打てば、95玉なら96香まで、76玉なら77金まで、86に合駒しても同馬、84玉、85香まで、簡単に詰んでしまいました。
いや、83歩が詰方だから、85金に同飛ではなく、83玉と逃げられたら困りますね。
それなら86飛合を同香とすぐに取って、75玉、85香、76玉、86馬、66玉、56飛までで詰み。
というのが、本作のワナ。
実は85金を同飛と取らなくていいということは、そもそも86に飛合をする必要はなく、単に86歩合とされて逃れます。
では正解は? 初手85金捨て!
金問題での初手85金は、実は昔作ったことがあります(2002年2月ドキドキ対戦 No.31)。
これは形が標準の金問題から少し離れていたので、なるべく標準の金問題に近い図で初手85金を実現しようとしたのが本作です。
85金捨てが思いつけば、あとはあまり難しいところはないので、客寄せとして出題させていただきました。
85金、同玉、87香、76玉、78(79)香、66玉、
55に逃げだされそうですが、88馬で捕まります。
88馬、77香合、同馬、75玉、55馬、76合、同香、同玉、
77金、75玉、76香 まで17手駒余り
77香合のところ桂合として、同馬、75玉、55馬、76合、67桂まで13手駒余らずの解答もありました。
正解として扱いましたが、大道棋は駒余りを許容しているので、無駄合は別として、駒が余っても最長手数で解答するようにお願いします。
それではみなさんの感想を。 解答到着順です。
- 矢馬先龍氏さん:
- ドキ展No105は誘い手も作意も見つかりません。 どうしても駒が余ってしまいます。
多分誘い手に乗っかかっているのでしょう。
それで正解です。
大道棋は詰むか詰まぬかという大道棋屋と客との勝負なので、収束余詰とか駒余りとか細かいことにはこだわりません。
- 金少桂さん:
- うっかり手を出して途中で83歩の向きが逆さまなことに気づいて「あっ!」となりました。
- 山下誠さん:
- いつもの調子で初手9六金は罠。 となれば、8五金しかない。
- 蛇塚の坂本さん:
- 合駒で悩んだのですが、香を選び香余りました。
- 中村丈志さん:
- 初手9六金では詰まないのが不思議。
- S.Kimuraさん:
- 柿木将棋XIと詰将棋対戦をしましたが,78香と1つ離すことに気付きませんでした.
- 占魚亭さん:
- 定跡手順で失敗した後、85金に至りました。
- 小山邦明さん:
- 通常の金問題と違い、84玉と逃げられて83歩を取られてはいけないので、
初手96金ではなく85金としなくてはいけない事に辿りつくまでに、時間がかかりました。
また、88馬も金問題で考えた事のなかった手なので悩まされました。
- 小林巧さん:
- 習慣とは恐ろしい、ついつい96金(笑)
従来型だと飛ラインに王を追う不安感があるが、57歩で解決。
- 池田俊哉さん:
- 83が歩なのでいつもの筋は使えず85金から87香がうまい筋
右へ逃走されそうなところ馬が良く働いてくれる
- 嵐田保夫さん:
- 初手8五金は珍しい。
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