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詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート

ドキドキ展示室 No.103 鳥本敦史さん

ドキドキストリート
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
金4類型 30手台

ドキドキ展示室No.103 鳥本敦史

裏筋の問題が2題続きました。 さて、本作は何が飛び出すのでしょうか。 双玉でもありませんし、81は銀、配置からすると通常の筋に見えますね。 まずは74角から試してみましょう。

  • 74角、94玉、85金、同香、同角、83玉、
    84香、同玉、63角上成、94玉、85馬、83玉、
    75馬、84歩合、同馬、82玉・・・
  • 74角、94玉、85金、同香、同角、83玉、
    63角上成、84歩合、同香、94玉・・・

どうも74角の筋はだめそうです。 それでは63角成でしょうか。

63角成に対しては

  • 94玉なら85金、同香、同馬、83玉、84金まで
  • 84合なら同香、同玉、85金、83玉、72馬まで
  • 85歩合なら84金、同玉、85馬、83玉、84馬まで
  • 85金合なら84金、同金、同香、同玉、85金、83玉、72馬まで

ということで、85飛合の中合が定番の受けです。 このとき、72銀、94玉(92玉は91金、同玉、81銀成、92玉、82成銀以下)、85馬と飛を取るのがよくある筋。 同香のあと84飛、同玉、75金と進めるのですが、本作は73が香なので、同香と取られて失敗です。

正解は85飛合をあっさり同香と取ってしまう手。 いかにもはまったように見えて指しにくい手ですが、94玉に96飛と押さえると案外続くことに気づきます。

  63角成、85飛合、同香、94玉、96飛、95角合

96飛に合駒読みが大変ですが、香・桂・飛合なら72馬、85玉、86金以下。 86金を防いで銀・金・角合なら同飛、同玉、73馬以下ですが、このうち角合が最長で正解です。 変化詳細は棋譜ファイルをご参照ください。

  同飛、同玉、73馬、84桂合

またまた合駒読み。 84歩合なら、97香、85玉、96角、76玉、87角以下詰み。 そこで96角を防いで桂を合駒します。

  97香、96桂合、同香、同玉、

合駒読みが続きます。 96香合なら同香、同玉、87金以下。 96桂合ならこの順は87金に95玉で逃れます。 そこで87金ではなく88桂と打って、以下細かい捌きが続いて収束します。

  88桂、97玉、75角、86歩合、同角、同玉、64馬、95玉、
  86金、94玉、95歩、83玉、84香、同玉、96桂、83玉、
  75桂 まで31手

作者「63角成、85飛合に対して同香と行くのが紛れとしてはアリですが本手順では初めての手。 収束バタつきますがこれはこれでよいかと。」

作意順で同香と行くのは凡骨生さんがブログで2作発表していますが、指しにくい手ですね。 普通は誘いの順なので、これもある意味攻めの裏筋。

それではみなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
大道棋らしく今度は角成に飛合から入る。 飛打には角合でよく粘る手順。
占魚亭さん:
上下挟撃の攻め。 合駒読みに少々骨が折れました。
小山邦明さん:
多くの入手した合駒をうまく使いきって、最後は桂できれいな詰み上がり。
金少桂さん:
攻方78銀配置から入玉させる方針を立てやすい点、そして導入が定跡通りなので、 合駒の変化読みが大変だったが、4作の中で一番最初に解くことができた。 収束のぎりぎりのピッタリ感が気持ち良い。
S.Kimuraさん:
3枚の合駒の組み合わせで後の展開が変わってくるので難儀しました. 実戦で,状況に応じて合駒を変えられるとお客は混乱しますね.

大道棋屋さん、読まれていると判断すればよく合駒を変えてきますが、 これができるのは十分事前勉強している実力派の大道棋屋。

池田俊哉さん:
82銀の形なので72馬とは攻められないが、85飛合の筋から96飛と攻めるのは面白い。 合駒が複数出てくるので組み合わせを探るのが難しいが、スッキリした詰め上がりになった

合駒を使い切って駒も余らずぴったり詰むのが好評でした。


ドキドキ展示室No.103 解答:6名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  金少桂さん  小山邦明さん
  占魚亭さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。