ドキ展No.98に続いて77玉を置いた金4類型の双玉版です。
金4類型の誘い手を復習しておきましょう。
74角・63角成の二つが有力な詰め筋。
74角には94玉で82香が利いてくる。
63角成には84金を防いで85飛合が定番の受けだが、77玉型では逆王手の85桂合もある。
というのがおおまかなところ。
さて、本作は?
まず、74角からやってみましょう。
- 74角、94玉、85金、同香、同角、83玉、84香、同玉、63角成、94玉、72角成、同飛、同馬、83歩合・・・
手は続くもののだめそうです。
では、63角成でしょうか。
そして受けは85飛合か85桂合か。
- 63角成、85飛合、同香、94玉、72角成、同飛、同馬、85玉、75飛、96玉、95飛まで。
飛合は簡単に詰んでしまいました。
では85桂合の逆王手?
ドキ展98の順(63角成、85桂合、同香、94玉、86桂、95玉、73馬・・・)では、73馬で香が取れないのでダメ。
しかし、81が角なので、
と攻めれば、同飛は同馬で簡単。
83歩合なら86桂、95玉、73馬引以下で19手。
73馬を防いで83金合なら、同馬、同香、86桂、95玉、73馬以下19手。
あれ、30手台にはならないですね。
実は、中合せずに単に84歩合が正解。
ドキ展98では63角成に84歩合は72馬で簡単でしたが、本作では62飛が72馬を防いでいるので84歩合が成立。
いわゆる裏筋の問題ですね。
84歩合を同香ととって、85金、83玉で打歩詰。
それを避けて控えて75金と打つのが好手です。
63角成、84歩合、同香、同玉、75金打、94玉、
75金に95玉なら、96歩、94玉、72角成。
94玉のときも72角成と攻めます。
今度95玉なら73馬引で簡単、同飛と取る一手で、同馬で飛の入手に成功します。
72角成、同飛、同馬、95玉、73馬、84銀合、同馬、同香、
84の合駒は悩むところ。
- 歩合・桂合は85金、同玉、76金以下
- 香合・金合・飛合は85金、同玉、86飛以下
- 角合は96歩、同玉、74馬以下
ということで、銀合が正解です。
銀合に対して、85金、同玉、76金は、94玉、95歩、同銀で逃れ。
85金、同玉、86飛は、94玉、95歩、同玉、96歩、94玉、84飛、同香、95銀、85玉で逃れ。
そこで、銀合に対してはズバッと切ってしまいます。
86銀、94玉、84金、同玉、85香、73玉、63飛、72玉、
73歩、71玉、82香成、同玉、62飛成、83玉、72龍、94玉、
95歩、84玉、75金 まで33手
逃げられそうで不安の残る形。
思い切って香を取って打ってみると意外に狭く、最後は駒も余らずぴったり収束します。
普通は誘い手の84歩合の裏筋から、控えた75金打、そして84銀合の強防以降もきれいにまとまって、楽しめる作品でした。
それではみなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 8五香と打つ辺りでは不安になるが、再度追い上げてピッタリ捕まえる。
- S.Kimuraさん:
- この問題も収束が分からず,飛車を取る発想が浮かびませんでした.
- 小山邦明さん:
- 逆王手に注意をする必要はありませんでしたが、細かい手順に気をつけないと逃げられてしまいそうな作品でした。
- 嵐田保夫さん:
- どうしても7四角としたくなる性分なんですね(苦笑)。
散々ほじくり返しては詰まず、6三角成も以下の7五金打がなかなか見えず苦戦、また7四角に戻っては堂々巡り。
挙げ句の果ては初手7六角まで考える様では何をか言わんや。
結局解くのに数日かかった。
いやー参った。
- 池田俊哉さん:
- No.98と似たスタートだが、シンプルに84歩合に対して75金打と控え目に重ね打ちするところが面白い
(85桂合もなかなか続くが)。
72で飛を奪ってからも84銀合の強防で粘る
- 占魚亭さん:
- 玉がよく動くうえ、いろいろ読まされ苦戦。
|