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詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート

ドキドキ展示室 No.96 鳥本敦史さん

ドキドキストリート
ドキドキストリート
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
ドキドキストリートは昔懐かし大道詰将棋のコーナー。 20手台

ドキドキ展示室No.96 鳥本敦史

(1年前のドキ展から引用)

縁日や路上で大きな盤駒を使って詰将棋を出題する大道棋屋さんは、昭和の風物詩でした。 出題される問題は、一見簡単そうに見えて、巧妙な受けがあって簡単には詰まないのが特徴。 そこがおもしろく、多くの詰将棋ファンをを魅了しました。 その大道棋の研究のための会報から発展したのが、現在も続いている「詰将棋パラダイス」です。

平成から令和になり、大道棋は見られなくなってしまいましたが、その魅力故、現在でも大道棋を創作したり、解いて楽しむ方もたくさんいます。 TETSUもその一人ですが、鳥本さんも詰将棋パラダイス誌で大道棋教室を担当するほどの熱心家で、 おもちゃ箱にも投稿がたくさん来ていますので、お楽しみに。

大道棋は、お客さんを錯覚させるために、ちょっと配置を変えた問題群が多く、これを類型と呼びます。 本作は近年になってから開発された、なし14類型と呼ばれる新しい類型の問題です。 発祥が気になる方は大道棋よもやま話第8回 大道棋改作の技術をごらんください。

初手はひと目で73角成とわかります。 94玉なら64飛までだから92玉と逃げて、あっ、81馬と捨てれば86飛と回って詰みだ! というのが、この類型の誘い手。 実際に手を出してみると、73角成に涼しい顔で94玉。 64飛には74金合という妙防がとんできます。 なぜ金合か? 歩合など横に利かない駒なら84馬と捨てて簡単。 飛合には83馬捨てという妙手があって詰み。 金合でも手は続きますが、結局「お客さん、惜しかったね」。

正解は、73角成、94玉のとき、95馬と切る手。 同玉に96飛、84玉、86飛、94玉、85馬、83玉、75馬と快調に手が続きます。

  73角成、94玉、95馬、同玉、96飛、84玉、85馬、83玉、
  75馬、73玉、

75馬に72玉だと、64桂がぴったりで、どこに逃げても香打と飛成があるので捕まります。

  74香、62玉、82飛成、51玉、63桂、41玉、52龍、同玉、
  53金、61玉、71香成(41玉、42金) まで23手

大道棋屋さん、62玉から51玉と逃げだしをはかります。 ここであわてて52龍と切っては、同玉、53金、61玉でまたまた「お客さん惜しかったね」。 63桂を決めてからの龍切りが正解でした。

作者 「52金の守備がとてつもなく強いのでどうするか、ということで95馬と切って桂を手に入れる筋になります。 95馬自体は前例ありますが、これはこれで一局と思います。」

初形、手順とも比較的まとまっていて、ガイダンスにぴったりということで出題させていただきました。
95馬の前例としては大道棋よもやま話 第9回 大道棋改作の実例 の大道棋9などがあります。

それではみなさんの感想を。 解答到着順です。

市原誠さん:
上手く桂が取れて、詰みを確信しました!

62銀まで25手解。 変化別詰でしょうか。 詰めているようなので正解扱い。

蛇塚の坂本さん:
桂と香だけで手をつなぐのは難しい。
山下誠さん:
7五馬の利きが強く、比較的容易に追い込める。
占魚亭さん:
作意と変化(72玉)、ともに素直でやさしい手順。
小山邦明さん:
最近3手目95馬の作品が出てきて楽しめています。
12手目72玉は64桂からの早詰ですね。
おかもとさん:
今回は中合や捨合が出なかった。

中合や捨合がでたときは、ひょっとしたらもうはまっているのかも。

波多野賢太郎さん:
これは一目、手を出してみたくなる作品だと思いました。 7五馬のときに、5五金が生きてきそうだったので手応えありでした。 後半もすっきり割りきれているので気持ちよく詰ますことができました。
池田俊哉さん:
なし14型で、95桂と75香の二枚の質駒を奪うのがポイントだが、75馬の形が手広く、 12手目72玉と73玉のどちらが長いか、見極めが難しい
S.Kimuraさん:
75馬が最後に利いてくるとは思いませんでした.
嵐田保夫さん:
一見逃げ込まれそうですが、7五馬の睥睨力が絶大でした。

ドキドキ展示室No.96 解答:10名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  市原誠さん  S.Kimuraさん
  おかもとさん  小山邦明さん  占魚亭さん  波多野賢太郎さん
  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。