二枚飛車の銀4類型は銀問題の中では比較的新しい類型で、秘手五百番には1作も収録されていません。
原型がコンパクトで集客度が非常に高いことで改作の余地が大きく、奇策縦横ではトップ(1図〜27図)に収録されるほど注目の高い類型になりました。
最近でも活発に改作されています。
基本的には93玉型で、94玉型は珍しく10作もありません。
それは、ぱっと見詰みにくいので、実戦価値が微妙なためと思われます。
しかし、中段玉のため、上に追う順も下に追う順も続くので、研究するにはおもしろい問題も多いのです。
本作、銀の打場所は95・85・83の3カ所あります。
95銀、同角、74龍、84合、83飛成まで、というのが第一の誘い手。
85銀、95玉、84銀と角を取るのも有望そうです。
83銀、93玉、82銀不成、同玉、84龍と角を取る順もありそうですね。
という、何となくありそうな順はすべて逃れるのが大道棋らしいところ。 では正解は?
95銀、同角のとき、74龍でなく74飛成と73の飛で行くのが正解でした。
これに対し93玉と逃げるのは95龍で簡単。
また、84歩など弱い合駒では85龍寄、93玉、95龍と角を取ればやはり簡単です。
ということで、84銀合か84金合ですが、金合は同龍寄、同角、85金から84金と角を取れば追い詰め。
正解は84銀合です。
95銀、同角、74飛成、84銀合、
銀合に対しては同龍寄、同角、85銀では95玉で打歩詰。
ここは84歩合のときと同様に、85龍寄、93玉、95龍と攻めます。
えっ、同銀と取られてダメなんじゃ・・・
いや、ここで落ち着いて読むと、71角で詰んでるんです。
85龍寄、93玉、95龍、同銀、71角、82歩合、
歩合以外なら、94歩、92玉、82角成、同玉、72龍、91玉で合駒を打って17手で詰み。
歩合でも同様の手順で19手で詰みとなります。
94歩、92玉、82角成、同玉、83歩、92玉、72龍、91玉、
82歩成(龍) まで19手
83歩に81玉や91玉でも19手で、どれでも正解です。
作者 「94玉型の銀4問題はTETSUさんに掘りつくされている感じがあります。
入門用と言える易しい作です。
易しすぎてつまらないと言われそうですが・・・。」
入門用ということで、客寄せに使わせていただきました。
それではみなさんの感想を。 解答到着順です。
- 市原誠さん:
- 初手、一番意外な場所でした!!!
- 山下誠さん:
- 10手目の合駒が非限定のようで不安な手順。
92香まで17手解。 82歩合ができないと勘違い?
- 蛇塚の坂本さん:
- 銀合限定から角の補充が素敵なコンビネーションだ。
- 波多野賢太郎さん:
- 第一感は8五銀でした。
角が2枚とも取れるのでさすがに詰むだろうと思ったのですが。
次に考えたのが8三銀で、9五銀はその次に考えてようやく詰みました。
- 津久井康雄さん:
- 83銀で詰まないんですねえ。
- 占魚亭さん:
- 66角を働かせないように。
- 金少桂さん:
- 入玉させると攻方の香歩が邪魔で取り逃がしそうなので下部に追い詰める方策を考える。
- 小山邦明さん:
- 4手目の合駒種と8手目に合駒をする変化調べに時間がかかりました。
- S.Kimuraさん:
- 柿木将棋IXと詰将棋対戦をしましたが,71角以降が分からず,自力では勝てませんでした.
78の歩は余詰防止でしょうか.
- 池田俊哉さん:
- ヒントから初手は上からと思うが、その流れから74龍と思うとはまる。
上部を支えるように見える78歩だがこれは余詰消し?
はい。78歩がないと85銀〜84銀〜66龍で角を2枚取って余詰です。
- 嵐田保夫さん:
- 玉方としては桂合が利かないのは口惜しい負け方。
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