金3類型は、4段目に歩が並んで上部脱出を防いでいるのが普通です。
その歩を85金ぐらいにすればすっきりした形にできるし、より詰みやすく見えるのではないか、という発想で改作した問題です。
実際には余詰を防ぐために85玉にしたので、双玉としての味はほとんどありません。
この類型、中合などの妙防はないのですが、うっかりして詰みと即断する順がいくつもあるので、案外稼げた類型のようです。
63銀成とかの空き王手は62角と飛を抜かれて奉納。
83銀成、同玉、84金はもちろん同龍でアウトです。
有力なのは71銀不成か81銀成。 取って金打まで。
それで「銀捨てが決め手」か、というのはおいしいお客さんですが、流石にドキ展の解答者はひっかかりませんよね。
ということは、あとで銀捨てが必要ですから、正解は71銀不成です。
71銀不成、73玉、
73以外の逃げは82飛成の一発。
73玉に、63金、同龍と捨てれば82飛成で詰みと思ったあなた、64が空いてますよ。
困ったように見えますが、72金と重く打つのが継続手段。
83玉、82金、73玉と82金を据えられれば72飛成以下、狙いの「銀捨てが決め手」が実現します。
72金、83玉、82金、73玉、72飛成、64玉、75龍、63玉、
62銀成、同玉(同角)、72龍 まで13手
作意順が比較的短くきれいに詰むので、本作もどちらかといえば客寄せ問題ですね。
それではみなさんの感想を。解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 7二金から8二金が浮かびにくい手段で、飛車が活用できる。
- 蛇塚の坂本さん:
- 6二銀成がシブイまさにイブシ銀。
- 本間瑞生さん:
- 銀捨てで馬が効いてくる
- 原田雄二さん:
- 初手71銀生が難しかった。11手目の62銀成が決め手。
- S.Kimuraさん:
- こちらも柿木将棋IXと詰将棋対戦をしました.
初手81銀成から入り,その後71銀不成に変えましたが,いずれも,玉が83と73を往復する千日手になりました.
しばらく悩んで72飛成に気付き,ここでようやく,初手が71銀不成である理由が分かりました.
- 米澤歩登さん:
- 双玉の理由が分からないです。
85金だと、83銀成、同玉、74金打以下の余詰。
- 津久井康雄さん:
- 玉型の守備が強力過ぎてかえって解きやすかった。
62銀成の味がいいですね。
- 占魚亭さん:
- 飛車を抜かれないよう着実に迫る。
- 小山邦明さん:
- 初手は81銀成は73玉でダメなので71銀不成しかなく、後はほとんど迷う事無く、最後は華麗な銀捨てで収束。
- ハマGさん:
- 62銀成捨てが決め手になりましたのでこれで良しとします。
- 池田俊哉さん:
- 陰に隠れた角が最後にきっちり仕事をしている
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