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詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート

ドキドキ展示室 No.86 鳥本敦史さん

ドキドキストリート
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
意外な詰み場所 30手台

ドキドキ展示室No.86 鳥本敦史

金問題は香歩問題、銀問題と並んで、代表的な類型です。 96金、84玉、87香までというのが初級者向けの誘い手。 それしか初級者向けの誘い手がないのに金問題がよく出題されたのは、その先が奥深く、中級〜上級の人からかなり稼げたからではないかと思います。

金問題はだいたい次の定跡手順(金手順)で始まります。

  96金、84玉、87香、86飛合、85金、同飛、同香、同玉、
  86飛、75玉、46飛、84玉、87香、85角合、同香、同玉、

86飛合、85角合が定番の受け。 46飛のところは普通は56飛ですが、本作では後の展開をにらんで46に開くのが大事な手。

ここから86馬、96馬、86飛などいろいろな詰筋があるので、じっくり読む必要があります。 52金が強く角を打つ場所がかなり制約されているので、普通の攻めではだめそう。

  77桂、同香成、

ここで89桂を活用して7筋の守りをそらします。 77桂に84玉と逃げるのは、86飛、75玉、57角、64玉、56飛、75銀合(歩合は65銀から64香)、同角、同香、55銀以下。

  86馬、84玉、75角、74玉、

74香が動いたので75角と打てましたが、74玉と逃げられて困った?
ここで65銀と切るのが打開の一手。 このために46飛と開いたんですね。

  65銀、同玉、66香、55玉、64角、54玉、

ここからは53でばらして金を入手すれば、最後は金追いで都詰。

  53角成、同金、同馬、同玉、43金、54玉、44金、55玉、
  45金 まで37手

作者 「77桂と跳ねるのが狙いの手で46飛限定開きが活きました。
収束も楽しくおもちゃ箱向けかと思います。
某会合でも結構奉納して頂けました。」

77桂からの捌きは新しい。 収束くるくるで都詰とは、詰めて楽しい作品。 おもちゃ箱向けですね。

それではみなさんの感想を。解答到着順です。

山下誠さん:
7七桂から強引に金を入手しにいくのが近道。
本間瑞生さん:
46飛車が急所の一手なのか。
S.Kimuraさん:
52にいる金を狙って56飛としてしまい,詰まなくなってしまいました.
まさか,都詰になるとは思いませんでした.
津久井康雄さん:
46飛がポイントでしょうか。 変化にも好手あり、収束もこの形からは意外性あり。
小山邦明さん:
75角を打つための77桂捨てから55玉までの収束は気持ち良い。
   20手目74玉の変化もあり、89桂配置の発展形としてトップクラス。

20手目74玉は96角で詰むと思ったら85香の捨て合で逃れ。 63角、同金、同銀以下で詰み。

占魚亭さん:
11手目限定移動の理由が分かる詰上り。 都詰になるとは!
Pathfinderさん:
詰上げてびっくり都詰。 11手目の飛車限定移動が光る。
池田俊哉さん:
86馬から75角と攻めるための77桂捨てが肝。 意外な詰み場所と言うので雪隠(11か99?)と思ったらまさかの都

ドキドキ展示室No.86 解答:8名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  小山邦明さん  占魚亭さん
  津久井康雄さん  Pathfinderさん  本間瑞生さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。