15の龍が怪しげな配置。
これを除けば、92玉型金問題の名作(奇策縦横447番)と同じ配置ですが、さて15龍はどのように効いてくるのでしょうか。
最初は93金から入るしかなく、84香に83飛と中合の妙防に82金、同飛、同香成とばらすのも定跡手順です(83飛合のとき金合ならばらしたあと72金から93香で詰み)。
ここで72飛、81玉、84香の攻めは、もう香がないので83金の中合で逃れ。 83飛の一手です。
93金、81玉、84香、83飛合、82金、同飛、同香成、同玉、
83飛、72玉、
74香は62玉で続きそうにありません。 62歩を取られないように53飛成の空王手は、94香と馬を抜かれて「ギャー」。 ここは93飛成と馬を守りながら空王手です。
93飛成、62玉、84馬、52玉、
ここからは横に逃げる玉を馬で追います。
74馬、42玉、64馬、32玉、54馬、22玉、44馬、12玉、
右下に逃げる変化は、だいたい同じ筋で詰みます。 代表例として54馬に41玉の変化で説明します。
54馬、41玉、44香、42歩合、同香成、同玉、53龍、31玉、
33龍、41玉、63馬、52角合、
(44香に42桂合だった場合は63馬のかわりに、32龍以下)
42歩、51玉、31龍、41歩合、同龍、同角、同歩成、61玉、
83角、71玉、72馬まで41手駒余り
奇策縦横447番では、この順が正解になっています。 一見、44馬、31玉までいった方が2手長くなるように見えますが、34香、32歩合、同香成、同玉のとき33馬、21玉、91龍の順があって早く詰みます。
また、15龍のない奇策縦横447番では、44馬、12玉だと、82龍以下で簡単です。 44馬、12玉の筋を成立させることが、15龍配置の意味だったのです。
34馬、11玉、13香、21玉、12香成、31玉、22成香、同玉、
94馬がついに34まで。 趣向詰だったら理想的な展開ですね (^^;
34馬に21玉は、23香から22香成で2手短くなります。
12香成を同龍と取るのは、同馬以下41手の変同ですが、二枚飛車で簡単なので、大道棋屋さんとしては31玉と逃げたいところ。
33馬、21玉、91龍、31角合、同龍、同玉、53角、21玉、
23香、12玉、22馬 まで41手
15の龍は離れているので変に思われて実戦的には不利な配置。
しかし、この配置のため馬が最後まで追いかけるおもしろい作意順になりました。
といっても、変同、変別が多く、作意順の解答はお一人だけだったとは・・・。
詰めていると判断できる解答は正解としました。
それでは解答者のみなさんの感想を。解答到着順です。
- 占魚亭さん: (62龍上まで41手)
- 竜を1枚追加しただけのシンプルな図がなかったとは驚きです。
- 小山邦明さん: (52龍まで41手)
- 12手目や22手目の玉方の応手で悩まされました。
原図は「第5回のよもやま話でも紹介のあった作品」ですが収束の大駒が、馬から龍に変わり、大変面白い改作だと思いました。
- 池田俊哉さん: (62馬まで45手)
- 14龍を置いて、右への移動を一筋増やした、というわけですね。
大道棋的な価値はどうかわからないが、面白い
- 長谷繁蔵さん: (72角成まで41手)
- 39手詰と思ったがヒントで収束銀合を角合として41手にしました。
- 隅の老人B: (62龍上まで41手)
- 趣向入りの大道棋とは珍しい。12手目、棋将屋さんは歩合するかもね。
83歩合は91香を取られなくする狙いですが、歩を渡すので早い。 でも、うろ覚えの人は同じように攻めて失敗するかもしれないし、同馬と取ってくれれば即勝ちなので、歩合してくる可能性はありそうですね。
- S.Kimuraさん: (62龍上まで41手)
- 原題では途中で玉が戻ってくるところ,本問は戻らずに1筋に向かうのだろうという推測の下,途中から,柿木将棋(iPad)に教えてもらいつつ解きました.
- 嵐田保夫さん: (不詰局では)
- 20手目2二玉で悉く妙防があって不詰と思う。盤に並べてみても詰まない、ついに惚けがはじまってきたか。
もう少しでした。残念。
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