本作も77金しか援軍がいないので、74飛からの詰筋が予想されます。やってみましょう。
1) 74飛、84角、同飛、95玉、86角、96玉、94飛まで? いや飛が利いていますよ。
2) 74飛、84角、同飛、95玉、85飛、同玉 これは広すぎて捕まりません。
3) 74飛、84角、同金、95玉、85金、同玉 74飛が浮いているのでダメ。
4) 74飛、84角、同金、95玉、94馬、96玉、85馬、97玉、
86馬、98玉、87馬、99玉、88角、89玉 お客さん、惜しかったね
それじゃあ97玉のとき99香はどうだ。98合なら79角で簡単。
99香、88玉、87金、同玉、43角、88玉、98角成まで? 残念ながら飛が・・・
うーん。なかなかうまくいきませんね。
ここで3)の手順に注目。74飛が浮いているのでだめでしたが、それなら初手64飛とか離して打てばいいのでは。
64飛、84角、同金、95玉、85金、96玉(同玉は63角以下)、98香、85玉、63角、75玉、74角成まで
やった、詰んだ! と思って手を出すと、敵もさるもの、74歩と中合してきます。
64飛、74歩合、同飛、84角、
さっきと違って持駒に歩が増えましたが、これで何か変わるのでしょうか。その答えは4)の順にありました。
同金、95玉、94馬、96玉、85馬、97玉、99香、88玉、
87金、同玉、88歩、同玉、33角、77歩合、
そう、歩があるので88歩と叩けるのです。 援軍の77金が、いつのまにかジャマ駒になっていたんですね。
しかし、大道棋屋さん、簡単にはあきらめません。33角で89玉に67馬までかと思いきや、77歩の捨て合で抵抗。
同角成、79玉、67馬、76歩合、
取って67馬と空王手すれば、69玉は58馬まで、88玉は77馬でも78飛でも詰みそう。
ここで、大道棋屋さん、またまた中合で抵抗。
同飛、69玉、79飛、同玉、
58銀などと打つと右の方に逃げられてしまいます。79飛がとどめの妙手。これを指されると「お客さん強いね」大道棋屋さんもあきらめます。
68銀、69玉、58馬、78玉、67馬引、88玉、77馬、89玉、 67馬右 まで35手
以下は手順の詰み。77馬のところは79銀以下の収束余詰あり。
比較的シンプルな形から、飛の離し打ち、金のジャマ駒消去や3回の中合・捨て合が飛び出し、お楽しみ(お苦しみ?)いただけたかと思います。
それでは解答者のみなさんの感想を。解答到着順です。
- 金少桂さん: (7六飛or7九飛まで33手)
- 初手のまさかの64以遠打に74中合!これは度肝を抜かれました。上部に追い出すところまではスラスラ行ったのですが、87金捨て〜86馬捨てが見えず苦戦。
自然な配置でよくこのようなすさまじい手順が展開されるものだと思いました。
馬まで捨ててしまってはさすがに詰まないような・・・ 詰むようでしたら手順をご連絡ください。
- やまかんさん:
- 最初は64飛〜67飛とかあるのかなと思ったけど、とりあえず考えやすい74飛から進めて、74中合いを頭に入れてたから運よく解けた。6筋から打つ意味は違っていたんですけどね。玉方の延命の中合いが印象的。
- 小山邦明さん:
- 85香配置のアイデアは、とても面白いと思いました。
99香、87金、88歩で角打を作る手順はすばらしいと思います。
- 波多野賢太郎さん:
- 白旗です。6四飛、7四歩合、同飛、8四角、同金、9五玉、9四馬、9六玉、8五馬、9七玉、9九香、8八玉、8七金、同玉、8八歩、同玉、3三角…でしょうか?
的確な読み筋。あと1歩でした。
- 池田俊哉さん:
- 88歩と使うために、初手離し飛で一歩稼ぐところが難しい。初形であまり手がないので助かったが、そうでなければかなり悩むところ。76合もうまい受け
- 長谷繁蔵さん:
- 77合76合で長くなりました。79飛捨も良し。
- 占魚亭さん: (6七馬引まで31手)
- 難問。入玉してからの順は自信ありません。
68銀に69玉は96馬までと即断した? 惜しい。
- 隅の老人Bさん:
- 初手が好手で応手も妙手。大道でこんな手順は読めません。
ハイ、これも観戦。棋将屋さん、御免ね。
覚えて帰って自宅でじっくり研究、ですね。
- S.Kimuraさん:
- No.34と同じように追いかけて,今度は77に金がいるから何とかなるかと思いましたが,玉が88に逃げ込まれて分からなくなりました.
その金がジャマだったとは。
- ronさん:
- 合い駒の妙防が大道棋らしいと感じます。2手目は予想済みだったので、ひっかからずにすみましたが、20手目付近の焦点への合い駒がうまい。最初これに気づかなかったために、手数が伸びず困ってしまいました(笑
- 小林巧さん:
- 将棋は、歩から?
|