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詰将棋おもちゃ箱記録に挑戦!

記録展示室 No.170 吉田京平さん

記録に挑戦!
記録に挑戦!
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
・・・最長 110手台

記録展示室No.170 吉田京平

盤面いっぱいの初形。 眺めていると99玉から始まる斜めの対角線が空いていることがわかります。 玉がこの対角線を移動していくのかなと思った方は鋭い。 そう、本作は玉移動一つの斜め筋のみの長手数記録作品なのです。

作者 「玉移動一つの斜め筋のみの111手詰です。 現記録は不明ですが、添川公司氏作119手詰(詰パラ2012年8月)の18手進めた途中図が101手のため、これを超える手数を目指しました。 本作は長手数記録となりますでしょうか。 手順については、左上の龍で王手をかけるタイミングを限定させるのに苦労しました。」

玉移動一つの筋のみ、一つの段のみの記録はこれまでも作られてきて、記録の項目としても登録しています。 今回玉移動一つの斜め筋を狙った作品が登場ということで、新たな項目として追加しました。

玉が対角線だけ移動しながら、どうやって100手超えの長手数になるのか、手順を見ていきましょう。

  88角、同玉、87馬、99玉、77馬、88角合、同馬、同玉、

全駒が配置されているので、77馬に対しては角合しかありません。 ということは、続けて角打角合で斜めに送ることができそうです。

  66角、77角合、同角、同玉、
  55角、66角合、同角、同玉、
  44角、55角合、同角、同玉、
  33角、44角合、同角成、同玉、
  22角、33角合、同角成、同玉、
  11角、22角合、同角成、同玉、

22まで呼ぶと、遠く92の龍を活用できるようになります。

  81歩成、62と、

後手持駒は角しかないので、62とと移動合でしのぎます。 81歩成により82が空いたので、玉を88に戻せば82龍と王手できるようになります。

  44角、33角合、同角成、同玉、
  55角、44角合、同角、同玉、
  66角、55角合、同角、同玉、
  77角、66角合、同角、同玉、
  88角、77角合、同角、同玉、
  99角、88角合、同角、同玉、

ここですぐに82龍では、84角と逆王手されて失敗。 先に66角と打って角を使わせてから82龍が正解です。

  66角、77角合、82龍、83桂、

龍が82に移動したことで、玉を11に呼べば71龍とできることに注目。

  77角、同玉、
  55角、66角合、同角、同玉、
  44角、55角合、同角、同玉、
  33角、44角合、同角成、同玉、
  22角、33角合、同角成、同玉、
  11角、22角合、同角成、同玉、
  11角、同玉、

71龍で香が取れたので、22玉は23香でばらして詰み。 61角合に同龍、同と、33角で、合駒が飛角二通りになってちょっと面倒ですが、飛合が最長。

  71龍、61角合、同龍、同と、33角、22飛合、同角成、同玉、
  23香、同銀、21飛、33玉、

ここからは龍追いで戻して、還元玉で収束します。

  23飛成、44玉、34龍、55玉、45龍、66玉、56龍、77玉、
  67龍、88玉、87龍、99玉、88銀 まで111手

斜め送り2往復。 玉が対角線から外れてないことを確認してください。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
このシンプルな仕組みで対角線上を玉が2往復とは素晴らしい。
川越敏司さん:
角打ちに角合を繰り返しつつ玉が対角線を往復、最後は龍追いでフィニッシュ。 ドラマティックな手順でした。
小山邦明さん:
角打角合の連続で玉が斜めに往復。 最後は龍が活躍して見事な還元玉。
松崎一郎さん:
還元玉・雪隠詰。
池田俊哉さん:
受方全玉着手斜めのみの最長手数でしょうか。 角打角合の知恵の輪風ともいえ、最後の龍追いも爽快な作品
おかもとさん:
全手順斜め移動の最長かな。 玉が11-99のラインをはみ出さないのはスゴイ。

77馬とか88角合とか斜め移動以外の手もあるので全手順ではないですね。 ちなみに全手順斜め移動の現在の長手数記録も吉田京平さんで81手です。

占魚亭さん:
玉の一つの筋斜め移動最長? 還元玉で詰む所が良いですね。
金少桂さん:
玉が斜線上をはみ出すことなく行ったり来たり。 メイン趣向部の角打角合だけでは両端が使えないが、収束で両端まできっちり使って往復して還元玉になるところがうまい。

記録展示室No.170 解答:9名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  おかもとさん  川越敏司さん  金少桂さん
  小山邦明さん  占魚亭さん  松崎一郎さん  山下誠さん
  吉田京平さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。