記録展示室　Ｎｏ．１５７　猫田いわしさん

出題時のコメント：

・・・なし　２５０手台

本作は双方駒打ちなしの長手数記録作品（２５５手）です。 現在の記録作（志賀友哉さん２２９手）は、反転型の龍追い×香消去趣向という構成。 本作は回転型龍追い×香消去です。 一般に回転型だと反転型より短くなりがちですが、龍追いの軌跡を工夫することと、 更に消去する駒を香と歩だけでなく銀も追加することで長手数化に成功しています。 志賀友哉さんの作品は攻方駒打ちなしの長手数記録でもあったため、この記録もあわせて更新したことになります。

それでは手順を見ていきましょう。
まず２６とと捨てて、ここから３７銀、 ２７玉、３６龍以下龍追いに入り、５１龍、３２玉と玉を３２まで誘導します。 この２８手の手順を［２６玉→３２玉］と呼びましょう。

［２６玉→３２玉］：
　　３７銀、２７玉、３６龍、３８玉、４８銀、４９玉、３９龍、５８玉、
　　５９龍、６７玉、５７龍、７８玉、６８龍、８７玉、８８龍、９６玉、
　　９７龍、８５玉、９５龍、７４玉、７５龍、６３玉、７３龍、５２玉、
　　６２龍、４１玉、５１龍、３２玉、

３２まで呼べば、２３で銀や香などを捨てることができ、２６まで誘導すれば次のサイクルに入れます。

最後は３５玉から４６玉と逃げて１６龍まででも同手数で正解です。

作者「双方駒打ち無し
229手目57竜の代わりに17飛として、以下78玉68(58)竜から同手数のキズあり。」

１７飛には３７歩中合があり、同飛では１筋の利きがなくなって詰まないため、結局５７龍以下作意順で詰ますことになります。 迂回手順のキズですね。

記録展は難しい作品が多い印象ですが、本作はくる展でも出題できそうな簡明な趣向詰で、みなさん楽しく解かれたようです。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん：

規則的な龍追い手順が７サイクルも続く。 閉じ込められた１九飛が最後に龍となる構成も楽しい。

松崎一郎さん：

１３の地点に歩、香が順番に成ることでスイッチが入り竜が玉を追い回す繰り返し（計７サイクル）が面白い。 これは何の記録でしょうか？。

双方駒打ちなし・攻方駒打ちなしの長手数記録でした。

金少桂さん：

攻方駒打ちなしの長手数記録更新作。
提唱されてから空きっぱなしの攻方駒取りなしも本作が最長記録かな。
旧記録と同様に龍追いしながら飛車先の邪魔な香柱を消す趣向だが、龍追いが反転型でなくややこしい軌跡の回転型になっているのと、 香の先に更に歩・銀・銀と３枚も置かれて１筋が駒柱になっているのが素晴らしい工夫。
また、龍追いのコースとして、37銀・48銀の往復で進むところが非常に巧く出来ている。

駒取りは棋譜には表記されないので検索できず調査が大変。 確認できたら追加したいと思います。

おかもとさん：

双方駒打ちなしの記録を更新、でしょうか。

池田俊哉さん：

全応手玉の最長手数か。 盤面を大きく回る龍追いのルートと銀二枚と歩を加えた駒柱が手順を支えている
229手目17飛は単なる迂回手段となるのかな

全応手玉は、摩利支天さん「traveling II」の５１７手があります。

小山邦明さん：

双方駒打ちなしの記録作だと思いますが、くるくる展示室の作品のようでした。

たくぼんさん：

金なしはともかく初級者でも楽しめる繰り返しの龍追い趣向でした

確かに金は盤面にも手順にも全く登場していませんね。

占魚亭さん：

全ては19飛を世に出すために。 楽しい軽趣向作でした。

inokosatoshiさん：

竜追いと香剥がしの楽しい趣向でした。

吉田京平さん：

双方駒打ちなし、攻方駒打ちなしの長手数記録が狙いですね。 龍追いを通常より1回転増やす、1筋の2枚の銀がうまい配置。

S.Kimuraさん：

1筋の香車がすべて消えるとは思いませんでした．

記録展示室Ｎｏ．１５７　解答：１２名　全員正解（下記）

　　池田俊哉さん　　inokosatoshiさん　　S.Kimuraさん　　おかもとさん
　　川石隆志さん　　金少桂さん　　小山邦明さん　　占魚亭さん
　　たくぼんさん　　松崎一郎さん　　山下誠さん　　吉田京平さん

当選者は、展示室で発表しています。