本作は、初形は見て分かる通り飛び石図式(隣接駒なし)。 しかし、それだけではありません。 手順を進めるとわかりますが、2手目以降も最後の詰上りまでずっと飛び石の、純飛び石図式の長手数記録作品(15手)です。
では、実際に手順を見ていきましょう。
88馬、43玉、87馬、33玉、
77馬、43玉、76馬、33玉、
66馬、43玉、65馬、33玉、
55馬、43玉、23飛成 まで15手
88馬と王手すると、44合は34とまでなので、43玉と逃げる一手。
54に逃げられてはいけないので87馬で、これも54合は34とまで。
33玉と戻るしかなく、77馬と進めば、そう、馬ノコで近づけますね。
55まで近づけば54に逃げることはできないので、23飛成までの詰みとなります。
馬ノコの途中でも、詰上りでも、隣接する駒は一切ない(飛び石)ことをご確認ください。
純飛び石図式では、実は右図の作品がありました。
残念ながら余詰があり、参考記録として登録しました。
完全作では下記の9手詰がこれまでの最長だったようです。
- 不透明人間 9手 詰将棋メーカー 2020年4月16日
- 金少桂 9手 詰将棋メーカー 2022年9月17日
猫田いわしさんは、この記録、受方持駒指定にすることで、21手と更に6手延ばすことに成功しました。
記録作では、残りの駒を盤面に配置すれば同等の場合、受方持駒指定の作品も認めていますが、純飛び石の条件は残りの駒を配置できないことも多いので、
通常の記録と受方持駒指定の記録を両方登録することにします。
上記の三木宗太作とこの猫田いわし作の手順については、記録に挑戦!の1−257 純飛び石図式の項目をご参照ください。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 蛇塚の坂本さん:
- 馬鋸が、階段上に上がって行くのが面白い。
- 山下誠さん:
- 馬鋸のみを抽出した基本図みたいな作品。
- 松崎一郎さん:
- 詰め上りまで攻守の駒のぶつかり合いが無い非接触形詰将棋。
- 川石隆志さん:
- 馬鋸で逃げ道封鎖
- 金少桂さん:
- 全局面飛び石の長手数記録大幅更新(9→15)ですね。
この記録に挑戦してもらえて、旧記録作者としても嬉しいです。
(旧記録の拙作:https://tsumeshogi.com/problems/uo_osb4mur)
どのように更新されるか楽しみでしたが、馬鋸で実現する手段がありましたか。
とはいえ飛び石の条件下で馬鋸が制御できるとは驚きです。
- おかもとさん:
- 全手順飛び石がセールスポイントなのかな。
よく思いつくもの。
- 中村丈志さん:
- これで正解なのかちょっと不安。
大丈夫。 正解です。
- 池田俊哉さん:
- 全王手が玉に直接当たらない作の最長手数か(配置でも隣接してないのも入っている?)
馬鋸の中合処理もうまく、詰め上がりがちょっと八尋印っぽい
- 小山邦明さん:
- 馬ノコ風の手順。59と金の配置は13手目24とからの余詰防止ですね。
- たくぼんさん:
- 玉の周りの8マスに王手の着手がないのは珍しいですね
- 占魚亭さん:
- 54地点を押さえに行く。
- inokosatoshiさん:
- 61桂が無いと早詰なんですね。
- 吉田京平さん:
- 純飛び石図式?の長手数記録が狙いですね。
持駒制限なしで馬ノコを成立させる仕組みに感心しました。
- S.Kimuraさん:
- 最後まで駒が隣接しないのが面白いですね.
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