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詰将棋おもちゃ箱記録に挑戦!

記録展示室 No.125 太刀岡甫さん

記録に挑戦!
記録に挑戦!
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
3三選手権最長 30手台

記録展示室No.125 太刀岡甫

2018年の5月、もりやん屋から 詰将棋愛めがね拭きというユニークなめがね拭きが登場しました。 3×3の詰将棋がデザインされ、中央のマスには「I love(ハートマーク)詰将棋」。 詰将棋ファンにはうれしいデザインですが、詰将棋が詰むだけの1手詰というのがちょっとさみしい。 そこで解答欄魔さんがTwitterで3×3に収まる持駒なしの詰将棋を求め5月末まで懸賞を実施しました。

「来たれ、勇者よ!」の呼びかけに応えて40作を超える3×3図式が寄せられました。 その中で最長手数だったのがこの作品(今回の出題では初手成不成の非限定を避ける意味で13銀を金に変更)。 作者は7月に詰将棋パラダイス誌で中学校の担当に就任した太刀岡甫さんです。 これは既存作品を含めても最長で、持駒なしの3×3図式の長手数記録(37手)になりました。

3×3の図がなぜそんなに長手数になるのか、手順を見ていきましょう。

  22金、同玉、23角成、同金、同銀成、同玉、

初手はこれしか王手がなく、続いて23での清算もほぼ必然です。 ここで、12角成が一間龍をにらんだ気持ちのいい捨て駒。 逃げるのは34飛成、15玉、35龍と追撃して早いので取る一手で、 32飛成の一間龍が実現します。

  12角成、同玉、32飛成、13玉、

龍1枚のこの局面、あっ、これは、と思った人も多かったのではないでしょうか。 そう、図巧98番に続く裸玉の2号局、岡田秋葭さんの81玉、持駒飛飛金歩の8手目の局面と同じ(左右反転)です。 この龍の縦追いはくるくるNo.55でも取り上げたことがあります (棋譜ファイル くるくる55くるくる55原図(岡田秋葭))。 「最も美しい裸玉」ともいわれた有名な作品なので、初見の方はこの機会に覚えてしまいましょう。

  33龍、14玉、34龍、15玉、35龍、16玉、36龍、26歩合、

龍で縦追いしていきます。 17玉まで逃げてしまうと27金で簡単なので、ここで26歩合と手を変えます。

  27金、15玉、26金、24玉、25金、23玉、

金で23玉まで押し戻します。

  34龍、12玉、13歩、21玉、22歩、同玉、14桂、21玉、
  12歩成、同玉、32龍、13玉、22龍 まで37手

桂歩をうまく使って、最後は龍でとどめをさします。

3×3の石垣から岡田裸玉の龍縦追いの筋に持ち込んで、見事長手数記録になりました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

津久井康雄さん:
3×3でこの長手数、着地もまとまりお見事です。
山下誠さん:
3二飛成からは定型的な寄せ。3×3の初形にまとめたのが作者の腕。
長谷繁蔵さん:
収束どうしても詰みそうで歩が余ったりして困ったがキレイに決まる。大発見物。
おかもとさん:
途中から既成手順になるけど、うまくまとめたもの。
蛇塚の坂本さん:
一旦外に出して又隅に戻る動き面白い。
波多野賢太郎さん:
全体的に手は限られているので解き易かったです。 でも、よくここまで手数が延びたと思いました。
ハマGさん:
盤面3×3以内、持駒なし、最長、初登録と見ました。 登り切って逃げおおせるかスリリングです。
池田俊哉さん:
3x3の形から「岡田秋葭」作裸玉の手順へうまく結び付けている。
選手権の趣旨から言えば「I LOVE(ハート)詰将棋」を入れるための一マスが欲しいところか

22が空いていれば・・・。 それじゃ持駒なしじゃなくなってしまいますね。

小山邦明さん:
ばらばらにほぐした後は易しい手順。
占魚亭さん:
初手と最終手が同地点への着手になるのが良いですね。
S.Kimuraさん:
龍1枚になるのは何となくわかったのですが,そこからが大変でした.

記録展示室No.125 解答:11名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  小山邦明さん
  占魚亭さん  津久井康雄さん  長谷繁蔵さん  波多野賢太郎さん
  ハマGさん  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。