双玉問題。 記録作ですが、無防備の双玉七色図式でアート風味。 裸の王様でいかにも簡単に詰みそうに見えて、随所に逆王手の逃れ順があり、大道棋の味わいもあります。
更に追い方も趣向的で、くるくるの味わいも。 いかにもおもちゃ箱向きの作品ですね。
まずは、31金、同玉(33玉には55角成)、41香成、同玉とほぐすところでしょう。
続けて51角成、同玉、62歩成と追撃できます。
途中で21龍と入って戻れなくすれば簡単、と思った人は奉納コース。
41玉のとき21龍なら31角合、そして51玉の時21龍なら41桂合と、いずれも逆王手があって逃れます。
52と、42と、43と、44ととと金で追いかけて、35玉ではたと手が止ります。
36龍は24玉、36銀は46玉でダメそうだし、45と、同玉と捨てて25龍はまた角合の逆王手が飛んできそう
(普通に歩合でも詰みませんが)。
ここで、56の桂がなければ36龍から56龍で詰み、と発想できるかどうかがこの問題のカギ。
そう、「意外な邪魔駒」は56桂だったんです。
それなら、52と、32玉の時、44桂から32桂成と消去すれば、と思うと、34玉と逃げられてアレ?
この桂を消去するチャンスはただ一つ、初手で消しにいくしかありません。
44桂、33玉、32桂成、同玉、
このときならまだ73角があるので、32桂成に34玉なら33成桂、同玉、55角成以下。
では桂が消えたところで最後まで先ほどの手順を確認しましょう。
31金、同玉、41香成、同玉、51角成、同玉、62歩成、41玉、
52と、32玉、42と、33玉、43と、34玉、44と、35玉、
45と、同玉、36龍、55玉、56龍 まで25手
詰上りはなんと都煙。
本作は双玉都七色煙の長手数記録作品(25手)でした。
作者 「双玉都七色煙詰の長手数記録が狙いです。
序の邪魔駒消去や、収束の逆王手の紛れがちょっと面白いと思います。」
これまでの記録は本間晨一さんの19手で、6手更新しました。
この記録を無防備図式で実現し、邪魔駒消去、逆王手の逃れ、と金追いまで盛り込んだ手腕は流石吉田さん。
解いても並べても楽しい作品です。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 津久井康雄さん:
- 41がなぜ金なのだろうと思いきや、八色図式(とでも言うのでしょうか?)。
意外な邪魔駒消去が入り、楽しい手順、詰上がりもスッキリ。
双玉七色図式というより八色図式の方がぴったりかもしれませんね。
- 山下誠さん:
- 桂馬の消去が最終手のための伏線。 最後は都できれいな詰め上がり。
- おかもとさん:
- 手なりで進めて、最後に桂が邪魔だったと気がつく。
七色煙で駒の働きを強調するなら、42香と63歩を入れ替えて、65香くらいかな。
- 蛇塚の坂本さん:
- 自分の玉が如何に強い攻め駒が分かる。
- 波多野賢太郎さん:
- 双玉都七色煙という部門の記録作なんですね。
無防備玉で手順はすっきり、実は5六桂が邪魔、逆王手逃れなどもあって見事な作品だと思います。
- ハマGさん:
- 盤面双玉と各駒1枚、詰上り5五玉で4枚(双玉都七色煙)の最長記録更新19→25手と見ました
- 池田俊哉さん:
- 七色都煙の最長手数?最終手のための桂消去伏線はうまく入った感あり
- 小山邦明さん:
- よく見たら七色。
歩と香は入れ替えても 良いならその形の方が好み。
意外な邪魔駒のヒントから、最初に桂の消去を試して納得の手順。
- 占魚亭さん:
- 都煙だったとは。
- S.Kimuraさん:
- 最後になってようやく,桂馬が邪魔だと気づきました.
初形で,63の歩と42の香車が逆でも詰みそうですが,逆にしなかった理由があるのでしょうか.
確かに逆の方が形は自然かも。
手順中に成香が登場するのを避けたのかな。
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