記録展示室　Ｎｏ．１２０　石川英樹さん

出題時のコメント：

・・・の長手数記録　５０手台

本作は年賀詰鑑賞会で詰とうほくにおじゃましたときに投稿いただいたもの。 使用駒５枚の長手数記録作品（５１手）です。 駒場和男さんの「飛びます、飛びます」（詰パラ２００１年１月、４７手）を１７年ぶりに４手更新しました。

龍２枚で追う形で、解こうとするにはかなり勇気がいる初形。
変化もかなり多いので、詳細は棋譜ファイルでご確認ください。

最初から、
　１）３７龍寄、５６玉、５８龍
　２）３７龍寄、５６玉、２６龍
　３）３７龍上、５６玉、５７龍
　４）３７龍上、５６玉、３６龍（１６龍）
など、有力そうな手が多く、悩みます。

　　３７龍上、５６玉、５７龍、６５玉、２５龍、６４玉、

正解はちょっと意外な３）の追い方。 １）でも３７龍寄、５６玉、５８龍、６５玉、３５龍と同じように追えますが、左の龍が５８なので７６玉で詰みません。

２手目５８玉は３８龍右以下、 ４手目４５玉は４６香以下、６手目７６玉は７８香以下でいずれも簡単。 ６手目７４玉は、７６香、８３玉、８５龍、８４金合（他合は５３龍、９２玉、９４龍以下）、５３龍、９２玉、 ６２龍、９３玉、８２龍、同玉、８４龍と、龍を捨てて金を取ればＯＫ。

　　６６龍、５３玉、５５香、５４歩合、同香、同玉、

６６龍に７３玉が大変。 ７５龍寄、７４合に６４龍から８４龍を狙いますが、８４龍を防いで７４金合なら代わりに８４香以下。 ７４銀合や角合が強防です。 ６４龍直、８２玉、８４龍、８３香合、７３龍左、９３玉、９５香、９４歩合、同香、同玉、７４龍引（７４龍寄）以下。 角合の場合は７３龍左のところで７３龍右以下の詰みもあり。

５５（５６〜５９）香に４２玉と逃げるのは、６２龍、３３玉、２２龍左、４３玉、２３龍引以下。

　　５５龍、４３玉、６３龍、３４玉、５４龍引、２３玉、

６３龍に３２玉は３５龍以下、５４龍引に３３玉も３５龍以下。

　　２５龍、３２玉、３４龍右、３３銀合、

４３龍左から２３龍の攻めが見えているので、２２に利かせて３３銀合ですが、ここ３３角合が難物。 ４３龍左、２１玉、２３龍、２２歩合（香合は３２龍左、１１玉、２２龍寄以下）、３２龍右、１２玉、１３歩、同玉、 ３３龍寄、１４玉、３４龍、２４香合、２３角、１５玉、２４龍、同玉、３４龍、１５玉、１４角成以下５１手駒余り。

　　４３龍左、２１玉、２３龍、２２香合、

この２２香合は縦に利かせるため。 ２２歩合では、３２龍右、１２玉、１３歩、同玉、３３龍寄以下。

　　３２龍左、１１玉、２２龍寄、同銀、１４香、１３桂合、

１３の合は、頭に利く駒は同香、同銀で１２に打って詰み。 角合は同香、同銀、３３角、２２合、１３龍以下。
ここまで来れば三段龍で押さえているので安心して攻められます。 一気に最後まで行きましょう。

　　同香、同銀、同龍、２１玉、２２歩、３１玉、３３龍、４１玉、
　　４２銀、５２玉、６４桂、６２玉、５３龍、７１玉、７３龍、８１玉、
　　７２桂成、９２（９１）玉、８２成桂（龍）　まで５１手

わずか５枚の使用駒から、銀桂香歩４種限定合の５０手超え。 盤面全体を使ったボリュームたっぷりの変化群。 この形からこのような手順が成立するとは、素晴らしいですね。

ちなみに、使用駒６枚の長手数記録は４７手で、使用駒５枚と逆転したことになります。 こちらは桃野茶夫さんの４７手の６３手への改良図の図面が作者ツイッターで掲載されていて、手順の発表が待たれます。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん：

終盤に入り、銀合・香合辺りが難しかった。記録の意味は分かりません。

占魚亭さん：

粘りますねぇ。二枚竜で堅実に迫り玉を下段に落とせば、後はラクラク。

S.Kimuraさん：

2枚の龍で追いかけるだけでなく，合駒も多いので，理解するのに苦労しました．
この問題が何の記録なのか，手がかりすら分かりません．

池田俊哉さん：

これは何だろう...二枚龍の王手の最長手数？
一目初手龍寄りのところ龍上がりの予想外の好手

松本浩一さん：

到底解けず、柿木先生他に頼りました。圧巻です。
解説が楽しみです。是非是非詳し目で宜しく御願します。

おかもとさん：

使用駒5枚でこの長手数とは。拍手。

使用駒枚数別の長手数記録は最近（２０１０年以降）は更新されてないこともあって、 使用駒５枚の長手数記録と見破ったのはおかもとさん、おひとり。 流石です。

市橋宗士さん：

いくら２枚竜が強力とはいえ、これで詰むんでしょうか？
手数をみて、あきらめました(、ごめんなさい。）

記録展示室Ｎｏ．１２０　解答：６名　全員正解（下記）

　　池田俊哉さん　　S.Kimuraさん　　おかもとさん　　占魚亭さん
　　松本浩一さん　　山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。