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詰将棋おもちゃ箱記録に挑戦!

記録展示室 No.108 馬屋原剛さん

記録に挑戦!
記録に挑戦!
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
・・・の連続回数記録 60手台

記録展示室No.108 馬屋原剛 馬屋原さんは、数々の記録作品を創作している記録作マニア。 その最新の記録作は連続不成王手回数の記録作品(14回)でした。

初手33飛不成から連続不成王手が始まります。 不成の意味は、成れば11玉で打歩詰と明解。 不成なら11玉は12歩、同玉、23馬までですから、22玉と逃げる一手。 そこで23飛不成、12玉と戻せば、33歩の奪取に成功しました。

  33飛不成、22玉、23飛不成、12玉、

23飛不成も、成れば31玉で打歩詰。 不成なら31玉は32歩、同玉、43歩成以下です。 不成のとき11玉の逃げが気になりますが、 33馬!、12玉、13飛成 以下で詰みます。

続いて三段目の歩・と金を取りに行きます。

  43飛不成、22玉、23飛不成、12玉、
  53飛不成、22玉、23飛不成、12玉、
  63飛不成、22玉、23飛不成、12玉、
  73飛不成、22玉、23飛不成、12玉、
  83飛不成、22玉、23飛不成、12玉、
  93飛不成、22玉、23飛不成、12玉、

ここまでで連続不成王手14回の記録を達成しました。
ここからは13飛成で局面を転換し、玉を87まで大移動させます。
ここ13飛不成なら15回になりますが、成生非限定なので、記録としては14回とします。

  13飛成、同玉、14金、同玉、15歩、同玉、27桂、同金、
  16銀、26玉、27銀、37玉、38金、46玉、47香、55玉、
  45馬、66玉、67歩、76玉、77歩、87玉、

最初の趣向で歩を7枚入手したので、まだ4枚残っています。 その歩を銀歩送り趣向で消化します。

  88歩、同と、96銀、86玉、
  87歩、同と、95銀、85玉、
  86歩、同と、94銀、84玉、
  85歩、同と、93銀不成、83玉、
  82と まで67手

作者 「連続不成王手回数14回です。11に逃げられたときに詰ます変化処理に苦労しました。」

これまでの記録作(連続不成王手12回)は銀と桂の不成でした。 本作は全く違う飛連取りを使って飛の不成で連続不成王手14回を実現しました。

飛の連取り自体は4手サイクルの基本形で、元祖作品、伊野辺看斉の 象戯手段草第3番詰将棋博物館より)がこの構造でした。 これは24飛型なので、不成はありません。 飛を3段目にして不成を導入したのが、八代大橋宗桂の 将棋大綱第47番詰将棋博物館より)。 ただし、1サイクルごとに歩叩きが入るので、連続不成にはなっていません。 連取り趣向は、取った駒を1サイクルの中で使う構造にした方が、持駒が増加せず作り易いので、 実は4手サイクルの基本形の連取りはほとんど作られていないのですね。

基本形のままで飛不成を導入した作品としては、森本幹夫(詰棋界1951年10月)作 (棋譜ファイル)があり、6枚連取りして連続飛不成10回でした(早詰あり)。 馬屋原作は最大限の7枚を連取りし、しかも最後まで飛不成といくことで、森本作より4回増加し、 連続飛不成14回を達成しました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

長谷繁蔵さん:
11玉に33馬で詰むのを見つけて解決。意外の開き王手でした。
隅の老人Bさん:
表題に連続回数記録と書いてある、 それなら、序の飛での連取り趣向が記録かな?です。
連取りで入手した7枚の歩を使いながら、王を右辺から左辺へ追います。 収束も軽趣向が入って嬉しく終局。
易しく楽しく、趣向作はかくありたい、そんな気がする好局です。
山下誠さん:
この簡単な機構で、連続飛不成は驚異の14回。 ユーモアある記録作ですね。
おかもとさん:
飛生の連続の連取りは、これまでなかったのかな。 ちょっと意外です。

余詰作ですが、前述の森本幹夫作がありました。

松本浩一さん:
飛車不成での往復による多分最大長手数絡みという部分迄は何とか……。
後、柿木先生に頼り鑑賞。眼福です。
Pathfinderさん:
圧巻の14回連続飛不成!稼いだ歩の処理も見事ですね。 29手目も不成としたくなりました。
鈴木彊さん:
3段目の玉方の歩4枚とと3枚計7枚を飛不成で取る趣向は面白い。
その後飛で銀を取り玉を1筋から8筋まで空中遊泳させ9筋の飛と銀で83まで追い詰める。 見事なもの。
波多野賢太郎さん:
少し変化読みは必要ですが、 この連続飛不成の手順は楽しく分かりやすくて良かったです。 この記録はなかなか破られないかもしれませんね。
S.Kimuraさん:
63の歩をと金にしても良さそうでしたが, この辺も作者のこだわりがあるのでしょうか.

元々は全部歩にしたかったのが、75歩の関係で73がと金になったので、 目立たないように83、93もと金にしたのかな。

小山邦明さん:
収束まで一貫して趣向的な手順にまとまっている所がすばらしい。
占魚亭さん:
前半の連続不成王手が楽しい。
池田俊哉さん:
飛生14回の連続記録。 通常11玉12歩のやり取りが入る形だが、それを省略した分、後半持ち歩の消費に苦労した感じ。

記録展示室No.108 解答:12名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  小山邦明さん
  鈴木彊さん  隅の老人Bさん  占魚亭さん  Pathfinderさん
  長谷繁蔵さん  波多野賢太郎さん  松本浩一さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。