盤面4枚、持駒1枚の簡素図式。
ぱっと目に付く順は、73飛、81玉、72銀成、91玉、93飛成、92合、82成銀までの7手詰。
ところがこの順は92桂合の逆王手で詰みません。
ほかに手もないようですが・・・
ポツンと離れた99銀が解決のカギでした。
79飛と打って、この銀を取りにいくのです。
81(82)玉に72銀成、91玉、99飛となれば、92桂合の逆王手も同龍で簡単。
あれ、でも桂が余っちゃいますね。
79飛に78歩とか中合する手はどうでしょうか。
同飛、81玉、72銀成、91玉、92歩、同玉、98飛までぴったり詰みました。
どこに中合しても同じかな、と思いきや、74歩合とされると飛が9筋に回れなくなるではありませんか。
実は、この手順が正解。
9筋に回れなくても、同飛、81玉(82玉は83歩)に72銀不成とする手が好手で、
91玉に92歩、同玉、83銀成とすれば詰み形が見えてきます。
79飛、74歩合、同飛、81玉、72銀不成、91玉、92歩、同玉、
83銀成、81玉、72飛成、91玉、92(82)龍(成銀) まで13手
83銀は成不成非限定。
それに対して81玉のところ91玉も71飛成、81合、82成銀まで同手数で、どちらも正解です。
作者 「狙い: 飛最遠打の使用駒数最少の記録作品(5枚)です。 7九飛の意味は変化で9九の銀を取るためです。」
使用駒わずか5枚の初形から、逆王手の逃れ、飛の最遠打、限定中合まで飛び出すとはびっくりですね。
そう、本作は飛最遠打・使用駒数最少の記録作品(5枚)です。
これまでの猫田いわしさんの6枚から更に1枚減らすことに成功しました。
質駒を取りに行く遠打はよくある筋とはいえ、残り2枚で詰将棋として成立させたのはお見事です。
記録展示室も本作で100作目の出題。
「そこにエベレストがあるから登るのだ」ということで、これからも世界最高峰を目指す挑戦は続いていくでしょう。
記録の項目によって、理論上の限界が達成された項目もあれば、まだまだ更新できる項目もあるので、
記録に挑戦!で関心をひいた項目があったら、ぜひ記録更新に挑戦してみてください。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 陽気なわらしべ長者さん:
- すっきりとした春の季節を感じさせる作品でした。
- 蛇塚の坂本さん:
- 9九銀が意外な駒に見せて7四歩の中合強要するところが面白い。
- 長谷繁蔵さん:
- 2手目やっぱり限定だったあ!
- 山下誠さん:
- 9九銀の配置が何ともユーモラス。
確かに双玉作品の極限の駒数のような気がする。
- 占魚亭さん:
- この枚数で最遠打が出来るとは。
- おかもとさん:
- 飛車の最遠打の使用駒最小でしょうか。作意は中合がアクセント。
- h&iさん:
- 双玉プラス銀二枚のシンプルな初形から、遠飛車と意外な地点への中合。
お見事です。
- S.Kimuraさん:
- 何の記録なのか分かりませんでしたが,2手目の応手に悩まされました.
- 攻めダルマンさん:
- これくらいで遠打が出来るとはね。
- 小林巧さん:
- 事の他、難しく 考えさせられる。
貧乏性の虫が騒いで99の銀を取りに行きたくなった。
- 金少桂さん:
- 初手の意味付けの99銀以外に詰将棋として成立させる舞台配置が
84王と63銀のたった2枚で済んでるのがすごいと思った。
- 市橋宗士さん:
- なんで簡素な図なんでしょう、これなら解けそうだ、と思ったんですが。
変化手順で、双玉図ならではの逆王手が出現、見落とすところでした。
この形、この手数、この手順、いいですね。
- 隅の老人Bさん:
- 初手に応ずる74歩合は巧妙。でも、何の記録なのかは解らない。
- 波多野賢太郎さん:
- 逆王手ではなかったんですね。
この形で7四歩合という好防が出てきて十分と思いました。
- 池田俊哉さん:
- 飛最遠打の最小駒数か。
非限定箇所はいろいろあるが、駒数増えては元も子もない
- 小山邦明さん:
- 10手目は81玉でも91玉でも可?
どちらでもOKです。
- Pathfinderさん:
- 初手73飛で簡単に詰むと思いきや92桂合が上手い反撃。
この盤面、枚数から飛車最遠打が出ることに感動しました。
- 嵐田保夫さん:
- 簡にして明且つ敏なり。
- ハマGさん:
- 飛最遠打の使用駒数最少記録、1枚更新
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