「記録に挑戦!」は、さまざまな長手数記録、短手数記録、駒数や繰り返し回数の記録など、
詰将棋のあらゆる記録作品を体系的に見ることができる、記録作のコーナーです。
たくさんの人が記録作品を創作していますが、馬屋原剛さんも積極的に記録に挑戦している作家。
数えてみたらなんと20部門の記録に馬屋原さんの名前がありました。
ちなみに馬屋原さんの名刺には「記録作マニア」と書かれています。
さて、本作。
飛車筋を通す52銀捨てが見えますが、
同角、43香不成、同角、同飛成、42香合、同龍、同玉、33歩成、52玉、43角、63玉で切れ筋。
初手は単に43香不成と行くしかなさそうです。
42合は、同香成、同玉、33歩成で取った合駒を打って詰みなので、32玉とかわします。
33歩成は21玉で打歩詰。
22と、同玉、34桂、32玉、42桂成、21玉と打開するのはあとが続きません。
最初から33歩不成と打歩詰を回避するのが正解です。
それでも21玉なら、22歩、同玉、14桂で簡単。
43玉と逃げます。
43香不成、32玉、33歩不成、43玉、
ここまで来ると感のいい方なら何の記録か分かったかもしれません。
そう、本作は攻方六種不成の短手数記録(15手)です。
これまでの記録は菅野哲郎さんの「素直になれなくて」17手。
大崎壮太郎さんに15手の作品がありますが、変長のため参考記録となっていました。
本作は変長なしの文句なしの短手数記録です。
44玉に43飛成を見て、52銀不成の両王手は当然。
続く53飛不成は41玉に42歩を用意したもの。
52銀不成、同玉、53飛不成、61玉、
続いて73桂不成から81角不成で
6種類の不成がそろいました。
73桂不成、72玉、81角不成、83玉、
84歩、82玉、94桂 まで15手
飛角歩の不成は打歩詰を利用するしかありませんから、
歩を打つ手を入れると13手が理論上の最短手数です。
更に短縮するためには歩を持たずに変化手順であとで取れるようにすることが考えられますが、はたして可能でしょうか。
(5月10日訂正)
15手が理論上の最短手数と書きましたが、2チャンネルの【詰将棋】これが神局だ!!! その6で
「最終3手を○○歩打、○○玉、○○桂不成(または銀不成)とすれば13手は十分可能ではないでしょうか? 」
と指摘あり。これはその通りで、大崎さんの15手もそのパターンですね。
うっかりしました。
13手が理論上の最短手数と訂正します。
ご指摘ありがとうございました。
なお、本作は攻方受方を問わない六種不成の短手数記録としても
駒場和男さんの15手と並ぶタイ記録になります。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 長谷川琴さん:
- 6種不成りの最短手数でしょうか。
良く出来てますね。
- 凡骨生さん:
- 6種不成の最短ですか巧く出来ていますね、それにしても形が…。
- やきのりさん:
- このならず者め〜。次々と現れる打ち歩詰めを不成でやっつける。
初手、紛れを結構読まされました。
- 三輪勝昭さん:
- 全種不成りの短手数記録ですか?
桂は仕方ないにしても香は成らないと王手にならないのは不満です。
成らずの理由を同じ箇所でした方が面白いし記録的にも有利だと思うのですが、そんな事が出来たら看寿賞ものですか?
今度は玉方と双方全種不成りに挑戦して下さい。
- 名無し名人さん:
- 15手で六種不成とはすごいですね。個人的には受賞級。
- 池田俊哉さん:
- 攻方六種不成、最短手数ですか。銀生と桂生が必然でないものも見てみたいが...
銀成も王手なので銀生は必然ではないですが。香生と桂生かな。
- やよいさん:
- 攻方六種不成、最後の角不成でようやく気付きました(遅い…)。
- きたさん:
- 6種不成の最短手数記録の達成、感嘆とともにお祝いを。
- タクさん:
- わかっていてもそれなりに考えさせられる。
- 隅の老人Bさん:
- 馬屋原さん、この次は順列不成でお願いします。
- 藤田卓志さん:
- ナラズナラズの連続ですごいですね。
- S.Kimuraさん:
- 全駒不成としては,最短なのでしょうか.
- やまかんさん:
- 1つ1つの駒の働きを確認して納得。26桂馬が動かないが良い働き。
- 鈴木康夫さん:
- 攻め方六種不成の短手数記録ですね。
単に六種不成としてもタイ記録とは素晴らしいです。
- やぶいりさん:
- 攻方6種不成最短手数新記録ですね。
- 占魚亭さん:
- 6種不成の短手数記録ですか。これは凄い。
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