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詰将棋おもちゃ箱記録に挑戦!

記録展示室 No.78
やよいさん「白糸の滝」

記録に挑戦!
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
持駒歩18枚最短。30手台

持駒歩18枚の作品は、詰将棋一番星持駒歩18枚の全作品リストがまとめられています。 これを見ると最短37手の作品は No.36(今村修さん「下町番茶娘」)だけ。 残念ながらこの作品は変長があり、短手数記録としては致命的です。 そこで、変長なしの最短手数を目指して創作されたのが、本作「白糸の滝」。 持駒歩18枚の短手数記録作品(37手)です。

作者:
作品名は歩の縦連打の部分を滝に見立てたネーミングですが、ちょっと安易…?
歩連打の手筋においては通常、玉の応手を規制するための駒(金や香)を持つ必要がありますが、 37手詰の場合は持駒とせず盤上配置としなければならないため、その配置を考慮しての作図となり、 玉軌跡がかなり制約を受けます。
本作は今村作と比べると「くるくる」的妙味の薄い玉軌跡となってしまいましたが、やむを得ないところと思います。 いずれにせよ、今村作(縦連打→2連打横送り)や本作(2連打横送り→縦連打)以外の玉軌跡で作図するのは 難しいという印象を受けました。

  22歩、11玉
  12歩、同玉、13歩、22玉、
  23歩、31玉、
  32歩、同玉、33歩、41玉、
  42歩、51玉
  52歩、同玉、53歩、62玉、

61飛成と金を取る筋があるので、三段目に歩を打つと、玉はその筋には入れなくなります。
そこで、初手22歩にいったん1筋に逃げ、歩を使わせてから22玉、31玉と逃げます。
注意しなければならないのが、42歩のとき。 同玉、43歩と歩を使わせた方がいいように思えますが、 43歩を打たれてしまうと、51玉に52歩、同玉、61飛成と飛を切られて早詰です。 そのため、42歩にはすぐに51玉と逃げるのが正解です。

ここからは縦の歩連打。 滝に入ります。 歩打ちに逃げるの61飛成で簡単。

  63歩、同玉、64歩、同玉、65歩、同玉、66歩、同玉、67歩、77玉、

再び穏やかな川の流れになって、これまで睨みを利かせていた81飛が最後に活躍して止めを刺します。

  78歩、87玉、
  88歩、96玉、
  97歩、同玉、98歩、96玉、
  85飛成 まで37手

81飛、61金の配置が最短手数実現のキー。 いつでも61飛成と切る筋があるので、余詰消しに苦労しましたが、見事に「白糸の滝」が完成しました。 持駒歩18枚は18×2+1で少なくとも37手必要なので、本作は理論上の最短手数を実現したことになります。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

ほいさん:
6一金「まさか僕が助かるなんて夢にも思いませんでした。」
凡骨生さん:
最終手だけが歩でない。
きたさん:
変化がけっこう複雑で自信ありませんが、手数が37手だろうと見当をつけて、 そこから無理に手順を作った感じです。
S.Kimuraさん:
途中の変化が良く分かっていません.
普通に追うと,1歩不足しますが,最短だとこの解答になると思うのですが・・

正解です。 42歩に同玉と取れないので歩の数が足りるのですね。

ronさん:
玉の移動ルートを辿っていくと、まさに川を流れて、滝をくだり、 滝の根元で弾けて跳ねる水の動きのようです。
作品のタイトルと相まって、優雅さを感じました。
池田俊哉さん:
理論的最短手数ですね。過去には今村さんの下町番茶娘があったと記憶しています。
雲州川の定理と打ち歩送りを61金一枚で済ませるのはすばらしいアイデア
隅の老人Bさん:
歩の18連打、表題がグー。
まもなく、白糸の滝が黄葉が色ずく頃ですね。
占魚亭さん:
滝の水の流れをうまく表現できていますね。

記録展示室No.78 解答:8名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  きたさん  隅の老人Bさん
  占魚亭さん  ほいさん  凡骨生さん  ronさん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。