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詰将棋おもちゃ箱記録に挑戦!

記録展示室 No.50 金少桂さん

記録に挑戦!
記録に挑戦!
出題時のコメント:
先行逃げ切り 30手台

本作は、全着手桂の長手数記録作品(31手)です。

全着手歩〜全着手玉の特別出題で、 いきなり最下段から始まる猫田いわしさんの27手が発表され、これが限界かと思われましたが、 その後4枚の桂を2枚2枚でなく3枚1枚に分けるアイデアで、鈴木康夫さんが29手に更新

ところが本作は31手! なぜ更新が可能になったか。 作者に聞いてみましょう。

作者:
創作のきっかけは、記録展示室No.7で、「桂の移動による開き王手で桂合をさせ、 それを取るという手順を織り込」まないと、29手を超えることが不可能みたいに書かれていたのですが、 それは攻方桂成の可能性を見過ごしているのではないか、と感じたからです。 更に、玉の軌跡も、2通りしかない、みたいに書かれていたので、折角なので、7段目だけですが逆追いにして、 わざと不規則桂追いにしてみました。

  89桂、67玉、59桂、57玉、49桂、56玉、48桂、65玉、
  77桂、55玉、47桂、45玉、57桂、44玉、36桂、53玉、
  65桂、43玉、35桂、33玉、45桂、32玉、24桂、41玉、
  53桂不成、31玉、43桂不成、21玉、33桂不成、同と、12桂成
  まで31手

桂4枚の競争は、先行した48桂が最後まで逃げ切って勝利を収めました。
玉の逃げ方を限定する配置、特に最後の成を実現するための上段の配置に苦心のあとが見られます。

3枚1枚に分けるのもいわれてみれば、でしたが、最後に成りを入れるのもまたコロンブスの卵。 データベースで桂不成〜桂不成〜桂成の手順を検索してみたら、 四桂詰では坪井定一さんの「死刑の宣告」1作だけが見つかりました。 桂以外の手がいろいろ入っていますが、収束で桂を3枚成っています。

ところで、全着手桂の理論上の最長手数について、作者はこう語ります。

作者:
本作では、最終手桂成を付け加えることにより、 鈴木康夫氏の作品から2手更新することに成功しました。 しかし、もし4枚の桂を全て成らせることが出来れば、単純な桂追いでも、37手までは可能かもしれません。 39手以上は、本当に、「桂の移動による開き王手で桂合をさせ、それを取るという手順を織り込」む必要がありそうです。 ますます厳しいとは思いますが。

作者のいう通り4枚とも桂成までいければ37手になりますが、実際に構成するのは至難の業。 33手以上が可能なのか、挑戦してみてください。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

鈴木康夫さん:
成を入れることで延長の余地があるのは知っていましたが 生桂で王手した所に成っても取られるだけなので実現は困難と思っていました。 王手する場所と成る場所を使い分けているのが秀逸ですね。
凡骨生さん:
「K−1(16)図式」
長谷繁蔵さん:
途中苦戦した。
稲葉上さん:
全着手桂。
しかも成桂で手数をかせぐのでなく、全桂三段跳ねなのがすごい。

全着手桂の記録は桂成はOKですが、成桂での王手はNGです。

しろねこさん:
持ち駒の4枚の桂馬と盤上の桂馬が連続して王手。桂不成がかっこいい。
気持ちがいい。
嵐田保夫さん:
見事な桂の跳躍力で新"四桂の宣告"か。まるでバッタか何かの襲来を思い出す。
隅の老人Bさん:
これまた、成る程とは思うが、それでお仕舞い。
苦労?して創ったのでしょうね。
吉田京平さん:
桂成を入れる発想はありませんでした。
理論上の最長は37手となりましたが、新人の果敢な挑戦を待ちましょう。

記録展示室No.50 解答:8名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  稲葉上さん  しろねこさん  鈴木康夫さん
  隅の老人Bさん  長谷繁蔵さん  凡骨生さん  吉田京平さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。