|  一色図式の長手数記録に挑戦し続ける増田直樹さん。
    現在、香、桂、銀、飛の一色図式、そして双裸玉の長手数記録を持っています。
    本作は自身の持つ香一色図式の長手数記録を2手更新する作品
    (31手)です。 
 香一直線のきれいな形。
 持駒はたくさんあるとはいえ、14方向や34から45への逃げ道があるので、簡単にはいきません。
 金銀が6枚あれば22銀、33銀と直接捨てる順で詰みますが、金銀は4枚だけ。
 45香が浮いていることを考えると、金銀をできるだけ使わずに3筋に誘導して43か44に拠点を築くのが有望そうです。
 
 まず、2筋に呼ぶのは金銀どちらかを捨てるしかなさそう。
 そこで3筋に呼ぶのを金銀を使わずに桂で間に合わすことを考えると、24桂から32桂成という順が浮かびます。
 12歩、同玉、24桂、13玉、22銀、同玉、32桂成、同玉、43金という順ですね。
 まだ金銀桂歩歩と残っているので、こうなればなんとかなります。
 
 作意もこの線なのですが、初手12歩に21玉とかわすのがちょっと意外な応手。
 32銀、同玉、43金で上記と同じような形。 しかし実は12歩が残っているとこの形は詰まないのです。
 43金に23玉、24歩、13玉で14歩が二歩で打てない!
 
 そのため21玉には、13桂と打って12歩を取ってもらおうとします
    (33桂ではその桂がジャマになって不詰)。
 作意は12玉ですが、22玉と抵抗する順も難しい。
 14桂、12玉、22桂成と桂を使って12歩を消去するのです
    (ここも34桂ではその桂がジャマになって不詰)。
 22同玉のあとは33銀、同玉、44金と拠点を築いて、なんとかなる形です。
 また14桂のとき更に23玉と抵抗すると、今度は32銀、同玉、43銀以下で簡単。
 
 ということで、12歩、21玉、13桂には12玉で、24桂、13玉、22銀、同玉、32桂成、同玉、43金と、
    最初の構想の形にたどり着きます。
 22玉なら33銀以下、23玉なら24歩、同玉(13玉、14歩以下)、33銀以下。
 気持ちの良い捌き。 手数はかかるけれど、難しくはないでしょう。
 
 茫洋とした形に巧妙な手順がひそんでいる、おもしろい作品でした。
 
      12歩、21玉、13桂、12玉、24桂、13玉、22銀、同玉、32桂成、同玉、43金、23玉、24歩、同玉、33銀、34玉、
 44金、23玉、24金、12玉、13歩、11玉、22銀成、同玉、
 33金左、11玉、12歩成、同玉、23金上、21玉、22金 まで31手
 それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。 
      長谷繁蔵さん:
      収束変同有り 12歩成の方の22金です最初駒が余って困った
 26手目31玉の順ですね。 
      凡骨生さん:
      暗中模索のような作ですが43金が打てれば糸が解れる。 
     
      茂垣淳さん:
      銀成あたりで詰め方が見えてきました。
     
      中澤照夫さん:
      これはパソコン向き。
     
      嵐田保夫さん:
      2二銀〜3二桂成で4筋に橋頭堡を作るのがポイントだが、やはり、こういう玉の広い作品は苦手で、悪戦苦闘の末ようやく最長手順を発見。
     
      隅の老人Bさん:
      何の記録、香一式図式の最長手数?45香以外は歩でも良い、少し値打ちが下がります。
 
      S.Kimuraさん:
      2手目同玉を読んでいたのですが,それでは29手で桂馬が余ることが分かりました.そこで,2手目は21玉とし, 13桂 12玉 とすると,同じ手順で31手詰ではないかと推理しました.2手目21玉の他の変化は調べていません.
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