おもちゃ箱が開設し、記録に挑戦!のコーナーができて、全着手歩、全着手香などの記録を募集したのが2001年9月のことでした。
このときの特別出題では、猫田いわしさんがほとんどの記録を更新して、びっくりさせました。
2002年に入ると、全応手歩、全応手香などの記録もやっくん、健太さん、ミーナさんなど各氏によって次々更新されました。
そして、更に制約の強い(攻方、受方両方の)全手順歩の記録作(7手)を
菅野哲郎さんが詰将棋パラダイス2007年11月号で発表。
2008年6月には全手順香5手、全手順桂5手も金少桂さん、徳希さんにより発表されました
(全手順香5手は岩田俊二さん、菅野哲郎さんも発表しています)。
今月の展示室は「記録に挑戦!」特集でしたが、いずれも全手順香〜全手順金の記録に挑戦した作品でした。
最初の作品は全手順香の長手数記録作品(7手)です。
32香成、同香、41香成、33香打、同香成、同香、23香 まで7手
- 作者:
- 正直に言って、本当に出来るかどうかさえ分からない挑戦だったので、かなり疲れました。
今回の図は手順を成立させるのが精一杯で、花駒だらけになっていますが、ご容赦願います。(玉方の持駒は歩のみ。)
せめてもって、少しは芸術的に配置したつもりです。
最初に捨てた香を合駒で取り返す構成がポイントでした。
全手順香は、挑戦した各氏から
「7手詰は不可能・・?」
「全手順香は5手が最長であることの証明」
などの声もありましたが、可能性を信じて、見事に全手順香7手を実現した金少桂さんに拍手!
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 躑躅さん:
- 命名は芳「香」族から?
ベンゾール(ベンゼン)は最も単純な構造の芳香族炭化水素(Wikipedia: ベンゼン)。
- 凡骨生さん:
- 香化品。
- ひまじんさん:
- こういうのは初挑戦です。開きに合いに打ちに成りに、香が活躍してておもしろいですね。
- 中澤照夫さん:
- 全着手香。不成が入ればすごいが。
おかもとさん:
- ふうむ、なるほど。香合で稼ぐとはね。
ちなみに、攻方2四桂を受方1二桂とでもして、5四飛を5四龍、6六角を6六馬とすれば、5一玉はなくとも作意は成立するようです(作意3手目は4二香成)。
本作は花駒も多いので、受方持駒指定で整理するとかなりすっきりします(右図)。
- 長谷繁蔵さん:
- 祝 初入選 これからも見せて下さい。
- しろねこさん:
- 41香の開き王手と素晴らしい実戦でさせたら無駄のない手順でいっぱいです。
- 嵐田保夫さん:
- 趣向詰めとはいえ玉方4手目3三香しかないのはつらいものがある。
- 稲葉上さん:
- 全手順香7手。「ベンゾール」は「香」の意?
三筋に歩を置きさえすれば六段目から上はどう配置してもよさそう。作者はお絵かき気分?
- 大森常一さん:
- 遥か遠くに配置された金銀が重たい。
取られる合いごまは限定合いでない限り一番安い駒を使うのが普通かなと思いますので、作意は踏襲できると思います。
記録作なので、香合限定でないとうまくないですね。
- S.Kimuraさん:
- 5手目が33角成ではいけない理由がしばらく分かりませんでした.
33同角が逆王手!
- 馬屋原剛さん:
- 玉配置が絶妙な位置ですね。
- 鈴木康夫さん:
- 掲示板に全手順香で7手詰めは不可能との誤った証明を投稿しましたが、
香成で香を取る手を見落としていたのが原因です。
- 諏訪冬葉さん:
- 2手目が逆王手なのを途中まで見落としていました
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