10以上の記録を持つ猫田いわしさん、本局では更に新たなジャンルへの記録に挑戦しました。
曲詰とは、初形や詰上りの(あるいは途中の)局面で、文字や図形、対称形などを表現するもので、
初形の場合「盤面曲詰」、詰上りの場合「あぶり出し」と呼ばれます。
更に高度な曲詰として、初形と詰上りの両方で表現する「立体曲詰」や、途中の局面もあわせて表現する「三段曲詰」も存在し、
「二→上」、「N→H→K」、「ヒ→ロ→エ」など、多くの作品が創作されています。
本局は見ての通り、初形は左右対称。 そして詰上りも左右対称です。
それでは立体曲詰かというと、それだけではなく、途中の局面もすべて左右対称なんです。
53手詰なので、なんと「五十四段曲詰」。
本局のように、全手順の局面で曲詰になっている詰将棋を「完全立体曲詰」と呼ぶことにします。
また本局では、この53手の間すべての着手、応手は5筋の中だけで行われます。
つまり、この作品は
・完全立体曲詰の長手数記録作品
・全手順一つの筋の長手数記録作品
ということになります。
52と、 同 玉、
53と、 51玉、 52と、 同 玉、
55香、 53歩合、同 香、 同 玉、
54歩、 同 玉、
56香、 55歩合、同 香、 同 玉、
56と、 54玉、 55と、 53玉、54と、52玉、
53と、同 龍、同 龍、同 玉、
51飛、 52歩合、54歩、 同 玉、
52飛成、53歩合、55歩、 同 玉、
53龍、 54歩合、56歩、 同 玉、
54龍、 55歩合、57歩、 同 玉、
55龍、 56歩合、58歩、 同 玉、
56龍、 57飛合、同 龍、 同 玉、
58歩、 同 玉、 59飛 まで53手
変化は大体はすぐ詰むか本手順に短縮するのですが、24手目53同龍のところ51玉と逃げる手が難しい。
42と、同銀、58龍、41玉(53歩合は同龍以下)、42香成、同玉、
52飛、31玉、22銀、41玉、51飛成、32玉、31龍、23玉、
33龍、14玉、54龍、25玉、24龍引、36玉、27龍まで45手
ここさえ乗り切れば、あとはくるくるです。
新春にふさわしい、おめでたい記録作品でした。
完全立体曲詰は対称形以外は非常に難しそうですが、フェアリー詰将棋では、
初形から詰上りまでずっと「一」(だんだん短くなる)という作例もあり、
文字や図形も不可能ではなさそうです(すでにあるでしょうか?)。
登場したら、文字・図形・対称の3項目に分けて記録を登録したいと思いますので、挑戦してみてください。
また、全手順一つの段の長手数記録も登録したいので、みなさん、挑戦してください(おもちゃ箱掲示板またはメールで)。 2月末時点での最長手順作を登録します。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 鈴木康夫さん:
- 作意はすぐに見えたのですが24手目51玉の変化に悩まされました。
全ての手が1つの筋のみで着手する詰将棋の最長手数記録でしょうか。
- 中澤照夫さん:
- 玉移動1筋限定の最多か。初形も美しい。
玉だけでなく、詰方の着手もすべて一つの筋です。
- 長谷繁蔵さん:
- 途中の変化も面白いしそれ以後の攻め方も初見でした。
- 桑田倫彦さん:
- どう収束するのかと思ったら最後は飛合ですか。
攻めも受けも5筋に終始。
示された手数に合わせたので24手目51玉の変化は調べていません。
手持ちのソフトも解答してくれません。
(ヘタレですみません。もし、この変化が詰まないようなら持駒に歩を加えて57手になるでしょう。)
場合によって銀合で良いところもあるかな
51玉は前述のように45手で詰みます。 8手目の歩合は銀合でもいいようですね。
- 真Tさん:
- 最初から最後まで左右対称とは…、発想がすごいですね。
- 隅の老人Bさん:
- 同一の筋から出ない詰棋の最長?
考えれば、いろいろな記録があるもの、
好きと暇の産物ですね
- S.Kimuraさん:
- 玉がなかなか前進してくれず困りました.
24手目に△5一玉と逃げる変化も難しく,
以下▲4二と△同銀▲5八龍△5七歩とした変化が55手詰駒余りになってしまいました.
51玉は前述の通り、57歩合に関係なく早く詰みます。
- 涼秋さん:
- 53とに51玉と落ちられて詰まないと諦めかけましたが42とで詰むのを発見し解決。
ヒントから詰上がりの形は松飾りでしょうか
対称できれいなので正月向けと書いたのですが、いわれてみると、そんな風に見えてきますね。
- たくぼんさん:
- 連続対称形最長記録でしょうか。かしことは思えない手順です。
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