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 記録に挑戦! 第43回
最大繰返し回数の記録(8)
加 藤  徹 
詰将棋パラダイス2008年10月号より
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 攻方駒に続いて受方駒の連続移動回数記録を紹介します。

金子清志 受方歩の連続移動4回 受方歩の連続移動4回 金子清志
  詰パラ 1991年10月

 33銀生、同歩、34と、同歩、
 35銀、同歩、36桂、同歩、
 35飛成、同玉、45金まで11手

 受方駒の連続移動では(玉の連続移動を除いて)玉が動けないため、弱い駒の場合、理論上の最大回数が決まってしまう。

 歩の場合は本作の4回が限界。最後は飛を成り捨ててきれいに決める。

  受方香の連続移動4回
  谷岡里覧 詰パラ 1996年10月
  金子清志 詰パラ 1997年9月

 この2作は歩の記録と同様、玉の横の筋から斜め下、横、斜め上、そして桂の捨駒で4連続で動かすもの。 理論上もこれが限界。

  受方桂の連続移動3回

 多数の作例あり。これも連続3回の実現は容易だが4回は不可能(連続でなければ駒打ちも含め5回移動の作品がある)。

健太 受方銀の連続移動12回 受方銀の連続移動12回 健太
  おもちゃ箱 2002年5月

 43桂成、同銀、54歩、同銀、
 43歩成、同銀、54歩、同銀、(中略)
 52と、同銀、42飛成、同銀、
 44角成まで29手

 上田さんの角の連続移動記録の4香連捨ての機構を使って12回連続移動を実現。

 収束を工夫して、全応手銀の長手数記録作(29手)にもなっている。

  受方金の連続移動11回 TETSU
  おもちゃ箱 2002年5月

 これも次の上田作品の応用で、銀と同様全応手金の長手数記録(27手)にもなっている。

上田吉一 受方角の連続移動11回 受方角の連続移動11回 上田吉一
  詰パラ 1969年11月

 23金、同龍、15角、24龍、
 34歩、同角、43歩成、同角、
 34歩、同角、43香成、同角以下45手

 4香連捨てにより角の連続移動11回を達成(健太さんによる12回への改作案あり)。

  受方飛の連続移動11回 TETSU
  おもちゃ箱 2002年5月

 これも4香連捨てによるもの。

添川公司 受方玉の連続移動365回 受方玉の連続移動365回 添川公司「桃花源」
  「桃花源」 饗宴 1990年1月
  原図 近代将棋 1985年12月

 馬ノコで一つ動くごとに馬追いの往復が入る斬新な機構。「一手馬ノコ」の用語はこの作品から生まれた。

 有名な作品なので手順は省略。未見の方はおもちゃ箱で鑑賞されたい。

  受方馬の連続移動8回 藤沢英紀
  将棋世界 2007年8月

 全応手馬の長手数記録作品(17手)として第37回に紹介した作品。

注)現在では、芹田修 19手 9回 が記録。

中村雅哉 受方龍の連続移動10回 受方龍の連続移動10回 中村雅哉「奔龍」
  詰パラ 2008年3月

 67香、同龍、56銀打、同龍、
 66香、同龍、77桂、同龍、
 67飛、同龍、66金、同龍、
 56銀打、同龍、55と、同龍、
 56金、同龍、54銀、同龍、
 66金まで21手

 これまでの記録5回を一挙に倍増する中村さんの傑作。単に記録に留まらず、密度の濃い手順。しかも全応手龍の長手数記録にもなっている。

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