詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.123 本間晨一さん

詰将棋美術館
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
実戦型アート2 30手台

アート展示室No.123 本間晨一

連作第2弾。 本作は無仕掛実戦型の初形曲詰「|」です。

無仕掛けですから初手は飛を打ちたいところ。 合駒を読んで見ると、32飛には22銀合、42飛には22金合で詰まないようです。 前作(アート展122)と同様に金を捨てて玉を詰みやすい位置に動かしてから飛車を打つのが正解です。 22金と捨てれば、例の飛車のサンドイッチの手筋で追い詰めることができます。

  22金、同玉、24飛、23歩合、21飛、同玉、23飛成、31玉、

ここで32銀とか34香だと左側が広すぎて失敗。 じっと33龍と一路左に寄せるのが良い手です。 合駒は42銀から23香があるので、飛合が最強ですが、それでも42銀から24香として、22歩合などなら31銀成、12玉、23香成、同歩、32龍以下。 かといって22銀合や22金合ではばらして詰み。 そこで33龍には41玉と逃げるしかありません。

  33龍、41玉、

ここで42銀とか44香だと52玉でまだ左側が広い。 かといって43龍ともう少し左を狭めようとしても、金合や飛合で強く受けられると詰みません。 銀香は温存して42歩と攻めるのが正解。 51玉なら53龍で簡単なので52玉の一手で、63銀、61玉となるとぐっと狭くなります。

  42歩、52玉、63銀、61玉、

62歩、71玉に74香(以遠打)と離して打てば、大道棋でおなじみの形。 73中合が必要ですが、72銀成、同玉、73龍と取られる順があるので、72銀成をとるため73金合か飛合でなければなりません。 飛合だと、同香、82玉、72香成、83玉、82飛以下ということで、金合が正解です。

  62歩、71玉、74香、73金合、72銀成、同金、同香成、同玉、

あとは、73金と打てばきれいに収束します。

  73金、81玉、82歩、91玉、92歩、同玉、83金、91玉、
  31龍 まで31手

作者「桂香図式で盤面「|」の初形美が狙いです。 本作は、投稿済みの盤面「━」の姉妹作になります。
初手さえわかれば、後の手順はそれほど難しくないと思います。 一か所だけですが、17手目74香に対して73金合とするところが、ちょっと気づきにくい応手かもしれません。
初形の桂香がそのまま残ったのは残念ですが、持駒と合駒(金と歩)の活用手順を楽しんでいただければと思います。」

本作も桂香が動きませんが、ないと早詰があり、どちらも必要な駒です。

なお、収束を検索してみたところ、33龍以下の手順は電子れいずさんの作品にありました。
Shogi.ioおよび作者のTwitterアカウント電子れいず@de_re_shogiで、2019年3月19日に発表された作品。

13飛成、21玉、33桂不成、同銀、31銀成、同玉、33龍以下本作と同様の手順で29手。

本間作は初形の狙いが大きいので、それぞれ存在価値はあると思いますが、参考作品として紹介しました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

Estalightさん:
収束で一つ置きに歩が三枚並ぶ点が素晴らしいと思いました
山下誠さん:
初形がとにかくきれい。手順は飛車のサンドイッチで、分かりやすい。
占魚亭さん:
まずは一間龍の形を目指す。 17〜21手目の辺りがいいですね。
小山邦明さん:
玉が上部に出てくるのを阻止する手順でないと詰まないのですね 。 初手、飛打ちの一択と思って検討していたので、貴重な金から手放す手順になかなか辿りつきませんでした。
おかもとさん:
もしかしたらと思ったら、この作品も初手金捨てだった。
ootanowatasi67さん:
大道棋を解いているかのよう。 この配置から驚きの手順の発見。72銀や74香の非限定も気にならない。
池田俊哉さん:
22金から二枚飛の鋏み手筋になるが、中盤に大道棋っぽい中合が出てくるのが楽しい。 こちらも形だけみたいな桂香が余詰消しになっているのは良い(11香は歩でも良いみたいだけど)

アート展示室No.123 解答:7名 全員正解

  池田俊哉さん  Estalightさん  ootanowatasi67さん  おかもとさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。