詰将棋おもちゃ箱詰将棋美術館
アート展示室 No.119 eureka

詰将棋美術館
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
最終手余詰あり 20手台

アート展示室No.119 eureka

初形は見ての通り左右対称の馬一色図式で、大きな三角形無防備図式、周辺図式、居玉図式、飛び石図式でもあり、 実は詰上りも飛び石詰という遊び心満載の作品です。 持駒も銀歩3枚ずつときれいですね。

馬が42、62に利いているので、62(42)銀と打っていくか、歩をたたく手が目につきます。

62銀、41玉、42銀、32玉、33銀打、23玉・・・
52歩、41玉、42銀、32玉、33銀打、23玉、24銀打、14玉・・・

するする逃げられてダメそう。 41から32の脱出を許してはいけませんね。

そこで、初手は52銀と捨てるのが41(61)に逃がさない手。 同玉に53馬と押さえます。 左右対称なので、どちらの馬でも同じ。 ここでは53馬右としておきましょう。

  52銀、同玉、53馬右、61玉、

ここでも、62銀、72玉、73銀打、83玉とするする逃げられては失敗。 ちょっと工夫が必要です。

  62銀、72玉、73銀成(不成)、同玉、64馬引、72玉、

73銀と捨てて64に馬を据えるのが好手。 64馬上の方がよさそうですが、83玉、84歩、94玉、95歩、同玉、86馬、84玉で持駒銀歩では捕まりません。 64馬引が正解ですが、これも銀はもう1枚しかないし玉も広いのでかなり不安になる形で、73銀捨てはちょっと勇気がいりますね。 64馬引に

  • 62玉は73銀、51玉、52歩、61玉、62歩、71玉、72歩、81玉、82銀成まで
  • 83玉は84歩、93玉、82銀、92玉、74馬、82玉、83歩成、71玉、53馬以下で25手
  • 84玉は75馬上、94玉、95歩、同玉、84銀、94玉、93銀成、95玉、96歩、同玉、86馬まで

と25手以下で詰み、72玉は29手で、これが最長です。

73銀、83玉で持駒は歩3枚だけとなって、これで詰むのでしょうか。 84歩と打つしかなさそうですが、92、93、94と逃げ方は3箇所。

  • 92玉は74馬、81玉、82銀成、同玉、83歩成、71玉、53馬以下で27手
  • 93玉は82銀不成、92玉、74馬、82玉、83歩成、71玉、53馬以下で27手

94玉は下記の通り29手で、これが作意手順です。

  73銀、83玉、84歩、94玉、95歩、同玉、86馬上、94玉、
  95歩、93玉、82銀不成、92玉、83歩成、同玉、73馬、92玉、
  91銀成、93玉、75馬 まで29手

アート展 No.119 詰上り図 詰上りは右図のように飛び石詰になります。

出題コメントの最終手余詰は、94歩、同玉、95馬上、93玉、84馬上まで。

現在の創作プログラミングは基本的には正算(順算)なので、初形の趣向は意図的に盛り込めるのですが、 詰上りの趣向は偶然に期待するしかないので、こういう詰上りが出現するとうれしくなります。
指しにくい73銀捨てのあとも変化が多く、解くのはかなり大変。
eurekaらしい作品といえるかもしれません。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
9手目から歩の連打で変化迷いました。 最後の2二の合駒変化でも迷いました。 簡素図式は苦手です。

14飛まで27手解。 52銀、同玉、53馬左、41玉のとき、52銀、32玉、43銀成、23玉、24歩と攻めましたが、 43銀成のとき21玉、32銀、12玉と逃げられると詰みません。

松崎一郎さん:
馬を玉に近づける為の銀、歩の使い方に悩まされた。
山下誠さん:
大振りできれいな対象形。 こういう形は手順に苦労することが多い。
川越敏司さん:
盤面は馬一色の対称形で持ち駒は銀歩の2色という趣向で、 かつ盤面に駒が3つしかないという簡素な図式がとにかく驚異的。
小山邦明さん:
初形、持駒の趣向だけではなく、手順(7手目の銀捨て)もすばらしい。
占魚亭さん:
こんな図がまだ残っていたとは。 手順もなかなか良いですね。
おかもとさん:
eurekaの作品は総じて「キレイだけど考えたくない」かも(笑)

ソフトで鑑賞するのがお勧めです (^^;

池田俊哉さん:
53馬と出た後73玉に対して64馬行としたいところ、上部の守りを97馬に任せて64馬引とするところが面白い
二段目の玉が銀歩三だけで詰むとはなかなか思えなかった

アート展示室No.119 解答:8名 正解7名

  池田俊哉さん  おかもとさん  川越敏司さん  小山邦明さん
  占魚亭さん  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。