初形は見ての通り左右対称の馬一色図式で、大きな三角形。
無防備図式、周辺図式、居玉図式、飛び石図式でもあり、
実は詰上りも飛び石詰という遊び心満載の作品です。
持駒も銀歩3枚ずつときれいですね。
馬が42、62に利いているので、62(42)銀と打っていくか、歩をたたく手が目につきます。
62銀、41玉、42銀、32玉、33銀打、23玉・・・
52歩、41玉、42銀、32玉、33銀打、23玉、24銀打、14玉・・・
するする逃げられてダメそう。
41から32の脱出を許してはいけませんね。
そこで、初手は52銀と捨てるのが41(61)に逃がさない手。
同玉に53馬と押さえます。
左右対称なので、どちらの馬でも同じ。
ここでは53馬右としておきましょう。
52銀、同玉、53馬右、61玉、
ここでも、62銀、72玉、73銀打、83玉とするする逃げられては失敗。
ちょっと工夫が必要です。
62銀、72玉、73銀成(不成)、同玉、64馬引、72玉、
73銀と捨てて64に馬を据えるのが好手。
64馬上の方がよさそうですが、83玉、84歩、94玉、95歩、同玉、86馬、84玉で持駒銀歩では捕まりません。
64馬引が正解ですが、これも銀はもう1枚しかないし玉も広いのでかなり不安になる形で、73銀捨てはちょっと勇気がいりますね。
64馬引に
- 62玉は73銀、51玉、52歩、61玉、62歩、71玉、72歩、81玉、82銀成まで
- 83玉は84歩、93玉、82銀、92玉、74馬、82玉、83歩成、71玉、53馬以下で25手
- 84玉は75馬上、94玉、95歩、同玉、84銀、94玉、93銀成、95玉、96歩、同玉、86馬まで
と25手以下で詰み、72玉は29手で、これが最長です。
73銀、83玉で持駒は歩3枚だけとなって、これで詰むのでしょうか。
84歩と打つしかなさそうですが、92、93、94と逃げ方は3箇所。
- 92玉は74馬、81玉、82銀成、同玉、83歩成、71玉、53馬以下で27手
- 93玉は82銀不成、92玉、74馬、82玉、83歩成、71玉、53馬以下で27手
94玉は下記の通り29手で、これが作意手順です。
73銀、83玉、84歩、94玉、95歩、同玉、86馬上、94玉、
95歩、93玉、82銀不成、92玉、83歩成、同玉、73馬、92玉、
91銀成、93玉、75馬 まで29手
詰上りは右図のように飛び石詰になります。
出題コメントの最終手余詰は、94歩、同玉、95馬上、93玉、84馬上まで。
現在の創作プログラミングは基本的には正算(順算)なので、初形の趣向は意図的に盛り込めるのですが、
詰上りの趣向は偶然に期待するしかないので、こういう詰上りが出現するとうれしくなります。
指しにくい73銀捨てのあとも変化が多く、解くのはかなり大変。
eurekaらしい作品といえるかもしれません。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 蛇塚の坂本さん:
- 9手目から歩の連打で変化迷いました。
最後の2二の合駒変化でも迷いました。
簡素図式は苦手です。
14飛まで27手解。 52銀、同玉、53馬左、41玉のとき、52銀、32玉、43銀成、23玉、24歩と攻めましたが、
43銀成のとき21玉、32銀、12玉と逃げられると詰みません。
- 松崎一郎さん:
- 馬を玉に近づける為の銀、歩の使い方に悩まされた。
- 山下誠さん:
- 大振りできれいな対象形。
こういう形は手順に苦労することが多い。
- 川越敏司さん:
- 盤面は馬一色の対称形で持ち駒は銀歩の2色という趣向で、
かつ盤面に駒が3つしかないという簡素な図式がとにかく驚異的。
- 小山邦明さん:
- 初形、持駒の趣向だけではなく、手順(7手目の銀捨て)もすばらしい。
- 占魚亭さん:
- こんな図がまだ残っていたとは。
手順もなかなか良いですね。
- おかもとさん:
- eurekaの作品は総じて「キレイだけど考えたくない」かも(笑)
ソフトで鑑賞するのがお勧めです (^^;
- 池田俊哉さん:
- 53馬と出た後73玉に対して64馬行としたいところ、上部の守りを97馬に任せて64馬引とするところが面白い
二段目の玉が銀歩三だけで詰むとはなかなか思えなかった
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